南湖神社の日び

福島県白河市南湖公園に鎮座する南湖神社のブログです。

一年の半分

2011年06月30日 | 大震災からの復興祈念日記

本殿前石段の修繕工事がようやく終わりました。

作業が終わって整然と美しく並べた石段を見て

かえって震災前よりもきれいになったかもしれないと思ったのは内緒です。

これで参拝客の方も怖い思いをせずにお参りいただけるものと思っています。

社務所の修繕が終わり石段が終わり

あとは鳥居と常夜灯と灯篭、そして宝物館に茶室・・・

残された課題はあまりにも多いです。

 

さて、今日で一年の半分が終わりました。

今日はこれから「夏越大祓」の神事を執り行います。

残りの半年がどうか無事ですごせますよう

・・・いつもなら何気なく思っていることが今年はより深い祈りとなっているように思います。

本当に、今後無事息災でいられますように。


100日が過ぎ

2011年06月19日 | 大震災からの復興祈念日記

昨日は、あの震災から100日目だったんですね。

メディアでは節目・節目とやたら言っていたように思うのですが

人間の感情って節目だからってきっぱりと切り替えられるものじゃないんですよね・・・

ましてや身内を亡くされた方などは尚更そうではないかと思います。

 

最近一番腹立たしいのは

放射線の恐怖を必要以上に煽る風潮ですね。

そりゃ私だって怖いです。怖いけど、こうなってしまった以上は怖がりつつ付き合っていくしかないんです。

今騒いでいる人たちは放射線の値が0にならないと納得しないのかもしれませんが

少なくとも、大騒ぎしたところでストレスを増やすだけで何もいいことないと思います。

 

だけどおもしろいものですね。今回の震災で人間の本性というかその人の人間性が炙り出されたなぁと感じます。

 

これは同業の方から聞いた話なのですが

市内の結婚式場で震災後やはりキャンセルが続出したそうなのです。

中には結婚そのものがなくなってしまった・・・破談になってしまったものも1つや2つじゃなくあったんだそうです。

その原因は・・・

「福島県出身の嫁をもらうと、将来子供ができるかどうかわからない。できても、障害が出るかもしれない」

という話が新郎両親や親族から出てきたから、なんだとか。

 

こんな人間性を持った人たちと結婚したところで、あることがきっかけで結局は苦しむことになるわけですから

結婚前に本当のところがわかってよかったのかもしれないと思う一方

「新郎も情けない。自分の選んだ人なら周囲の意見に負けずに思いを貫けよ」

と思ったのも事実です。

こんなこと(と言ってはなんですが)で結婚がだめになるなら

最初から新婦のことを本当に愛してなかったんだろうな、とさえ思います。

 

震災の規模があまりにでかすぎて

いろんな出来事が起こりすぎて

みんな、混乱しているんですよね、いまだに。

だから、100日だの節目だと言われるのは

やはり違和感があるんです。

じゃ、いったいいつ節目が来るのか??という話になりますが

それはもう、某総理大臣がいつやめるのかと同じくらいあてにならない話だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


見えるところも 見えないところも

2011年06月14日 | 大震災からの復興祈念日記

南湖神社境内のそこかしこで修繕工事が現在行われています。

それは、参拝される方の目にふれる場所に限ったことではありません。

例えば本殿周囲の「玉垣」もそうです。

よほど熱心な方が本殿の裏手にまで廻ってみないことにはなかなか目にすることはないところです。

「玉垣」って何ですか?と言う方がおられると思いますが

簡単に言いますと神社や神域の周囲を取り囲んでいる「垣」のことです。

南湖神社の玉垣は本来こうなっています。

 

 

これが、今回の震災で一部ですが崩れてしまいました。

 

 

今朝から業者さんの手が入り、崩れた石が片付けられました。

 

さらに、本殿の床下でも、崩れた基礎を直す作業に入っています。

今までに応急処置が施されていましたが、いよいよ本格的な修繕に入ったところです。

(大工のお兄さん、驚かせてすみません)

 

 

このように、見えないところでも大工さんが頑張ってくださっています。

 

では最後に目に付くところの修繕工事の模様を。

 

 

はい、ここは社務所の男子トイレです。

ここは洋式トイレのタンクが壊れたんですが

 

上記のようにすっかりきれいに直りました。

で、なんでわざわざ写真を撮ったのかといいますと

トイレに仕切りがないんですよ。

ですから、ノックもせずに入ろうとするとえらいめにあいます。

もちろん、女子トイレも同様です。

どこぞの国に行きますと、トイレに仕切りがないのでお互いの顔を見ながら用を足すという話ですが

まさに現在その状態です。

 

でも、ご安心を。

今日、ちゃんと元通りに仕切りが取り付けられますから。

 

こんな感じで徐々に3月11日以前の姿に戻っていってます。

あとはなんとか、原発事故が落ち着いてくれれば・・・それだけですね。

 

 

 


石段工事始まりました

2011年06月13日 | 大震災からの復興祈念日記

いよいよ本殿前の石段の補修工事が始まりました。

大正時代にこの石段が組まれた時は、地面の上にそのまま置かれただけだったんですね。

ですから、今回の震災でごらんのとおりに。

 

ごらんください、この石段のズレっぷり。

参拝客の皆様にはすいぶん怖い思いをさせてしまったことと思います。

先日の結婚式も、こんなにズレまくった石段を頑張って上り下りされたんですよね、新郎新婦は・・・

 

で、現在石が撤去されてこうなっています。

 

誰ですか?四駆の車で駆け上がってみたいとか馬で(ryとか言ってる人は・・・

 

 

撤去された石は現在、参道脇にきれいに並べられています。

 

 

こんな有様なので本殿まで行けない?お参りができない?と思われるかもしれませんが

茶室脇から本殿前まで通じる臨時の参道が作られていますので(矢印看板でご案内中)

お参りの方はそちらを通ってくださいますようお願い申し上げます。

 


あれから3ヶ月

2011年06月11日 | 大震災からの復興祈念日記

あの忌まわしい震災から今日でちょうど3ヶ月たちました。

福島県は地震・津波に加えて原発事故の災厄に見舞われ、現在もまったく収束の兆しさえありません。

南湖神社も多くのものを失いました。

創建90年という記念すべき年にこのような事態になってしまうとは

まったく思いもよりませんでした。

現在は社務所の修復が8割がた終了し

境内の壊れた灯篭などの移動作業へと移っています。

ただこちらは、元の通りになるのは何年かかるかまったくわかりません。

年単位での作業となることは間違いないと思われます。

お金のかかることでもありますし

ぱぱっとすぐにできるものではありません。

しばらくは傷跡も生々しいまま参拝客をお迎えすることになると思います。

 

あと10年で南湖神社は創建100年となります。

10年後には、立派に復興した

いや、以前よりも大きく力のある神社として「生まれ変わって」いければいいなと思います。

前にも述べましたが、多数の灯篭が倒れた中

これはびくともせず凛として参道正面に立っています。

 

 私達は、負けません。

 

神様とともに、ここにいます。