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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ポルトガル管見記(携帯電話篇)

2011-10-02 06:55:31 | Weblog
 おそらく現地の中継点は使用できないだろうと思っていたが、夫婦ともども携帯電話を持って行った。場合によって日本に電話をかける必要が生じて、国際電話をかけなくてはならないかもしれないから、国際電話ができるケイタイである。

 幸いにして、そのような場面はなかった。ただ、夫婦どうし電話をかけなくてはならないことはあった。そうした場合、たとえ100メートルしか離れていなくても、国際電話で通話するしかなかった。金銭的に非常にもったいない。

 古い城をホテルに改造した部屋に泊まっていた夜中、妻のケイタイが鳴った。なんと日本からの電話で、それも私たちが海外旅行をしているとは知らない人からだった。

 内容は、「台風が来ているから、ナントカの会は中止にします」という連絡だった。日本では昼間なのだ。妻が「今、ポルトガルにいます」と応じたら、相手の人は驚いていた。電話の相手は何も知らずに、いつもどおりに妻にケイタイをかけただけなのである。

 気軽にケイタイをかけたら、ポルトガルと繋がってしまったということである。相手ばかりではなく、私も驚いた。これほど簡単に国際電話ができてしまうとは!

 こんなことは、つい3年くらい前には考えられなかった。通信の分野はすさまじい速さで進歩している。

 30年前、ある病院に勤めていたころ、院長(故人)には大変世話になった。その院長が言うに、「リゾートで海外に行くとき、飛行機が離陸を始めると、スーッと体から力が抜けていく。それが心地よい」そうだ。なぜかと言うと、「もう、絶対に呼び出しの電話がかかってこないから」だという。院長というのは激務なのだなぁ、とつくづく思った。

 ところが今の通信事情の進歩である。もう海外に行っても「絶対に電話がかかってこない」なぞと言っていられなくなった。これを「進歩」と言ってよいのだろうか?