今日は朝から吹雪です。こんな日は無線小屋に籠ることにしました。ひょんなことからNanoVNAを手に入れて、先日から遊んでいます。私は、ArraySolutions社のVNAuhfを所有しているので、NanoVNAがそれほど欲しいとは思っていなかったのですが、流行り物なので、その実力を試すことにしました。
まず、一番の驚きは小さいこと。それに低価格。使い勝手は?測定器としての性能は?というのが気になるところです。
私の入手したNanoVNA-Hはちゃんとプラスチックケースに入っていて、3つのバンドに分かれているものの、50kHzから1.5GHzまでカバーできる仕様です。画面が小さいので、タッチパネルを爪楊枝のようなもので操作する必要があります。電池も結構長持ちするようで、1時間位電源を入れていても大丈夫なようです。
VNAuhfと比較すると、電池やディスプレーを内蔵したオールインタイプなので、機動性が特に優れています。このため、アンテナの傍に持って行って調整に役立てるには最適です。いわゆるアンテナアナライザーとしての使い方ですね。
測定に際しては、スパンを狭くした方が良いと思われます。何しろ、測定ポイントが101点に決まっているので、あまり広いバンドをスキャンするのは望ましくないでしょう。測定対象アンテナのバンド上下を少しはみ出す程度にStart/StopもしくはCenter/Spanを設定するとよいでしょう。正確な測定を期すためには、Start/Stopを変更するたびに、較正するのが良いと思われます。
7MHz用のダイポール(Inv-V型ダブルバズーカ)を測定してみました。7040kHzでSWR=1.2になっていることが一目でわかります。SWRの他、抵抗とリアクタンスを表示してみました。周波数によるR,X,SWRの変化を一目で見ることができてとっても便利です。以前使っていたMFJ-259はSWRとRだけしか表示できませんでした(それもアナログメータで)ので、それに比べると遥かに優れています。
屋外で使用する時には、NanoVNA単体の方が便利ですが、室内(無線機の傍)で使う時には、表示を改善するためにパソコンと接続するのも良いかもしれません。NanoVNA Saver 0.2.2-1とNanoVNA v1.01を試してみました。前者では複数のグラフ(例えばスミスチャートとSWR, R, Xなど)を一つの画面に表示することができますが、後者では1つのグラフしか表示できません。SWRだけを見るのであれば、後者でも良いかもしれません。
いずれもの場合も、パソコンとNanoVNAとの間はUSBケーブルで接続します。Windows10の場合には、デバイスドライバーは自動的にインストールされます。ここで注意すべきことが一つあります。NanoVNA側のUSBコネクタはType-Cの丸っこいヤツですが、これの挿し方によってはCOMポートが認識されないことがありますので、USBコネクタを挿入した時に、パソコンが反応しなかったら、逆向きに挿入してみれば良いでしょう。(私はこれで相当悩みました。)NanoVNA付属のUSBケーブルはType-Aコネクタのロゴが逆サイドに表示されていて規格外なので、Type-C側も規格外なのかもしれません。(本来は、どちらに挿しても作動しなくてはなりません。)
アンテナアナライザーとしての用途の他、SG(発振器)としての利用価値もありそうです。試しに、STIMULUS->CW FREQと設定して14.250MHzで発信させて、IC-7851でモードをCWにして受信してみました。周波数の精度や安定度も比較的良好なようですので、任意の周波数(50kHz-300MHz)の発振器として利用できます。