院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

初めて隣町に行ったとき

2011-11-22 03:27:03 | Weblog
 みなさまは、幼少時に初めて一人で隣町に行ったことを覚えておられるだろうか?私は覚えている。

 そりゃぁデパートなぞは、もっと離れた町にあった。でも必ず親が一緒だった。一人で行くという初めての体験をしたのは、私が小学校2年生のころだった。

 私は都会育ちだから、隣町も都会である。交通量の多い広い道を渡ればもう隣町だ。だが、隣町は自分の町とはぜんぜん違って見えた。

 まず町工場がある。自分の町にはなかった。働いている人は自分の町とまったく違う服装をしていた(作業服?)。話している言葉は日本語なのだが、外国語のように聞こえた。顔つきまで違って見えた。

 そこにいるのは知らない人たちばかりだった。当然のことながら、近所の魚屋のおじさんも時計屋のおばさんもいなかった。なんだか怖くなったて私は走って帰った。

 自宅に戻り、私は親に「今日、”先祖”の町に行ってきた」と興奮して伝えた。「先祖」というのは正確な意味を知らないから、そう言ったのであって、要するに私にとっては「異人」程度の意味だった。

 新しくも、不安を帯びた体験だった。一年後には隣町はもう「異世界」ではなくなっていた。今は外国が私にとっての「先祖の町」である。

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