脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

トト子ちゃん。

2010年09月05日 19時22分01秒 | コギト
「トト子ちゃん」と言っても、若い読者の方には分からないであろう。
昭和30年代に人気があったマンガ、赤塚不二夫の『おそ松くん』
に登場する美少女キャラである。

たまたま『おそ松くん』を入手したので、読んでいたのである。
初めてこのマンガを少年サンデーで見たのが、幼稚園時代だった。
近所の床屋の順番待ちの席で見かけて、魅入られたものである。

今日読み返すには、素朴に過ぎるコメディー・マンガかと思い
きや意外と面白く、やはり赤塚作品はキャラの表情が愉快で、
また土管の転がる空き地風景など、時代モノの懐かしさから、
ついついはまってしまった。

そして、ハッとしたのが、トト子ちゃんの存在感である。
トト子ちゃんは、魚屋の娘であるが、都会的なスラリとした美少女
であり、おそ松以下六つ子のアイドルであるが、私は覚えてなかっ
たが、お兄さんがいてボクサーを目指しているという設定だった。

トト子ちゃんは怒ると、おそ松たちのボディーにアッパーのような
パンチを繰り出すのだが、そんなに男勝りなキャラだったとは、
私の記憶やイメージからは、その部分はスッポリと抜けていた。


かつて、当ブログに異性への憧れのイコンとしての「岡崎友紀」に
ついて記したことがある。(※ 現在の彼女は別モノである。)
ヘアーバンドとリボンが似合うカワイイ、トト子ちゃんだが、
自分でも今まで気づかなかったが、岡崎友紀以前の、異性のイコン
として「トト子ちゃん」が、私の裡には存在していたようである。

つまり、私の異性タイプのアルケー(始源)がトト子ちゃんにあり、
岡崎友紀を経由することになったという話である。
これは私個人の心的偶有性なのか、同世代にどれ程一般性がある
ものかは全く不明である。

私よりも年下の40代では、『銀河鉄道999』のメーテルさんを
異性偶像として挙げる男女が存在することは知っている。
男の同性偶像ならば、『あしたのジョー』の矢吹丈、今日なら
『北斗の拳』のケンシロウという処だろうか。

日本のアニメやマンガが文化コンテンツとして国際化しつつある
が、現代人にとって、マンガのアイドルやヒーローが個人の内面
形成に与える影響は、本人が気づかないだけで、実は、かなり根
深く、実生活の有り様をさえ、無意識に規定し続けているのかも
知れない。この当たりは今後、大いに学究されるべきである。

注:掲載画像は、読者への参照のみを目的とした引用であり、
  出典は『おそ松くん』(竹書房文庫)の第五巻14ページである。



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