天の気【庚(かのえ)/金性/陽】には「繰り返す」「さらに」「もう一回」「改める・改正・改善」というような意味合いがあり、まずは前月の3月がどうであったかをよく思い出して、3月を改めていきたい。気学を学べば、翌月、翌々月にどんなことが起きてくるか、世の中がどうなっていくのかを知ることができるし、だからこそ備えとして、心構えを整えていくことができる。
これが先を読むということで、「気がわかる」「読める」ということは世の中の軌道がわかるわけだから、本年の重要月である5月・6月に備えて4月をどう作っていくかを意識したい。
3月は【己(つちのと)】の気を受けて何かが立ち上がったと思うが、何も立ち上がらなかった人は「立ち上がらない心」を改めなければいけない。また「道筋がはっきりする」という意味があるが、道筋がはっきりしていない人はどこかにブレがある。
その原因は、自分で未来を決めていないとうことだから、目標がない人は心が立ち上がらないし、道筋も見えてこない。
自分の中の小さな希望や夢、目標があったはずで、それを打ち消そうとしている心がある。それはあきらめだから、その「あきらめの心」こそ改めなければいけない。
何が原因で私は夢をあきらめようとしているのか……それは今に始まったことではなく、これまでずっとあきらめてきたはずで、今月はメンターに相談することでそうした自分の心をしっかり認知し、改めて立て直すことだ。
地の気【辰/土性/陽】は枝が無造作に伸びていく姿で、景気は上向きといえる。ただ無造作に伸びていくから物事が整理されにくいし、世の中は騒しい感じになる。
そんな4月は、何でもいいから思いついたことをジャンジャンやっていくといい。そこに月建がかかっている。伸びていくのかいかないのかわからない感じが大事だから、「こんなことやったって無駄」とあきらめず、とにかく手をつけてみよう。
物事をワーッと始めるには、とりあえず今までの考え方を止めてみること。辰は十二支の中で唯一存在しない生き物で、風または雲のようなものである。雲を掴むような思いの中で、常に見えているもの……それはビジョンであり、ビジョン(目標)を目指す中でいかに自分の心の調和をとっていくかがキーワードになる。
物事をやめたり、あきらめたり、逃げるのではなく、ビジョン・目標という山を登っていくことに心の調和を持ちたい。そのためには自分で決めて、責任を取ると腹を決めること。これまでの自分の心の腐りを終わらせて、新しく目標を目指して始めていこうと決めること。
そこに自分自身を律し、改めていくための道筋を天が示してくれるし、その行為は実質的な収入に繋がっていくことを地の気は物語っている。
庚に恵方がかかるので、「元気にやっているか?」と古い友人に声をかけ、カフェや居酒屋に誘ってみよう。また、なるべく夕食は家族でそろって食べたいから、うまく時間を調整すること。奥さんを誘って二人で出かけるも良いし、しばく会ってない実家の母親を誘っての外食もいいだろう。
人の気【九紫火星/火性/陰】の一番の特徴は「離合集散」で、天の気・地の気に合わせていけば必然的に必要なものに出会い、不必要なものと離れる。合わせることができなければ必要なものから離れ、不必要なものと出会うことになるから注意したい。
また九紫には「先見の明」という意味があるから先が見えていないといけないが、腹を決めて自分を律して歩いている者はきちんと先が見えてくる。スタート時は先が見えない状態でワーッと始めても構わないが、歩いていく中で情報が増え、具体化していく。
この時、自分の中の不安を捨てることと、これまでの人生を止めることを意識したい。これまでの人生を止めないとビジョン・目標が滅していくから、余分なもの(弱点)を早く捨てること。一白が廻座しているのでグズグズしてなかなか捨てられないが、その弱点を必ず誰か指摘・叱責してくれる人がいる。
厳しい叱責や指摘をされたときがチャンスで、そこから離合集散して先見の明が生まれる。一方、長い人生に不満を感じると暗剣殺、本音が吐けないままグズグズしていると五黄殺となるから、4月こそ自分というものを……「本音」を、全部メンターに投げ出してみることだ。
一白水星(いっぱくすいせい)(S20、29、38、47、56、H2、11、20年の2/4~翌年2/3生まれの人)
40点。北西に廻座して衰運が増してくる。今月はスカウトや何かしらの依頼があるが、もし自分の中で違和感を感じるようなら受けないほうがいい。ただ、その違和感をメンタリングできれば乗ってよし。また本格的に仕事や時間の整理をしなければいけないところにきているが、とはいえ求めに応じなければならない部分もあって、矛盾が生じる。処理し切れないという悪い癖(習慣)が出てくる。もともと人間関係が希薄になりがちな一白だし、忙しいのはわかるが、ダブルブッキングを避け、時間に正確に動きたい。今月はそこをちゃんと調整していく必要がある。一白は本宮(ほんゆう)【子】に天道がかかっているから、これから衰運に入る一白は新しい9年の道のりの中で生まれ変わっていくことへの決意が必要で、その決意があれば悪い癖は起きない。まっすぐに進めない感じがする中で責任を負い、自分で自分をしっかり律していくことがカギである。
ニ黒土星(じこくどせい)(S19、28、37、46、55、H1、10、19年の2/4~翌年2/3生まれの人)
80点。今月はいろいろな役割が回ってくるが、出不精の二黒にはそれが苦痛に感じる。しかしそれは天が与えてくれたチャンスだから、運に乗るのか、逆らって悩むのか、そこは決心一発で決まる。もし決心が決まらなければ、飲みに行ってもいい、カラオケに行ってもいい。とにかく楽しみを持ちたい。二黒の不決断は、来た電車に乗るか乗るまいかしているうちに扉が閉まるようなもので、迷いに近い。それが決心を迫られて、不満と不足が多くなりやすい。それは自己評価よりも周囲の評価が大きいからで、ここは一発、開き直りたい。周囲の期待に応えるのは大変だろうが、逃げずに開き直ってしまうのが早い。心の状態に反して、金回りは良い。
三碧木星(さんぺきもくせい)(S18、27、36、45、54、63、H9、18年の2/4~翌年2/3生まれの人)
30点。今月の三碧は自分がこうしたいと思うことを形にしやすい。形にするには自分の至らなさや、変えなければいけない部分を、まずは言葉に出してみることだ。すると周りが応援してくれる。人を悪く言わない三碧は、基本的に適当で軽いが、今月は心が重くなるようなことがあり、今月は上手く人を褒められないことが多いかもしれない。そのことを反省して、至らなさを言葉として表に出してみよう。そうやって自分の心に影を作らないことが大事で、含みを持たず、思ったことは言えばいいし、それで恨みを持たれることはない。三碧だけでなく、六白・九紫も含めて、腐りを持たないことが大切。4月は土用月で腐りやすいからなおのこと、腐らず、あきらめずに歩きたい。
四緑木星(しろくもくせい)(S17、26、35、44、53、H8、17年の2/4~翌年2/3生まれの人)
40点。南の四緑は傲慢になりやすい。傲慢な人の特徴としてカンに頼ることがあるが、それは主観であり思い込みであるから、南にいるときはそんな傲慢さから離れたい。しかし四緑はなかなかチェンジできない。南は太陽が南中する場所で、調子がいいという錯覚が起きる。南の九紫と四緑は相性が良いので、余計に変化することが難しい。変化するためにはビジョンを見続けたいが、現実から逃避したいと思っている四緑にはビジョンがないから傲慢になる。もし決断して、変化しようと思うならば、その四緑は相当な知恵者といえるし、余程の何かが見えた証で、その歩みは早い。そんなふうに4月の四緑は二極化する。暗剣を背負っているから、物事が見えているうちに心を切り替えたい。
五黄土星(どおうどせい)(S16、25、34、43、52、H7、16年の2/4~翌年2/3生まれの人)
70点。去年、比較的楽だったはずの五黄だが、リーダーシップを取る立場にあった人は辛かったと思う。じっとしていればいいのに、運のない五黄はとにかく動きたがる。相談するように言われていても従わず、事後報告をすることが多いが、それではいつまでたっても結果は出ない。焦る上に、いい格好をしたいのが五黄だが、もっと地道に下積みをしたい。内実がないのに表向きを繕おうとしたり、人の言うことが聞けない五黄は運が悪い。今月の心構えは、二番手になること。人を利用するのではなく、目立たず、自分の力でリーダーと全体を支えようと思える五黄は名番頭になれるし、いずれ巨大な金をつかめるようになる。きちんと下積みをすれば金にあたわり、下積みを嫌うと金にあたわならい。天への道に繋がるのか、これまで以上に大変な人生を送るのか、五黄も二極化するときにきている。
六白金星(ろっぱくきんせい)(S15、24、33、42、51、60、H6、15年の2/4~翌年2/3生まれの人)
80点。4月は非常にいい。本来リーダーシップを発揮する役割を持つ六白だが、今月は人の面倒を見るという、本命とは相反することをしたい。人を育成するからこそ、育った人がまた次の人を育成するという連鎖を生む。リーダーが中心となってまず回り、遠心力で外周が回り始める。そうやって遠くを回せるようになりたい。だから今月、自分がリーダーだという自覚がある人は、育成という苦労をしてみるといい。人を育成しようとすると、必ず変化が起きてくる。今まで知らなかった喜びを見つけることができる。ノリや義務でやってもダメ。幸せになりたいからやる、もダメ。やりたいから、やる。やりたくなかったら、やらない。心を作り、成長したければ「役」に就けばいい。だから役はむしり取りにいきたい。そこに任命者がいて、役割を得ることができる。
七赤金星(しちせききんせい)(S14、23、32、41、50、59、H5、14年の2/4~翌年2/3生まれの人)
60点。一点集中型で育成が下手な七赤だが、4月は育成に力を入れたい。そのためには東に廻座する今月、言葉を上手く使いたいが、三碧・七赤の言葉は基本的に軽く、上っ面の言葉では通用しない。心のある褒め言葉が相手の心を掘る力になるし、もともと七赤には言葉一つで人をよみがえらせる力があるから、それをしっかり使いたい。言葉を上手く使えない七赤は、身体をよく動かしているが、それが組織の発展を阻んでいることがある。きちんと言葉を使って人を育てていれば、そんなに動かなくても、必ずその後に人が付いてくる。 今月、育成しようと決心すれば、人生を相当飛躍させるはずだ。
八白土星(はっぱくどせい)(S13、22、31、40、49、58、H4、13年の2/4~翌年2/3生まれの人)
70点。少し気が晴れてくる今月の八白土星。今年は中宮に廻座していろいろな気付きがあるから、南東に出た今月、ひとつ遠出してみてはどうだろう。近場もいいが、できればまだ行ったことのない新しい土地がいい。が、知らないところへ行くとなると嫌がるのが八白だが「わからないことはやらない」というが、「わからないから良い」のだから行けばいい。子どもが長男なら、長男を連れて行きたい。必ず何か見つかるし、忘れていたことを思い出す可能性がある。またやりたいことを温めてきた八白は、この月に始めるといい。営業を果敢にすること。旅行がてら新規顧客の開拓、というのもいいだろう。主婦なら、習い事を新しく始めてもいいし、サークル活動のお誘いにもどんどん出たい。
九紫火星(きゅうしかせい)(S12、21、30、39、48、57、H3、12年の2/4~翌年2/3生まれの人)
90点。久しぶりに調子の良さを感じる九紫。ところが、年盤では衰運の入り口だから、ここで起死回生しようと思わず、調子のいいときにこそちゃんと立て直したい。調子が悪くてこもっていた九紫だが、ここで調子に乗らず、気持ちを立て直すこと。ただし誘われたものは乗って良い。また中宮である以上、どうしても目立つから謙虚に努めたい。とくに九紫は調和を苦手とするから、このときに調和を乱すような傲慢さが出るようなら、危険信号。注意を受けたら素直に聞きたい。場面をみて、自分が不調和を起こしていると思ったら、すぐ引く。中宮は引いても隠れても目立つが、どうせなら本命の持っている「ものの見え方」を引き出したい。今月はひたすら地道にいこう。本宮には暗剣がかかり、見えないところで裏切られる準備が始まっている。これまで人を知らない間に人を傷つけてきた自分の言動を、ここでしっかり反省しよう。
(監修/藤井康夫)