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 “ジュリー”こと沢田研二さんのコンサートツアー、「沢田研二 70YEARS LIVE『OLD GUYS ROCK』」が6日、日本武道館からスタート。

  • なんと、その初日を拝見する機会に恵まれました。70YEARSは、1948年6月25日生まれのジュリーが70歳=古希を迎えたことを意味するタイトル。2大ドームコンサート「人間60年・ジュリー祭り」も拝見していたし、2013年12月のザ・タイガース復活コンサートも拝見。このときは、「女性セブン」の連載で、ピーこと瞳みのるさんと、タローこと森本太郎さんをゲストにお呼びして、昔話に花を咲かせていただきました。

 今年1月は、NHKホールで行われた「沢田研二50周年記念LIVE2017~2018」も拝見しています。

 ジュリーがメインボーカルをつとめていたザ・タイガースを知ったのは小学生時代。東京の私学ということで、同級生はかなりおませな子が多く、特にお姉さんがいる友人は、ビートルズやGS(グループサウンズ)、そして加山雄三さんらの情報を仕入れては、教室で盛り上がっていました。

 小5だったか、学校のクラスで開催する催し物で私たちのグループがやったのは、ミリアム・マケバの「パタパタ」のダンス。土曜日、学校から飛んで帰ってみた「ビートポップス」(フジテレビ系)で覚えたステップでした。

 同番組やラジオの公開放送にはGSが度々ゲストに来ていました。GSが“和製ポップス”と呼ばれていた時代です。なぜなら当時は、AMラジオでも洋楽の番組がたくさんあって、歌謡曲全盛の同時代にあって、日本のGSや加山さんはちょっと異質な存在でした。

 昔話が止まりません(汗)。ジュリーに話を戻したいと思います。私がジュリーのコンサートに度々足を運ぶ大きな理由の一つに、中学時代からの大親友が彼の大ファンだからというのがあります。

 彼女があまりにもジュリーを好きすぎるし、熱心に追いかけ続けているため、ジュリーを好きな彼女を応援し続け、いまに至ります。

 とはいえ、ザ・タイガースの前身が「ファニーズ」だったことも知っていますし、明治のチョコレートのプレゼントでメンバーの“ソノシート”を当てたことも。さらに、ジュリーの主演映画で相手役をつとめた女優さんを一緒になって嫌うことも、すべてリアルタイム。PYG時代のジュリーも、ソロになってからのジュリーも、拝見してきました。

 私の大親友のようなファンでなくても、ジュリーの歌声や言動は、自然に入ってきました。それほど、ジュリーは大大大スターだったのです。

 というか、ソロ歌手でマスコミから「スターさん」と“さんづけ”で呼ばれる最後の歌手がジュリーと言えるのではないでしょうか。

 70歳になってもなお、日本武道館を満席にできて、伸びやかな歌声で、あれだけの曲数を続けざまに歌えて、女性ファンを総立ちにさせ、うっとりさせてしまう。そして、あれだけ、カッコイイ日本人歌手を私は知りません。

 実はジュリーは、前回のコンサートツアーの千秋楽に、ずっと帯同してきたバックバンド「鉄人バンド」を改めて紹介。「最後です」と言い、客席をバックに、記念撮影をなさいました。バンドメンバーの皆さんがスマホをスタッフさんに手渡し、撮影したものだから、その時間がずいぶん長くかかり、ファンの皆さんがその光景を目に焼き付けていらっしゃいました。

 果たして、今回のライブツアーでは、どんなメンバーがバックをつとめるのかと思ったら、なんと、ギターの柴山和彦さんお一人だけでした。

 ジュリーいわく、直接、出演交渉をしたのだとか。ザ・タイガースでもPYGでも、そしてソロになっても、ジュリーのバックには音楽性に優れた、おなじみのサポートメンバーが見られたものですが、今回は柴山さんのギター1本……ということで、ファンの皆さんは、いったい、どんなふうになるのだろうと少々戸惑いもあったのではないでしょうか。

 ギター一本というと、物足りなかったり、ちょっと寂しかったりというイメージがありますけれど、コンサート中、何度もギターの種類を替えてパワフルに演奏される柴山さんと、その柴山さんのギターに全身を委ねるように歌い続けるジュリーは、また新たな一面も見せてくれたし、あぁ、やっぱり、ジュリーはカッコイイし、ジュリーの歌は本当にシビレる……と心から思いました。

 ジュリーファンの大親友いわく、「ジュリーは若い頃は、『バンドがいないと心細くてイヤ』と言っていた」とのことですが、色々な思いを経て、今回、柴山さんと2人だけのステージというカタチに行きついたのでしょう。

 くだんの「人間60年・ジュリー祭り」の前後から、ジュリーの姿がマスコミで取り上げられると、ネットなどを中心に、そのルックスが取り沙汰されたものです。

 今回のコンサートツアーのタイミングでは「まるで仙人」と女性週刊誌に書かれていましたけれど、ステージ上のジュリーを見たならば、そんなふうには絶対感じないと思います。

 年齢が年齢なのでしかたがないのかもしれませんが、この10年ほど、ジュリーは近しい大切な人たちとの永遠の別れを何度も経験しています。そうした“思い”がカタチになった演出や、“思い”をこめた歌唱は、ファンの方ならすべてわかったハズです。実はとても社会派で硬派なアーティストさんでもあるので、近年発表している新曲には、力強く、かなりストレートなメッセージがこめられています。

 来年1月まで続くツアーをこれからご覧になるファンの方が大半だと思うので、詳細は控えますが、ジュリーはまだまだ進化し続けているとだけ書かせていただきます。

 でも、歌い終えて三方を向いて「サンキュー」「ありがとう」「ありがとうね」と御礼を言って次の曲に入る構成も、熱い視線で見つめるファンの皆さんを信じ切って、ハートで話すMCも、カラフルでゴージャスで、ジュリーにしか似合わないであろう衣装も変わっていません。そしてカッコよすぎるジュリーが、ステージ中央で輝いていました。

 やっぱり、ジュリーは「スターさん」なのです。とにかく、その存在の大きさに圧倒されました。

 最後に、私より少し年齢が上の方がボリュームゾーンだと思われるジュリーのファンの皆さんは、ホントにカッコイイと記させてください。だって、最初から最後まで総立ちだし、「ジュリ~~~~!」という黄色い声援も変わらないのですから。そのことも含めて、本当にありがたいステージを見せていただきました。私にも言わせてください。「ジュリ~~~~!」(放送作家山田美保子マガジン