院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ほんとに熱中症?

2015-07-14 06:04:18 | 医療

兵庫の病院の健康ひろばより引用。)

 一昨日の日本列島は異常に暑く、熱中症で死者が2人出たと報道された。一人は北海道で、83歳の女性が路上で亡くなっていた。もう一人は埼玉県の94歳の女性で部屋で亡くなっているところを発見された。(昨日も4名の「熱中症死」がニュースで言われた。)

 死亡診断書死体検案書はだれが書いたのだろうか?たぶん、ちゃんとした病理解剖や司法解剖を行っていないだろう。ならば、なぜ熱中症と分かったのだろうか?

 80歳90歳の人の急死はありふれたことで、ポックリ逝けてよかったねという人もいるくらいだ。ふつうは心筋梗塞や脳卒中が多い。冬だったら熱中症とは診断されなかっただろう。

 その日が猛暑だったという理由だけで熱中症として片づけられたようだが、暑い日でも心筋梗塞や脳卒中は起こるのである。

 何が言いたいかというと、ほんとうかどうか分からない「死因」を大々的に発表して、国民の不安をあおるな!ということだ。


※今日、気にとまった短歌

  はなやかな開店の記憶まだ残るラーメン店の忽と消えたり (鹿児島市)柿本順子


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6 コメント

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こんばんは (チ-チャン)
2015-07-13 22:11:33
熱中症・・
明日は当地のお祭りなんですよ。
山車を引っ張るんだそうですが、このお婆ちゃんが・・・
主人は熱中症から脳梗塞を引き起こしてしまったんですよ。
5年前の7月の梅雨明けの猛暑日でした。
明日も猛暑日とのこと少し不安が・・・
あります。
熱中症の有難う御座いました。
明日は気を付けて早め早めの処置を考えながら参加します。
中先生
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「熱中症」の大安売り (管理人)
2015-07-13 22:54:53
チーチャン、こんばんは。
じっさい死亡診断書の病名って、すごくいい加減なんです。急死の場合はとくにですね。僕も40年前の精神病院勤務時代には看取りをやりましたが、急死の場合は心臓か脳か動脈瘤破裂か、なんにも分からない。精神病院では解剖をやりませんから、しかたなく「心不全」と書きました。現在ではそこに「熱中症」が紛れ込んできたという感じですね。
ところでチーチャンには、このブログ記事の趣旨が「熱中症」という病名の大安売りを批判したものだとご理解いただけまたか?むかしはこんなに熱中症熱中症と言わなかったでしょう?「熱中症」はここ数年の「流行り」に過ぎません。(^^)
http://blog.goo.ne.jp/nakazato-hitoshi/e/783fd3c148402c19baff2412a1ae89f7
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おはようございます (チ-チャン)
2015-07-14 05:26:37
中先生
コメントのお返事有難う御座いました。
そう言えば私の子供の頃は熱中症という言葉は
聞いたことはありませんでした。
私の父親は教職中の教壇で倒れて脳溢血と診断され
小学校5年生でした。その頃そんな病名が
あちらこちらから聞かれたように記憶してます。
60数年前でした。

”「熱中症」はここ数年の「流行り」に過ぎません。(^^)”

はい、これからは迷わされずしっかりとした
意志で参加してまいります。
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そう言われれば (しかくさんかく)
2015-07-14 14:00:33
暑さが直接の原因とは限らないということですね。誘因にはなるかも?

診断名って案外いい加減なことがあるなとは思っていました。インフルエンザが流行っているときには、似たような症状だからと検査もせずにインフルエンザと診断されますし。
いろいろ事情があってのことだとはわかりますが、もしかしたら別の疾病があるかも知れないですね。

それと死因の診断名にも疑問が。
どんな疾病の治療をしていても、心不全とか多臓器不全とか(父は慢性リンパ性白血病でしたが、多臓器不全でした)

確かに死んだときは心臓が止まったり、臓器が働かなくなったからなんですけれど、死亡診断書の書き方というマニュアルのようなものがあるのでしょうか。

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診断っていい加減 (管理人)
2015-07-14 21:39:09
しかくさんかくさん、こんばんは。重要なコメントありがとうございます。
「診断名っていい加減」というのは、ある意味本当です。病気という生体の複雑な営みをパッパと分類できるはずもないですから、何かもっともらしい根拠でエイヤッとやるしかないんですよね。
「熱中症」もひとつの根拠ではあるのですが、現代の医学水準なら解剖したらもっと本当の根拠が見つかるかもしれないので、老人が自宅で死んでいたという事実は、本来なら報道に値しないものです。
今日のネットニュースによれば昭和医大の先生が「この5年間で熱中症死は2,400名」と発表したそうです。この研究データは、レセプトの診断名の「熱中症」を拾い上げただけだから、学術的な価値は高くありません。(レセプトの診断名は健康保険対策であって、学術的な診断でないことはご存じですよね。)

インフルエンザの場合は少し事情が違います。インフルエンザシーズンでないときのインフルエンザと診断するのはものすごく難しいことなんです。
それはデング熱も同じです。日本に存在しないはずのものを診断するのは大変なのです。
http://blog.goo.ne.jp/nakazato-hitoshi/e/2115689dcbb64c691508449f8798320c
死亡診断書のマニュアルの件ですが、現在は知りませんが僕たちの時代にはマニュアルはなく、先輩からちょちょっと教わるくらいでした。じつは現在でも注射の正式なやり方の実習はないんです。先輩を見て体で覚えるのですね。(^^;
今後ともどうかコメントをお寄せください。
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ありがとうございました (しかくさんかく)
2015-07-14 22:48:03
お忙しい中、ご丁寧にありがとうございました。
先生のブログは私の頭には難しいことばかりなんですけれども、「気づき」をいろいろ教えてもらっているので楽しみです。

ところで、医師の方たちは注射の実技はないのですか。びっくりです。
昔の話ですが、注射をするのは医師の仕事と聞いていたのですが、、、。

どうもありがとうございました。



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