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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

池田清彦教授と武田邦彦教授

2011-08-02 20:36:35 | Weblog
 この両教授は同じバラエティー番組に出演しているので、ご存じのかたも多かろう。

 武田教授の地球温暖化論への反駁は、読んでいてスカッとする。語り口や論理のもって行き方も上手いし、面白い。(『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』洋泉社、2008)。

 最近は原発事故についてブログで発言し続けている。一日40万件のアクセスがあるから、その影響力は計り知れない。私もこのブログを見てみたが、とても分かりやすい。

 池田教授のことは、もっと前から知っている。生物学者だが、生命について深い考察を行う人なので注目していた。(例えば『生命の形式』哲学書房、2002)。彼の論考は「存在論」や「認識論」にまで踏み込んでいる。

 池田教授は最近、軽い文章を週刊新潮に載せている。世の常識に思わぬ方向からズバッと切り込むのは、彼の昔からのスタイルで、私好みである。

 両教授とも私は好きだが、どちらがより好きかあえて述べれば、池田教授ということになるだろう。

 常識批判をしても池田教授の場合、深いのだ。武田教授には池田教授ほどの深みがない。

 だから、武田教授はバラエティー番組に向いているけれども、池田教授は向いていない。彼の真骨頂である深さは、バラエティー番組の限られた時間では表現できない。池田教授はバラエティー番組ではなく、あくまでも著作で意見陳述するべきだろう。

 浅はかなタレントがギャーギャー言っている中で、存在論も認識論も打ち消されてしまう。池田教授はバラエティー番組を降りたほうがよいと思う。

 (両教授は姓名が似ているから混同されやすい。両教授の区別がつかない人は軽く読み飛ばしてください。)