本城陸上クラブは(市民ジョギングもあります)、「今より成長を目指して」が指導方針です、特に長距離は専門です。

「本城公園」拠点に小中学生から大人までのランニング活動チーム
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子供の活動を受けてこれから?(大人向け)

2013-09-24 | 管理者の小言
私も、このようなことからマラソンクラブと仕事の二足のわらじではありませんがやるようになりました。

以下、長文ですが、仕事以外にも生きがいを見つけることが必要ではと思いませんか?

笑顔のヒント「競う」から「つながる」へ【1】
PRESIDENT 2011年5月30日号
著者 中央大学教授 山田昌弘 構成=白河桃子 撮影=澁谷高晴

中央大学教授 山田昌弘氏
人間はそもそも、究極的に何に幸福を感じる生き物なのか。それは他者からの「承認」なのです。今までの日本の社会システムでは、「身近な人や社会からの承認」=「幸福」という方程式が成り立っていました。それが今、大きく変化しています。
かつては会社の中で真面目に働き、順調に出世していくということが日本男性の幸福の源泉でした。年功序列・終身雇用という日本型雇用システムに守ら れ、多くの人が会社と社会での承認を得ていた。会社からもらえる安定した給料で家や車を買い、専業主婦の妻と子供を養いさえすれば、家事や育児をしなくて も、家庭での承認を得ることができました。
これが、現在60代以上の人たちが描いた「幸福の物語」です。会社での承認に家族の承認が自動的についてきたのです。しかし、今の30代、40代は もちろん、50代前半くらいまでの人たちが、この物語の中に幸福を見出すことは、すでに難しいでしょう。旧来の会社システムが崩れ、大企業に勤めていても リストラや減給、倒産といったリスクが降りかかる時代となりました。
大学を卒業し、普通に勤めてさえいればそこそこの地位まで昇進して定年退職できた時代は終わったのです。同じ会社に所属していても、昇進などの格差 があり、比較的早い時期でそれがはっきりとわかってしまう。「あなたが必要だ」と会社に定年までいさせてくれるかどうかすらわからないのです。よほど特殊 な技能の持ち主なら、「会社に所属している自分」でなくなっても、まだ安心度は高いでしょう。しかし所属を失ったら誰も振り向いてくれない人は、今後大変 です。
では家庭における承認についてはどうでしょう?
昔はたとえ窓際族になって、会社での承認を得られなくても、ある程度の給料はもらえましたし、稼いでさえいれば、妻や子供から承認や尊敬を受けるこ とができました。しかし、今は家庭に参画しないお父さんは「大切な人」「必要不可欠な人」とは言われません。今はよくても、将来、熟年離婚や介護してもら えないといった危険が高まるでしょう。
昔は、家長であるだけで1番上席に座ったものですが、家族サービスをしないで仕事だけに邁進したせいで、すでに家に居場所のない人もたくさんいま す。今や家庭で承認されるにもお金以外の努力が必要なのです。要するに、「会社での承認」と「家庭の承認」はもはやセットではなくなったということです。
では、どうすれば新たな幸福の物語を生み出せるのか。そのためには、会社以外で自分を評価してくれ、大切にしてくれる誰かからの承認を得ることが不可欠になってきます。そのためには「他人とのつながりをつくり出す努力」をしているかどうかがカギになるのです。
会社の外といっても、お金を払ったサービスとして大切にされる場、例えばクラブやスナックなどではありません。本当の意味で対等な「人間関係」をつくることにお金を使うべき時代なのです。
「プレジデント」の読者世代はバブルを知っている人も多いでしょう。家や車、そしてブランド品を買うことで「幸福」の物語を紡いでいった世代です。 これは、いわば、「商品そのものにお金を費やしていたというよりも、その商品を買うことによって、それがもたらすであろう幸福を買っていた」のです。
そもそも、モノを買うことで得られる幸福のシステムは国全体の経済成長を前提としたものです。しかし、日本は今、ゼロ成長時代に突入しつつありま す。国のGDPが多少は増えることはあっても、1990年代半ば以降、家計の可処分所得という個人レベルでは、ここ15年間は実質ゼロ成長の時代だったの です。さらに2008年のリーマンショックは、これから家計所得が減ることはあっても増えることはない、と人々に実感させました。そこで新しい幸福の在り 方のモデルが求められるようになったのです。
現在は「モノ」でなく、人間関係、すなわち「つながり」をつくるための消費をするべき時代です。30代以下のロスジェネ世代に比べれば、今の40代 以上の多くはまだ金銭的に余裕があるはず。今後は、それを人間関係をつくるためのネットワーク、サービス、ボランティア活動などに投資するのです。
特に男性は、組織の中における「役割」においてでしか、人間関係を築けない傾向があります。会社を離れても、何かの組織に入るか、または組織を自分でつくらないと、どうも居心地が悪いようです。
以前、世田谷市民大学のシンポジウムに招かれたのですが、学生の平均年齢はなんと69歳。老人大学の間違いではないかと思ったのですが、そこで退職 後に役員などをやっている人はイキイキと幸せそうでした。世間の中でまだ「自分の役割があるんだ」と思えることが、彼らの幸福につながっているのです。
また、40代の男性で、サッカーの応援団の組織委員長などをやっている友人がいるのですが、はたから見ていてもいつも楽しそうです。奥様が大学の先生として家計を担っており、本人はほとんど専業主夫のようなものですが、料理上手で、家庭は大変うまくいってます。
同級生が、最近学生時代のバンド活動を再開したという話も聞きました。学生時代の仲間に「ライブに来いよ」と声をかけています。仕事一辺倒だった人 が急にボランティアといっても難しいと思うので、大学時代に好きだったことを思い出し、友人に連絡をとることから始めてみてはどうでしょう。むしろ今の若 い人より、バブル世代以上は若い頃から上手に遊んできたはずなので、その能力やネットワークを活用するのです。
要するに、自分の能力や性格、得意なことを生かして、ほめてもらえる場所をもつ。グループに入るためのお金や、グループでの対等な人間関係を築くためにお金を有効に使うことです。
ただ、ここで気をつけなくてはいけないのは、会社での地位はどうあれ、最初は「下働きの一兵卒」からやるつもりで参加することです。とかく地位のある男性は、会社以外の組織でも「オレが教えてやるモード」になりがちですが、これでは承認を得ることができません。
もう1つ重要なことは、「生活水準で勝ち負けを測らない」ということ。経済的格差が同世代の間だけでなく、異なる世代間でも年齢とは逆行する形で広 がっています。今、30代で妻がフルタイムで働き、ダブルインカムで世帯年収が2倍以上という夫婦も増えています。が、上の世代で自分の給料を2倍にする ことは難しい。自分が出世しさえすれば勝ち組ではなく、配偶者次第で世帯年収にかなりの格差がつく時代になったのです。今の40代が結婚した10~15年 前は、ほとんどの妻が結婚や出産で退職して専業主婦になっており、多くのサラリーマンがそれで当たり前と思っていたと思います。今になって結婚が1つの格 差要因と気がついてももう遅いわけです。
日本はやり直しのきかない社会です。よほど専門性の高い資格でも持っていないかぎり、1度社会を離れた妻が高給を取れる仕事につくことはほぼ不可能 といっていい。今さら専業主婦の妻をパートに出しても経済的にあまり意味はなく、妻自身も働きたがらないはずです。夫が会社に行くだけで月収100万円も らえるのに、時給数百円の仕事で朝から晩まで働くのは誰だってイヤでしょう。多くの妻は、経済的に苦しいとき、「自分が働いてわずかな時給を得るよりも、 夫の小遣いを削ればいい」というはずです。
こんな状況下において生活水準で幸福を測ろうとすることは、自分の不幸感をあおるだけです。それよりも家庭内での人間関係の向上に努めたほうがいい。
やはり大企業の中間管理職を務める50代の友人の話ですが、出世競争に先が見えてきたところで、すっかり料理上手の良き夫、優しい父親になった人が います。素早い方向転換ですね。40代、50代ならまだ間に合います。急に家族に向き合おうとして「妻が相手にしてくれない」などと文句を言わず、夫婦 揃っての趣味などを始めてみるといいのです。
オタクというほどの趣味を持っている人は幸せです。最近、私のまわりで目につくのは、休日になると必ずわが家の近くの陸橋で、JRの電車に向かって カメラを構えている人たちです。熟年カップルや若い子連れ夫婦も結構います。微笑ましい光景ですよね。お父さんが鉄道好きで、家族も巻き込んで、家族サー ビス+趣味で家族がつながるわけです。
芸能人のおっかけでもいい。娘さんがファンでお母さんもファンになり、お父さんも巻き込んで、みんなでコンサートに行くなど、なかなか幸福な構図です。
私も宝塚やミュージカルを見にいくのが趣味なので、子供と一緒に行くことで親子関係がなんとかつながっています。男性が女性的な趣味をやってもいい し、逆に女性を男性の趣味に巻き込んでもいい。ぜひ、夫婦、家族そろっての趣味を持ってください。いつも一緒というほどベッタリする必要はなく、ほどよい 距離でつながることができればいいのです。
また父親なら、仕事の内容が世間に役に立っていることを、家族に話しておいたほうが尊敬や承認を得やすいでしょう。
中央大学教授 山田昌弘1957年、東京都生まれ。81年東京大学文学部卒。86年同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。家族社会学が専門。愛情やお金を切り口に人間関係 を社会学的に読み解く試みを行う。著書にベストセラーとなった『希望格差社会』、『幸福の方程式』(共著)、『なぜ若者は保守化するのか』など。

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