Blog満賊亭

少欲知足をモットーに日々の満足を追求していくブログ

イスタンブールへ(6)

2013年10月28日 | 海外(中東編)
■成り行き任せ
周りから多大な協力を頂戴していただいたこの1週間。今回の旅のテーマは
「欲張らない」「時計を持たない」「無理しない」
時間に追われ、周りに感謝する心や満足することを失っていた状況を是正するというのと、もひとつはこの海外逃亡をいったん休止させるのが目的だったりする。夏に他界した祖母・・・そしてひとつ上の世代が消えたことは想像以上に時の流れを意識させたできごとであり、そろそろちゃんとしようと思う大きな出来事であったことに端を発している。

とまぁ、非日常な場所から書いているので妙におせんちな文章になってしまうのだがが、ようは、自分本位すぎる生活を見つめなおすモラトリアム期間として考え方やライフスタイルをリブートさせようと思っている。(しかし、こう何度もモラトリアム期間を設けていると、自身の本番は来世ではないのか?と思うほどではあるが・・・)こんな考えは置いておいて、今回はほんと~にたっぷりと時間をとってあるのでガイドブックは放置!気の向くまま街を散策してイスタンブールを満喫させてもらいます。ほんとスンマセン。

■中東のお店
初めて目に触れるもの・・・それが例えおみやげ物やであったとしても、見たことのないアクセサリー、スパイス、調度品には小躍りする。石畳の坂道に軒を連ねるお店。往来にはトルコ人・欧米人。東南アジア人がほとんど居ない町を歩いているだけで大興奮。そうそう。今回ひとつミッションがある。11月に姪っ子のクラスで世界のファッションショーをやるため、そのための民族衣装を手に入れる必要がある。妹の旦那は世界を回った元パッカーであるため、適当なものは用意できずハードルが高いのだが・・・。ベリーダンスの衣装はさすがにまずいだろう・・・^^;

■やっぱり食事
散策しようと勇んで出たのにどこからとなく焼いたチーズの香りが・・・匂いをたどって行くとオープンカフェスタイルのレストランに皆がケバブやサラダを頬張っている。あの黄金色の飲み物はビール?それにしても美味そうなものばかり
(・・・やっぱり散策の前に腹ごしらえか!?)

匂いの誘惑に負けてレストランに。メニューを見ながらあれこれ眺めるが、どれもうまそうなものばかり。迷うこと数分・・・おっこれにしよう。兄さん、オスマンスペシャルとビール!
このお店、坂道の道路の両側にテーブルを出しており、そこを屈強なトルコ人がたっぷりの料理をトレイに載せて運ぶ。

運ぶさまが実にスマートでかっこいい。やはり宗教上の関係から女性の給仕は少ないのだろうか??
「ヘイお待ち!うまいぞ~」的なトルコ語とともに出てきた料理はチーズたっぷりのラムチョップ。ガブリと食いつく・・・うまい!

子羊の肉なので臭みは少なく、味付けも塩のみなので、くどさは皆無。実にビールと合う。
キリスト教世界とイスラム世界の激しい覇権争いを記した『コンスタンティノープルの陥落』を読みながら、食べるは「オスマンスペシャル」・・・なんだか、世界征服したような気分になる組み合わせ・・・ひとり悦に浸る。付け合いの焼き野菜もあっさりしていて非常に食べやすく、ぺろりと平らげた。

■異国に嫁いだ女性
腹も膨れ、路面電車が行きかうメインストリートらしきところに出た。

路面電車2車両分かつ車道、兼歩道というおっそろしい道路なのだが、皆平然と路面電車をやり過ごし、往来は人で賑わっている。良く目に付くのがロクムというトルコ菓子のお店。マシュマロのようなお菓子がぎっしり詰まって売られているようだ。そのうちのひとつに、おかしな看板を発見!

さぁ間違い日本語探しの時間ですよ~。イスタンブールにからすみなんぞ置いてあるわけないと入店。それとなく冷やかしてでようとしたら、
「いらっしゃいませ。試食どうですか?」
あれれ?やけに発音の良い日本語だな。見るとこちらの衣装に身を包んだアジアの女性。
「・・・??」
勧められるがままに試食をいただき、説明を聞く。やっぱり発音が日本のそれ。
「えっ?あれ?・・・日本の方ですよね?」
「ハイそうなんです。お茶をいれますね」
聞けば、このお店のご主人と結婚され3ヶ月前からイスタンブールでの生活をスタートされているYさん。勧められたお茶を頂戴する。

「あァ・・・あっちぃ・・・!」
「ゴメンナサイ!トルコでは熱いお茶でもてなすのが文化なんですよ。でも熱いですよね」
まっまぁ・・・ガラスですので熱かったっす。しかし、いくら親日のトルコとはいえ、結婚となるとイスラムへの改宗やら手続きが大変だったのでは?
「ええ。もちろん改宗していますが、トルコってそんなに戒律が厳しくないんですよ。お酒だって飲みますしね」
あっら~( ̄∇ ̄;)やっぱり?

それにしても異国でしかもお店にでての接客は大変でしょう?とお忙しい中にもかかわらずあれこれ長話。
ところで、あの「からすみ専門店」ののぼり旗・・・ジョークですよね?
「イエイエ、ちゃんとあるんですよ」
ささ、こちらへどうぞ・・・と奥のほうへ移動。あ、本当にからすみがある!
「トルコ人てカラスミ食べるんですか?」
「・・・あんまり食べないようです(笑)」
どうぞと少し切っていただき、頂戴す。

おぉ・・・深い味わいが口中に広がり、これは日本酒と飲めたら旨いだろうなぁ。
「日本のそれは高いですけどこちらではかなりお安いんですよ」
とYさん。カラスミのほか、オリーブの石鹸、ハブティーなども置いてある。
・・・そういえば昔、パッカー友達にかの有名なシリアのアレッポ石鹸ってもらったけど、この地域、オリーブオイルの石鹸が有名なのかな?
「ええ。この石鹸、とっても香りがよくって、お勧めなんですよ」
色々とお教えくださったYさん。ご主人もとてもやさしそうな方で、楽しく暮らしているようだが、こちらへ来て3ヶ月。ちょびっと日本が恋しいらしい。やはりラマダンやトルコの風習・食事に慣れるには時間がかかるんだろうね。
あ、そうそう。1週間滞在するので毎日お勧めのお菓子少しずつくださいな。

ご無理をいってすみません。1日分の御菓子をチョイスしてもらい、美味しかったものを持ち帰るという寸法。
「では初日の分です」

これはこれで楽しみがひとつできた。また来ますとお店を後にした。

■豊かな港町
Yさんに魚料理で美味しいお店を教えてもらいながら、港へ出た。

対岸に広がる雄大な景色は夕暮れがせまり、ほのかに赤色がかっている。反対側にはこれまた見事なモスクのシルエットが。
まるでメダル王のお城!(←発想が貧困)

写真や映像では見るけれど、やっぱり間近で本物を見ると、その建築美・色使いには圧倒されてしまう。一方、岸壁では無数の釣竿が。みんなたらして魚釣りのようだが、おぉ・・・お母さんもがんばるか?

ご飯のおかず調達!?

まじまじとえさをつけるところを見る。餌はパン?そんなんでよく釣れるね^^;
ばっちりさ!力強くブイサインをくれたが、釣果はこれから・・・らしい。


■バクシーシレストラン

先ほどのロクムのお店で勧められたシーフード店にお邪魔する。何でも旦那さんの知り合いだそうだが、ここでひとつ失敗をやらかす。値段を見ずに料理を注文してしまい・・・えらい目にあう。
Yさんからは美味しいですけど(高いですよ・・・)と言っていたのに大失態。指差されるままに海老3匹と魚のグリル(切り身)を注文したのだが・・・出てきたのは魚まるまる一匹。
海老は確かに旨かった。これだけで存分だったのだが・・・

ちょっこの量・・・。切り身でないの?

注文する前にこんなに食えないから切り身で言いといっただろう?オヤジに文句言う。客引きのオヤジは
「ガハハ・気にスンナ。バクシーシだよバクシーシ」
(このにんまりした顔!おまえを食っちまうぞ~と歌っていたんだろうなぁ)

グッ・・・バクシーシ(喜捨:金持ちはお金を喜んで捨てろという教え)を料理でやられるとは。
・・・確かにオヤジ、魚料理を食うサマ見て、半身を残せよ的に「フィニッシュ?」と盛んに聞いてきたっけ。値段確認しないこちらが悪いんだが・・・支払いが怖い。たしかユーロやクレジットカード持っているか?と聞かれたが・・・いくらだ?
「ヘイミスター。料金はこちらだ!」
!!・・・高い。高すぎる。
高級フレンチ食えるぞ。

支払いを済ませる中、お釣りまでバクシーシと巻き上げようとするオヤジ。呆然と気を落としているこちらへきてハグと頬ずりキスを受けて完全K.O.
いやぁ海外で食した中で一番高い料理更新。お値段は…
うふふ、な・い・し・ょ(ノーT)シクシク


まっ、明日から粗食に専念するとしよう。気落ちしながらもホテルに戻る。気を鎮めるべく(笑)いただいたロクムをハーブティーをいただくとするか。
毎日、ちょっとずつお菓子をいただくことにしたのでハーブティー用のグラスも購入。ナザール・ボンジュウのデザインのものにしたのだが、これに、酸味の効いたハーブティーを入れたところ・・・

おぉぅ・・・なんだか悪魔との契約に使いそうな飲み物ダナ。ちょいと分量を間違えたようで。お湯で調整し、酸味が丁度よくなったところでロクムをいただく。ふ~っ。マシュマロとゼリーが混ざった甘いロクムを頬張り、少し落ち着きを取り戻した(笑)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (zeynep)
2013-11-10 05:02:32
見つけました~!!!
リンク貼らせていただきます
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Unknown (Aki)
2013-11-10 16:46:27
>zeynepサマ

その節はお世話になりました!
バクラヴァ大好評です。おいしくいただいておりますよ~。
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