脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

『GEQ』 (柴田哲孝 )を読む。

2010年10月22日 23時16分29秒 | 読書・鑑賞雑感
柴田哲孝氏の作品、『TENGU』『KAPPA』『DANCER』等は、大変面白く拝
見しており、著者は私にとって、近年期待すべき作家の一人である。
この人は、島田荘司に作風がやや似ているが、松本清張も少し入ってい
るタイプの作家である。本書は今年の二月に発行された近作になるが、
私が今年最も興味深く読んだ「エンタメ小説」である。

先ずGEQは、Great Earth Quakeの頭字語である。大震災、大地震が
本書のテーマだが、自然災害としての地震ではなく、「人工地震」と
いう地震兵器の可能性と、その政治的意図や経済効果、人的・社会的
影響等を「フィクション」を通して描いている。
同様の視点から、2001年の「9・11」テロについても国家的な自作
自演という疑念が呈されている。

ところで本書によれば、次のような日付には数字の符牒があるという。

 1989年10月17日 サンフランシスコ大地震
 1991年 1月17日 湾岸戦争
 1994年 1月17日 ロスアンゼルス大地震
 1995年 1月17日 阪神淡路大震災

117という数はカバラの秘数だそうだが、どうも、アメリカの権力
中枢による国家的な謀略を標す足跡であるらしい‥‥。


本書では、日本の阪神淡路大地震への「人工地震」疑惑が追及されて
いる。先ず、震源地が淡路島から神戸市街へと抜ける活断層の線上
に、二箇所あったこと(気象庁等の公式見解では一箇所なのだろうけ
ども)。何百年も休止していた二箇所の異なる活断層が、2.5秒の
時間差でほぼ同時に活動したこと等。

このような現象は自然界では、99.99%有り得ないことから、活断層
への人為(水素核融合?による工作活動)が介在していたという。

またアメリカによる国家的な作為、人工地震の可能性は、神戸地区に
居住していた1400人程いたアメリカ人に被災者がゼロだったこと等、
いくつかの傍証が、作中で主人公を通して語られている。

では何ゆえの、国家意思による人工地震だったのかは、著者も憶測の
域を出ていないようだが、村山政権の誕生や郵政民営化までも視野に
収めた筋読みが展開されるが、この当たりは、本書を読んでみて読者
が各自自由に判断すべきであろう。


アメリカのツインタワーに航空機が突っ込んだ空前のテロ「9・11」
については、既にいくつかの書籍が、国家による自作自演という疑惑
を表明しているが、そんな謀略説は「トンデモ」本の一種かと無視して
いたが、柴田氏の「GEQ」を読んでしまうと、阪神大震災も9・11
テロも、半信半疑な気持ちになってくるものがある。

確かに「9・11」については、どうして高層ビルが崩落したのか?
は腑に落ちない点がある。アメリカの高層建築は、航空機テロを既に
想定した設計がなされていると、だいぶ以前から聞いたことがある。

航空機の乗客やビル内にいた人々の被災した遺体の搬出映像がマスメ
ディアでは、余り見かけなかったように思う。航空機の激突により高
層ビルには千度を超える高熱が発生していたために、遺体は溶けてし
まったという説明らしいが、ならば周辺に火事が発生しないのはどう
してか?等々。

また本書で知ったが、モルガン・スタンレーはツインタワーの最大の
テナントだったそうであるが、社員に一人の犠牲者も出ていないとい
う話だが、本当ならば不思議である。

そんな奇妙なお話が随所に出てきては、ストーリーはサスペンス仕立
てで展開されていくという、興味深くも、大きな国際世間の裏を知る
にはタメになる「時事小説」でもある。

所々タネ明かしめいたことも記してしまったが、このような国家謀略
話がお好きな方のみならず、世の中の各層の方々に一読をお勧めした
い傑作・労作です。
(皆様は、どんな感想を持たれるでしょうか??)






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