goo blog サービス終了のお知らせ 

院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

少子化のどこがいけないのだろうか?

2006-06-28 09:51:02 | Weblog
 絶滅危惧種を保護しようという機運が世界的にある。

 その背景には、人間が自然破壊を行った結果、野生生物を絶滅の危機に追いやってしまったという「罪悪感」があるのだろう。

 しかし、種の絶滅は太古の昔からあった。三葉虫しかりアンモナイトしかりである。これらの種の絶滅は人間の手によらない、大自然の営みである。種は絶滅し、また新しい種が生まれる。それが大自然というものであり、進化の原動力でもあった。

 日本の少子化が危惧されている。確かに日本人の人口は減っていくだろう。だが、開発途上国では人口爆発に困っている。日本人が減っても、世界人口は増加している。億年の単位で見れば、種としての人間も絶滅するかもしれないが、当面は安泰である。

 それでは、少子化のどこが緊急の問題なのだろうか。日本の国力が弱体化していくことが、いけないのか。世界第2位の経済大国の座から滑り落ちることがいけないというのなら、それは偏狭なナショナリズムであって、「欲」というものである。

 ほんの少し前まで、日本は極東の1小国だった。国力が下がったとしても、また極東の1小国に戻るだけであって、大騒ぎすることでもない。

 少子化によってシニア世代を支えられなくなるからいけない、という考え方もある。でもそれは、これから生まれてくる子供たちを食い物にしようという意図が見え見えで、これまた「欲」である。

 自然破壊は人間の「欲」で行われた。少子化を問題視する心根にも「欲」が感じられてならない。

 人間とはよくよく強欲な生き物だなあと、嘆息するしかない。