Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

跳ね橋――コロニアルな風景(1)

2011年08月21日 | ジャカルタ
 午前中に時間ができたのでリニューアルしたワヤン博物館に出かけた。ジャカルタ北部のコタ地区で「オールド・ジャカルタ」として知られる旧バタビアの建築物が多くの残るコロニアルな風景が楽しめる場所である。といっても外国人観光客が多い場所ではない。ちょっと裏道に入ったり、ターミナルに迷い込むと言葉の心配がなく、インドネシアに慣れた私ですらちょっとおっかない気がするのである。
 ワヤン博物館の裏を流れる川に沿って北に歩くと(この道は結構雰囲気が悪い)、写真の跳ね橋に遭遇する。アムステルダムにまだ残っている風景だし、ゴッホの絵にも描かれる橋だ。ここが以前、オランダの植民地であったことがこんな風景からも感じられる。バリには北部に少しオランダを感じられる場所が残っているもののほとんど見られない。
 こんな跳ね橋があるのだから、もう少し観光ルートとして整備すればいいと思うのだが、そこがジャカルタである。バスツアーならとにかく、ちょっと歩くにはどうかな?って道だし、跳ね橋の下の川はゴミだらけで、かなり悪臭が漂うのだ。写真だと臭いがしないので、ブログの購読者はこの写真からそんな臭いを想像してみよう。(8月19日に記す)(写真は後日)

インドネシア国立図書館

2011年08月20日 | ジャカルタ
 ジャカルタのサレンバ・ジャヤ通りに、インドネシアの国立図書館がある。インドネシア研究にとって必須図書館の一つだろう。近年ではコンピュータ検索もかなり進み、日本でもある程度、文献を探すことができるようになった。
 今回の目的の一つは新聞記事のチェックである。どうしても調べたい新聞記事があって、すでに図書館にコンタクトをとって、所蔵を確認していたのだった。無事に古い新聞の閲覧室(7階)に案内され、必要な記事のチェックを始めたのだった。ちゃんとクーラーが効いてとても涼しい。でも図書館員は新聞を読んでいるか、おしゃべりをしている。ここはバリと変わらない。
 ちなみに私の一番必要な新聞記事はみつからなかった。ちゃんと発行年月日が一致している新聞があるにもかかわらず、そこに掲載されていないのだ。こういうのはショックである。間違いそうな日付けもチェックするがダメ。ある外国人の論文の文献目録を典拠にしていたのだが、たぶん文献目録作成のミスなんだろう。かなりショック。4時間もいて、目がしょぼしょぼになり止めにした。
 ところで、これからインドネシア国立図書館にBuswayで出かけようと考えている若い研究者の方々。降りる駅は、Salemba Carolusである。Matramanでも歩く距離は変わらないが、交差点を渡らなくてはならない。アジア都市の道路横断に慣れていない方はちょっぴり危険。ちなみに図書館で調査を終えて、なおかつ余力があって本屋にでも寄ろうと思う方は、BuswayのTegalanの駅前に大きなグラメディアがある。歩いても10分。例の大きな交差点を渡るが、バス代3,500ルピアをけちりたい方にはお勧め。ちなみに私はいつも徒歩である。(8月18日に記す)(写真は後日)

ジャカルタのBusway

2011年08月19日 | ジャカルタ
 いつ行っても渋滞のひどいジャカルタにBusway(専用レーンを走る一般バス)ができてから数年が経過し、今も路線を広げている。このバスは乗り継ぎでも料金は3,500ルピア(33円)で変わらないので、かなり移動が便利になったことはいうまでもない(ジャカルタに赴任している多くの日本人のサラリーマンが乗るとは考えられないが)。
 最初のうちは「すばらしい」と感激していたのだが、夕方、ブロックMのコピー屋から戻るとき、「やっぱりジャカルタだ」と思いなおしたのだった。とにかくすごい人がBuswayのプラットフォームに並び(並んでいるというより、人の塊という感じ)、それが来るバスにいっせいに乗り込むのである。それは日本の通勤電車のラッシュ時とほぼ同様であるが、とにかく待っている間が暑い。人と人の隙間がほとんどないからで、背の小さい子供や女性にとってはかなりつらい。
 しかもよりたいへんなのは、降りるときである。窓があいた瞬間、車掌が静止するも、どの駅でも多くの人がわれ先にと乗り込んでくるわけで、出ることができないのだ。しかもプラットフォームとバスの隙間は大きいところで30センチくらい空いている。よく落ちる人がいないと感心すらしてしまう。大声を出す乗客もいれば、降りれない乗客もいる。ある意味、「死闘」である。特に私のった1番の路線の夕刻はひどいと同じ駅で降りたサラリーマンが私に話してくれた。
「日本にはこんな状況はないでしょう? 私は東京で1年間仕事をしましたが、日本の電車は降りる人を優先しますよね。インドネシアでは自分のことしか考えない。」
「それがインドネシアなんですよ」と言おうとしたが止めておいた。でも、私にとってインドネシアとはそういう場所だ。こればかりは「郷に入れば郷に従え」である。(8月18日に記す)(写真は後日)