必殺シリーズ 備忘録

主に各回の名シーンまとめ
※『新仕舞人』『仕置屋稼業』をまとめ中!

第09作 必殺からくり人・血風編 第07話「恨みに棹さす紅い精霊舟」

2016年11月13日 | 第09作 必殺からくり人・血風編



【ストーリー】
三崎屋の息子の遺体が品川の海岸で見つかった。
三崎屋は何者かに大金を払い、お尋ね者だった息子を異国へ逃亡させる算段だったようだが、哀れな姿となって戻った息子を見て嘆き悲しむ。
その頃、白濱屋には神社参拝の一行が到着し、盛大に酒盛りをしていた。
おいねは一行の一人・源二郎に見初められ、おせいに許しを貰うと一行と共に謎の隠れ里・精霊(しょうろう)村へ旅立ってしまった。
その夜、三崎屋は土左ヱ門に息子の敵討ちを依頼し、異国への逃亡を勧めた者の名を明かすが、直後にその者の手下によって暗殺された。
その者の名は精霊村の楫取(かじとり)吾兵衛-白濱屋にいた一行の頭目だった男だ。
吾兵衛や源二郎たちはお尋ね者たちを『異国へ逃がしてやる』と言って誘い集め、実は彼らを異国に売り飛ばすことによって莫大な資金を得ていたのだ。
その目的は、自分たちから村を奪って僻地(精霊村)に追いやった幕府への復讐。

しかも、売れなかった体の弱い者は砲撃で木っ端微塵…そんな村の様子においねは戦慄する。
おいねは囚われた女性たちを助けようとするが失敗し処刑されそうになるが、そこにようやく精霊村を突き止めたからくり人たちがおいね救出に現れる。

【知ってるゲスト】
浜村純、牧冬吉、伴勇太郎

【名シーン】
①飲んだくれるおりく
おりく「あの子ったら急に改まって『おかみさん、長らくお世話になりました』だなんて
    敬口上で言うんだもの…あたし無性に悲しくって」

↑おりくを全力で慰める三人組。

②土左さんの気概
   (精霊村探しに行くため)持ち場を離れようとする土左ヱ門に密偵は怒る。
密偵「あんた、武士の気概をどこへやった!?」
土左「気概はあるさ…しかし武士のなんて特別の代物は初めから持っちゃいねえよ」
密偵「斬る!」
土左「斬れ、俺を斬ったら西郷が困るぞ」

↑密偵の仕事はこなしていても、その仕事からは次第に心が離れて行っているようだ。

↑言いたいことを言ってすっきりした土左さん。
 背景の青空のように晴れやかな表情もいい。

③おいねと源二郎
源二郎「みんな磔柱を背負った奴らばっかりだ。
    あいつらは逃げる、俺たちは鉄砲を手に入れる、どこが悪い!」
おいね「なんだか人並みに扱われてないみたいだから」
源二郎「ああ、あいつらは人間じゃねえ!」

↑幕府から人間扱いされず村から追い払われたのが源二郎たち。
 いつの間にか、彼らもまた奪う者へと変貌してしまっていた。

↑人間扱いされない売れ残った者の末路は悲惨だ。
 
④土左ヱ門&直次郎殺しシーン
吾兵衛「殺せば殺すほど偉くなってくんだ。
    もっともっと殺さねば大将にはなれねぇ!…お前は大将になるんだ」
源二郎「…おら、大将になる!」
吾兵衛「よし…なれるか、なれぬか、度胸試しだ…その女の喉首を切ってみろ。
    掟を破れば女房だって間引くのが大将なんだ」
    ついにおいねを殺す決意を固めた源二郎。
    その時、どこからか声が聞こえてきた。

 土左「精霊村源二郎…」
直次郎「楫取吾兵衛…」
 土左「今二人とも大将にしてやるぞ」
    現れた直次郎は吾兵衛を足技で始末し、土左ヱ門はおいねを救出する。
    呆然としていた源二郎は逃げ出すが、土左ヱ門の投げた刀で磔にされる。

↑「はまむらじゅん」と聞けば、こっちを思い出すのが必殺ファン。
 見た目は普通のおじさんだけど、今回のように極悪人役が多いよね。

↑源二郎も吾兵衛に操られていた節がある。

↑精霊村の悪党たちの野望は爆散。
 そしてこれがおいねの最後の姿でもある。

【感想】
おいね退場エピソード。
元々は幕府から村を追われた『被害者』だった源二郎が、時代の流れでいつの間にか『加害者』になってしまう様が哀れだ。
そして、完全に悪党と化した吾兵衛と、まだまだ人間性の残っている源二郎の対比もよかった。
面白い話だったけど、最後おいねがどうなったか全く不明なのがマイナス点!
からくり人の掟はけっこう緩めなので、復帰しようと思えば復帰できたと思うんだけどね。
この途中降板自体も中の人の都合なのか、シナリオ上のことなのかよく分からんし。
たった11回だから完走して欲しかったですね。

↑これが出た時「おい、中途半端に終わるなよ」と言ってしまった。