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スペアナのスプリアス

2023-01-22 19:14:02 | アマチュア無線

 無線機のスプリアス発射を測定するためにスペアナを使っていますが、どうにも解せない現象に遭遇しています。1月13日のブログに書いているように、432MHzの基本波に対して168MHzに-63dBc程度のスプリアスがあるというのです。しかも、無線機を取り換えても同じ周波数に同程度のスプリアスが観測されました。スプリアスというのは、声紋のようなもので、無線機内部の方式等によって独特の周波数に出てくる筈なのに、同じ周波数に出るというのは変です。

 比較し易いように同じスパン(start, stop)で測定していましたが、168MHzにスプリアスがあるんだったら、拡大表示するためにセンター周波数を168MHzにしてみると、別の場所に-65dbm程度のスプリアスがでてきます。これは益々変です。まるで逃げ水のようなのです。

 何が間違いの原因なのか詳しく調べるために、スペアナ(RSA306B)のドキュメントをダウンロードして読んでみました。すると、仕様の中にSprious Responseという項目があり、次のように-60dBc以下とか-50dBc以下と書かれています。

 以前から気になっていた2.4GHzのスプリアスは、PCのWiFiやBluetoothによるものではなくスペアナの第1IFが2.440GHzなので、これの影響なのだということが判明しました。-68dBcでしたので、-60dBc以下という仕様に適合しています。

 スペアナにはFFT方式とヘテロダイン方式があるようですが、RSA306Bはヘテロダイン方式とFFTを組み合わせていると考えられます。ブロック図等は開示されていないようなので、あくまでも推測に過ぎません。センター周波数が22~700MHzの時、IF1(中間周波数)は2440MHzで、Lo2が2300MHzということから、IF2は140MHzと推測できます。ADCのサンプリング周波数は112MHzなのでナイキスト周波数は61MHz。ちなみにADCの分解能は14ビットです。ダブルコンバージョンした後でADCして、その後FFTしていると考えられます。昔のブラウン管に表示されるようなスペアナでは、スパン内の周波数を連続的に掃引するのでしょうが、デジタル化されたスペアナではスパン内の離散的な周波数で信号をサンプリングしてFFTしているのでしょう。

 影像混信を受けないようにLOやIFの周波数に工夫されていると思いますが、影響はゼロにはなりません。また、ADCにはエイリアスの問題があるので、いくらアンチエイリアス対策を施しても影響が残ります。

 ということは、このスペアナで-60dBc以下のスプリアスレベルを検証しようということが、そもそもの間違いなのかもしれません。私の使っている機種は安価な部類なので、性能もそこそこということなのでしょう。

 アンリツの資料には、「スペクトラムアナライザの位相雑音性能が不足していると測定できません!」と書いてあって、ずっと気になっていました。ウチの測定器を使えば大丈夫だよ!と受け止められますが、大変高価な機器なので、個人の趣味の領域では、おいそれと手を出すことは叶いません。

 RSA306Bは、お手頃価格で購入できた中古放出品なので、性能の限界を知るべしといったところでしょう。いずれにしても、この測定器のデータで落成検査を受けるわけではなく、あくまでも事前の準備として、どの周波数にどれだけのスプリアスがありそうなのか、どうすれば対策できるのかという手掛かりを得るための道具として使えれば良い訳です。

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