
(プールのタイマイ。コニカミノルタ絶滅危惧動物図鑑より引用。)
絶滅危惧種を守るためのワシントン条約ですが、しばしば政治的に利用されます。
高級品のべっこう細工はその原料がタイマイという亀の甲羅ですが、ワシントン条約で売買が禁止されました。
ところがタイマイはキューバ人の食料で、食べた後の甲羅が高く輸出できるので、キューバでは重宝していたところにワシントン条約による捕獲と売買の禁止でした。キューバは困りました。この措置にはアメリカの意向が働いていたとの噂がありました。
キューバは2000年のワシントン条約の会議で、タイマイを条約から外すよう申し出てもう少しの票数で実現しそうでした。ところが、2005年、キューバはなぜか申し出を取り下げました。そうこうするうちにべっこう細工の人気が下がってしまいました。
このたびのアメリカとキューバの雪解けにより、ワシントン条約でのタイマイの扱いがどうなるか少し注意しながら見ておくことにしましょう。
※今日、気にとまった短歌
着くづすと若きらは言へり着くづせる瑞々と鋭き風姿のものら (津市)深沢泰二