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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「俳句第二芸術論」

2008-03-18 08:25:28 | Weblog
 昭和21年、桑原武夫という人が「俳句第二芸術論」という論文を発表して、俳句界は大騒ぎになった。

 高浜虚子は「俳句も芸術と言われるようになりましたか」と泰然自若としていた。水原秋櫻子は、実作を積み重ねることによって、桑原の論に対抗した。

 桑原の俳句批判の方法は、プロの俳人の句と素人俳人の句をまぜこぜにして、東北大学の教員や学生に「どれがプロで、どれが素人か分かるか?」問うたものである。結果は「全然、分からない」という者が大多数を占めた。

 この「全然、分からない」というのが桑原の根拠である。

 私も「俳句第二芸術論」を読んでみた。そして、桑原が挙げた例句を見た。そうしたら、どれがプロの俳句で、どれが素人の俳句かすぐに分かったのである。

 東北大学の教官や学生を調査対象とした桑原の調査方法に問題があったのだ。

 私は俳句を始めて20年を超えた。そういう者たちを調査対象としていれば、桑原の立論は成り立たなくなる。

 前に能の舞の良し悪しが分からないと述べたが、分かるようになるまであと20年かかるのだろうか?