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475kHz帯用E級アンプの設計

2022-02-08 12:40:37 | アマチュア無線

 LTspiceを使って、475kHz帯用E級アンプを具体的に設計してみました。机上での検討なので、コイルを巻く必要もなければ、半田付けする必要もなく、LCの定数などは自由に設定することができて大変便利です。

 入力にはエキサイターであるTRX305の信号を使うとして、入力信号レベルは0dBm(振幅0.158Vpeak)としました。最初に高速オペアンプAD817で増幅し、その信号を高速コンパレータLTC6752で矩形波にして、irfu120n(NMOSFET)でスイッチングします。その信号で2パラにしたirfu120nをドライブします。コンパレータとして、TL714CPを購入していますが、LTspiceにデータのあるLTC6752で代用してシミュレーションすることにしました。多分、大勢には影響がないはずです。

 何故、irfu120nを3つも使っているかと言うと、秋月電子で@50円で安く入手できるからです。定格は100V 9.4Aと小さめですが、オン抵抗0.21Ω・ゲートチャージが25nC maxと小さくて、ライズタイム・フォールタイムが共に23ns typと小さかったので、100W程度のE級アンプには使えるだろうと思って購入しました。E級アンプとして使わなくても、スレッショルド電圧が2V min, 4V maxなので、マイコンなどで駆動するスイッチング用として普段使いに使用できます。

 irfu120nのspiceデータはLTspiceには含まれていませんでしたので、メーカ(infenion)からspiファイルをダウンロードして組み込みました。AD817のspiceデータも含まれていませんでしたので、メーカ(AnalogDevices)からcirファイルをダウンロードして組み込みました。cirファイルを組み込むのは簡単でしたが、spiファイルを組み込むのは少し手間取りました。

 電源電圧はDC24Vとしました。DC24Vのスイッチング電源などから供給する予定です。DC24VからDC12VとDC5Vを作る必要があり、電流もそれほどではないので3端子レギュレータを使うことにしました。LinearTechnologyのspiceであるLTspiceを使ってシミュレーションするのですから、LTに敬意を払って、LT製の3端子レギュレータLT1086を使いました。回路図中でひと際目立っています。

 回路図が横長になってしまったので、視認性を考慮して、全体を2つに分けて示します。C3, D1がオーバーラップしているので、どのように接続されているのか分かると思います。

 アンプの後段には、第2次高調波、第3次高調波を低減するために7素子のLPFを接続しました。LPFの設計にあたっては、計算サイトRFDNを利用させてもらいました。

 負荷であるR9の電圧と電流波形を以下に示します。負荷が純抵抗なので、電圧と電流が同相で、かつ自動的にスケールが調整されたため、2つの正弦波の波形は完全に重なっています。

 電圧のピーク値は約94V、電流のピーク値は1.88Aです。それぞれの実効値は66.4Vおよび1.33Aとなり、出力電力(実効値)は約88.4Wであることが分かります。DC24Vとしている電源電圧を調整すれば、出力電力を変化させることができます。irfu120nをシングルにすれば、出力電力を半減することができます。

 負荷抵抗R9の電流波形をFFTしてスプリアス発射を確認してみました。

 LPFを挿入ているので効果が見られますが、第2次高調波が約-50dBc、第3次高調波が約-52.5dBcというギリギリセーフというレベルです。

 475kHzのBPFと950kHzのBEFの組み合わせも試してみましたが、第2次高調波が約-45dBc、第3次高調波が約-50dBcという結果でした。

 

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