志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

以下は、最初に書いていた映画の印象。⇒ 映画「無聲」The Silent Forestを観た。昨今大きな話題になっているジャーニー喜多川の性加害の実態を彷彿させた!

2023-10-08 14:09:13 | 映画
最近アマゾンプライムで映画を観ていない。予備知識がなく、「新進気鋭の女性監督・コー・チェンニエンにより、台湾全土を震撼させた事件が映画化!金馬奨で8部門ノミネート・2部門受賞。台北映画祭では最多7部門8ノミネートを記録し、3部門・観客賞を受賞した話題作がついに日本上陸!」の紹介に 思わずクリックして観たのが「無聲」だった。1時間43分もまぁいい時間かもしれないと思った。台湾全土を震撼させた事件とあるので、殺人事件かと想像したら、物語は台湾のろう学校である国立台南特別学校において、実際に起きた性的虐待事件を基にしている。
 主人公の少年がろうあ者だという事は映画の冒頭で分かったが、その中身がろう学校の性的虐待であり、その繰り返されてきた過去と現在だとういう事に驚いた。しかも2020年の作品でつい最近表に出た出来事である。
 この間よく小説や映画でも取り上げられてきた学校のいじめ問題にも類似するが、そのいじめや差別の実態が性的虐待・加害だという事実を大きく取り上げた物語の展開になっており、そうした事例が実は表に出ることなく秘匿されてきた長い歴史を想像させるに十分な映画だと感じた。
 おまけにジャーニー喜多川の性加害の実態も細かく被害を受けた元ジャーニーズ事務所に所属していた面々から赤裸々に表に出ている。こんな事が、と想像を絶する事実の前に唖然とせざるを得ないのだが、事実は小説より奇なりで、性的虐待や加害は日常茶飯事で、この世界に溢れている人間界の光と闇の闇なのかもしれない。
 それにしてもこの映画は小、中学生の年齢の子供たちの実際の性的虐待や加害の現場を描いている。バスの中で愛らし少女が数名の男子生徒にレイプされている。しかし彼女は言葉を発することができない。バスの運転手も周りの生徒たちも黙視している。特別学校は寮も兼ねている。週一回彼らは帰宅し、学校に戻ってくる。
 主人公のチャンはベイベイを守ろうとするが、そのためにボス格のユングアンから、年少の少年の性器をしゃぶるように強制される。そしてそれはスマホ動画に撮られた。その具体的な場面など、ジャーニー喜多川の性加害を彷彿させた。権威のある存在による、甘い蜜をぶら下げた性加害である。子供たちの力関係による性的加害と被害もいじめと集団的暴力装置に他ならないが、社会的に子供を自らの欲望の的にした行為が、長年放置された事実は日本社会のいびつさを如実に示している。氷山の一角だろうか。

 この作品について台湾の方が公開しているサイトhttps://jp.womany.net/read/article/24482 Womany 女人迷 は、自動翻訳で以下の文章が書かれている。
「この映画は、2009年から2011年にかけて台南の特別教育学校で起こった学校における性的暴行事件を取り上げている。 当時、300人以上の学生しかいないこのキャンパスでは、2年間で100件以上の性的暴行やセクハラ事件が発生し、70人以上の学生が殺害され、2年生から3年生まで、教室、寮、図書館、教師、同家、電車、スクールバからも少なくとも2年間は、性的暴行が続いていた。調査に介入した財団は、沈黙は声を出せない不声な子供たちだけではなく、集団の声に手を差し伸べるべきキャンパス全体を含む、と指摘した。」
 つまり映画で描かれた物語以上に実態は悲惨で殺人事件も起こっていたことが記されている。
 以下の日本語バージョンのウィキピディアは映画のあらすじを丁寧に紹介している。
 主人公の転校してきたチャンはベイベイという愛らしい少女に心惹かれるが、ある日、送迎バスの中でレイプされている彼女を目撃する。寮でもいじめは行われる。少年たちは、年少の子を虐待する。少女たちもまた集団で犯される。ボスの少年ユングアンはゲームだと言い放つ。実は優等生のユングアンは小4年から美術教師に性的虐待を受けていた。円環構造をなす矛盾なり犠牲の構造が見られる。

 弱い者たちの中における暴力システムがあり、学校という組織の中における不正や自己保身、暴力の補完構造があり、社会の中にはびこっている暴力システムも貫かれている。総てが公明正大、透明な民主主義という事にはなりえない。生存競争はあらゆる地球上の生物が、人間を含めて、繰り返されている。生きる、生き抜くために、偶然生まれてきた環境に規定されながら、それぞれの宿命を、生きることを余儀なくされているかけがえのない一つの命を、君も私も生かされているのは事実だ。
 性暴力に震撼させられる私たちは、しかし無意識に日常の中のその悪の実在を背負って生きているも事実かもしれない。この世界が光と闇が織りなす矛盾に満ちたものだという事を生まれながらに認識させられている。それがどこに実存しているか、どの階層かによって、世界の捉え方が多様に変わってくるのも事実だろうか。

 いじめや差別、性加害や被害の実態はもっと闇が漂っているようで、台湾中を震撼させたのもうなずける。単にろうあ特別学校の問題ではなく、この人間社会総体の闇が潜んでいるようで、空恐ろしい。
 社会のシステムの中に、人類史の中に、弱者を差別を繰り返し増殖していくからくりもありそうだ。強者を増殖する仕組み同様に、文明、科学技術が進化すればするほど、世界の金融を牛耳っている一定の層の人間による、人類支配の構造も強化されているようだ。支配構造に監視社会化、デジタル化、AI化も加速している。そうした時代の流れの中で常に犠牲を強いる仕組みがなくならない。
 生き物としての生存競争の本質的な何かがあるのだろうか。無常。常に変化していく人間社会は人間そのものも進化していく。同じ定点に留まらないにも関わらず、属性としての人間性が有史以前から変わらないという普遍性(?)も持ち合わせている。世界をどう捉えるか?やはり予約した桶谷行人の本二冊をCheck out しなければ~。
 南北問題は変容する。中国の台頭は、Chainaman's chance of sucsess. を死句にしたようだ。歴史は進化している。歴史は繰り返すの標語もあるが、歴史は変化するは事実だ。変わりながらカーラハイ(羅針盤)になるものに変化がない。太陽系の中の地球の未来は明るく・暗いのか。二律背反するものを含めて複雑にこの地球は、世界は蠢いている。



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2 コメント

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こんにちわ・・・・。 (kiyasume、)
2023-10-08 15:14:59
そんな、映画が台湾で制作されて
居たのですね。。。

障害者を狙った犯行は後を立ちません、、
しかし、最近の女学生の格好だとか、
問題がありますよね、だから盗撮を
されて居ます。最近の性犯罪は際限が
ありません・・・・・・・・。

所で、nasaki さんは「ミッドナイトスワン」
と言うトランス・ジェンダーの映画を見た事
はありますか、この映画はいい映画ですよ。

主演の草彅剛さんが日本アカデミー賞で
最優秀男優賞、作品自体も、最優秀作品賞、最優秀脚本賞などを獲って居る今から3年前の映画です。映画自体は悲しい結末の映画
ですが。もしまだご覧で無かったら、、

観て見て下さい。お勧めです・・・・・。
それでは また・・・・・・。♪( ´▽`)
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コメント (nsaki)
2023-10-08 15:48:10
Kiyasumeさん
 
たまたまアマゾンプライムで観た「無聲」の映画に驚きました。

「ミッドナイトスワン」のご紹介ありがとうございます。最近注目されているトランスジェンダー主題の映画なのですね。興味深いです。
 観た後でブログに感想など書いてみたいと思います。

Kiyasumeさんは音楽もまた映像に関してもとても詳しいですね。以前天才ハーモニカ演奏者の方のドキュメントをkiyasumeさんのブログで拝見して感銘を受けました。現在も活躍していることも知りました。
 改めて感謝です!
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