今朝、28MHz帯が南米方向に開いていたので、楽しんでいました。すると、突如強力な信号で、かつ、図のような汚い電波を発射する局が出現したので、やる気を失いました。
FT8なので、発信源のコールサインは一目瞭然です。名の知れたOMですし、知らない人ではないのでメールでも出して教えてあげようかと思いましたが、要らぬお節介をして嫌がられても悔しいので、触らぬ神に祟りなしということにしました。
いくら技適を受けたリグやスプリアス保証を受けたリニアアンプを使っていても、スプラッターを撒き散らすような近所迷惑な行為は止めて欲しいものです。
総務省告示第125号「無線設備規則別表第二号第54の規定に基づくアマチュア局の無線設備の占有周波数帯幅の許容値」では、F1Dの占有周波数帯幅の許容値は2kHzと定められているので、第5次高調波まで出ていれば立派な法令違反なので、総合通信局に通報されたとしても仕方ありません。
何故、こうなるのか・・・どうしたら予防できるのか・・・について、既にご存知の方も多いと思いますが、説明したいと思います。
元の信号は500Hz近傍にある真っ赤な強力なヤツです。既に、約500Hzを中心にして±100Hzに子供がいます。子供がいるのは、PCから無線機に加えるオーディオの信号レベルが強すぎるからです。WSJT-XやJTDXの「出力」乃至「Pwr」スライドを7割位に下げて、かつ、例えばUSB接続された無線機の変調レベルを適切に設定しなければなりません。
子供がいるだけならまだマシですが、第3次高調波が1.5kHz近傍に、第5次高調波が2.5kHz近傍に出ています。高調波なので、元の信号帯域の3倍もしくは5倍に拡がっていて、この周波数にDX局が出ていたらブロックされてしまうので、迷惑極まります。
第3次以上の高調波が出るような汚い電波の持ち主を自覚しているのであれば、1kHzよりも上に副搬送波を設定して欲しいものです。仮に1kHzに副搬送波を設定していれば、第3次高調波は3kHzとなり、SSBのフィルターで抑止されるので、電波として発射されることはありません。だから、そんな人は1kHz以下では「送信禁止」です。
そういう人が、どうしても1kHz以下で送信したいのであれば、WSJT-XやJTDXの設定で逃げることができます。
それは、無線機(radio)タブでスプリットの項を、上の図に示すように、「疑似スプリット」または「Fake It」に設定することです。この設定により、WSJT-XやJTDXは、副搬送波を1.5kHz~2kHzの範囲に設定して、かつCATで無線機の周波数を制御することにより、目的の周波数で送信してくれます。この結果、仮にオーディオ信号に第2次以上の高調波があったとしても完全にSSBの帯域外なので電波として発射されることがなくなるからです。
「疑似スプリット」に設定しただけでは、子供は抑止できませんので、オーディオ信号レベルの調整も併せて行うことを忘れないでください。
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