2006年9月に多くの反対の声を無視して開業したボートピア習志野は今年で8年目、2016年9月で10年目を迎えます。
地元に説明があり「市民連絡会」など反対運動が起こってから10年目を迎えました。
設置にあたっての市民に対する当時の説明とは大幅にかい離した現状といえます。
開業前の地元や市民に対する説得材料であった市に入るお金は環境整備費年間3億円どころか1億円を切ろうかという状況で、
地元雇用にも貢献しているとも思われず、国際水泳場正面の迂回通行も今は正門前を堂々と通すようになり、
新習志野駅の快速電車の停車も実現することはありませんでした。

※環境整備費については主催者側より再三1.5%を1.0%に下げたいとの圧力や要請が来ています。
ボートピア開業にあたっての地元説得のため絶対条件であったため今のところ1.5%を維持しています。
これが当初の約束を守っている数少ない事項の1つですが、仮に1%の要求を飲むと、収入は3分の2となり、
年間の環境整備費収入も数千万円まで落ち込み、ボートピアの存立基盤は完全になくなることと思われます。
電話投票やインターネット投票等で本場や場外に足を運ばずとも投票する競艇ファンが増加したことと、
比較的高い年齢層の競艇ファンのさらなる高齢化(4人に1人が65歳以上・・平成25年11月18日第20回ボートピア
環境委員会議事録小島事務局長発言)と若年層の競艇ファンが増えない(ボートピア習志野に於いてもほとんどが
50代以上と思われるファンしか見当たらない)ことと思われます。さらに高齢化が進むとボートピアの入場者は
今後ますます減って行くことが予想されます。
更には消費税等の値上げや医療費負担増、社会保障の削減等は高齢者も含め直撃し、遊行費に使うお金はますます
少なくなっていくと思われます。それでも毎日開催されるギャンブル場に通うならば舟券の購入資金の為に無理を
することとなり、そのようなことはいつまでも続かないことは目に見えています。
現在は早朝のモーニングレースからナイターまで1日5競艇場の発売を行っています(一競艇場12レース一日合計60レース)
が目まぐるしいだけで、ファンは落ち着いたレースの検討が出来るとは到底思えず、当然のことながら売り上げには貢献
しておりません。
平成26年3月18日の第21回ボートピア習志野環境委員会会議議事録では小島事務局長は今後のアベノミクスの効果に
期待するなどと述べていますが、高齢者を含め収入が増えたなどとは到底思えず的外れな希望的観測と思わざるをえません。
また環境委員会では売り上げを伸ばすために千葉工大に通う学生を呼び込んだらどうかという意見まで飛び出しています
(平成25年7月17日第19回ボートピア環境委員会議事録における委員発言)。如何に当時千葉工大の学生を入場させないよう
にするかが争点となった経緯すらも分かっていない本末転倒の意見です。また同日の発言の中には茜浜で発生した
不幸な殺人事件に関連して、ボートピアの入場者に疑いの目を向けようとしたり(ボートピアを推進する事とは裏腹に
競艇に通う人に対する特異な意識)、反対運動が再燃するのではないか等と被害者のことを思いやるより、ボートピアへの
影響を懸念するなど、その人権感覚に疑問を持たざるを得ないような意見もありました。そこまでして賭博場経営を継続
する必要があるのでしょうか。
開業以来下方曲線を描き続けるボートピアが更に業績不振になろうとも関知することではありませんが、開業時にあれほど
地元を含め市民を混乱に陥れたボートピア習志野の事業計画はすでに破たんしていると思われます。
10年前の2004年に地元では寝耳に水のボートピア計画が明らかにされ、同年5月に香澄小学校で説明会が開催され紛糾し、
反対運動が立ち上がりました。再来年の2016年9月で開業10年になります。当時の市会議員の方で現在も現職の方は10人
程度しかおりません。習志野ボートピアが開業になってから当選された方が大半です。
ボートピア反対運動は、習志野市始まって以来の住民投票条例の全市的署名活動に発展し、更には最高裁まで争われた
訴訟は全国的にも注目を集めました。
市民の中からは「駅前のあんなところに」とか「スポーツ施設にしたら」等の意見も出ています(平成25年11月18日第20回
ボートピア環境委員会議事録)。
ごく一部の競艇ファンしか利用しない駅前の巨大な施設に対するこれが市民の感覚ではないでしょうか。
来春は市長選挙、市会議員選挙がおこなわれます。ボートピア習志野の経緯を詳しく知らない議員も増えている中、
2004年に始まったボートピア習志野の開業に至る一連の経緯とその後の推移を議会も行政も検証する必要があるのでは
ないでしょうか?
ボートピア設立の経緯と反対運動の歴史、住民投票条例、訴訟の歴史などは
当ブログの下記でシリーズで連載中です。
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(ボートピア習志野外観・・Wikipedia写真より)