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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ジェネリック医薬品はなぜ安いのか?

2012-04-20 22:18:25 | 医療
 ジェネリック医薬品に対して、本来のメーカー品をオリジナル医薬品とひとまず呼んでおこう。言うまでもなく、ジェネリックとは医薬品の特許(15年間)が切れたあとに作られる医薬品である。

 ジェネリックがオリジナルより価格が安いのは、次のような理由が考えられる。

(1)ジェネリックは、オリジナルのような研究開発費を投じていない。(一種類のオリジナル医薬品を開発するのに100億円くらいかかる)。

(2)オリジナルは認可されるまでに4段階がある。つまり、第1相試験:動物実験。第2相試験:限られた少人数の健康人での副作用試験。第3相試験:小規模の患者での臨床試験。第4相試験:臨床使用直前の一般患者への大規模試験。
 ジェネリックは第4相試験だけ行なえば、認可される。だから、ジェネリックは試験費用が大幅に少なくて済む。

(3)これが重要なのだが、ジェネリックはオリジナルに較べて「信用度」が低い。(これは、科学的な問題ではなく、例えば銀行の信用度のようなものである)。

 このようにジェネリック医薬品製造には、オリジナルほどコストがかかっていないのだが、さらに(3)の問題もあって、オリジナルと同じ価格では売れないのである。

 最近は、大手メーカーでも、他者のジェネリックを製造するようになってきた。大手がジェネリックを作るようになると、小規模のジェネリック専門会社には痛手だろう。

 余談だが、インドはジェネリック大国である。日本のジェネリックよりもさらに安い値段で医薬品を提供している。インドのジェネリック会社が本気になれば、日本のジェネリック会社は生き残れないだろう。