院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

犯罪の「動機」

2012-07-25 04:30:43 | 心理
 検察や警察は犯罪の動機を重視するようだが、なぜだろうか?

 「金欲しさ」とか「怨恨」とか・・。だが、中にわけのわからない「動機」がある。それは、「かっとなった」や「むしゃくしゃした」というものである。これらは動機と言えるのだろうか?

 「かっとなった」が動機で、その結果「刺した」という筋立てのようだが、常識的に考えて、「かっとなる」と「刺す」はほぼ同時的である。だから、「かっとなった」は、「どうしてかっとなったか」が動機として追及されるべきである。

 「むしゃくしゃした」も同じで、むしゃくしゃするのは、何も犯罪者に限ったことではない。普通の人は、むしゃくしゃしたくらいで放火なぞしない。「金欲しさ」は、誰でも金が欲しいが、だからと言って強盗なぞしない。

 「怨恨」は、まだ動機として了解可能である。私も無記名の「恨み」の手紙を受け取ったくらいのことはある。カミソリや拳銃の弾を送りつけられたことは、まだない。

 私は検察や警察の考え方に詳しい者ではないから、「かっとなった」や「むしゃくしゃした」はマスコミ用語に過ぎず、本当の動機は警察も検察もちゃんと押さえているのかもしれないが。