院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

菓子の名称

2012-11-17 03:15:04 | 日本語
 落雁(らくがん)とはご存知のように干菓子の名称である。一般名称であって、特定の製菓店のものではない。

 麦落雁というのがあって、麦の香りが芳しく、幼少時によく食べた。私の思い出の菓子である。

 一方、落雁という言葉は、雁が渡りを終えて、次々と湖に落ちていく様子を指している。雁の列が崩れて、わらわらと墜落していく光景には情緒がある。落雁とは元来、たいへん美しい言葉なのである。

 これを菓子の名称に拝借したのが菓子の落雁である。(他に、中国からの言葉だという説もある。)

 美しい言葉を菓子の名称にすることは珍しくない。「星のしずく」「飛鳥のあけぼの」は今私が考えたものだが、そんな名称の菓子があっても不思議はない。北海道名産の菓子「白い恋人」もよい命名だ。

 「白い恋人」は特定の会社の菓子である。先日、大阪のパロディー菓子「面白い恋人」を訴えたが、無粋なことよ。「白い恋人」は本家として鷹揚に笑い飛ばせばよいのである。(だいたい北海道名産を、名称で間違えて大阪で買うやつがいるか?)

 「白い恋人」の会社はシャレの分らない会社として、私の中では大いに評判を下げた。

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