脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

Stolen Moment

2008年06月28日 19時51分55秒 | 随想
朝から経営分析の講習会だった。 経営分析というのは、 自己資本比率がどうの、経常利益率がどうのというやつである。 過去にも勉強したことはあるが、あまり役に立った覚えがない。 大企業の財務とか、経営管理の仕事をする人には有用な知識なのだろうか。 文系な私には、未だに何故、固定費を限界利益率で割ると、損益分岐点の 売上高が出るのか、さっぱり分からない。 とにかく、サビついた頭の体操のつもりでやってい . . . 本文を読む

ある面影

2008年04月21日 22時27分35秒 | 随想
私の夜の窓辺に   緑の風がそよいでいる  漆黒の闇夜は   彼女の黒髪とともに    サラサラと流れる  夜に舞う長い髪には   無数の星々が微彩にきらめく   ‥‥あなたは、いつから、      私の心に住んでいるの? 花のように、   ひっそり笑うと     深い霧の中へ     彼女は、消えた   . . . 本文を読む

私の四月に‥‥

2008年04月19日 14時14分42秒 | 随想
薄ら明るい曇り空の下で、 桜の木が緑の葉を繁らせ、 ふさふさと風に揺れている。 花の散った桜には、 人は誰も目を向けない。 桜の組み合す枝々の深くには、 羽を畳んだ一羽のヒヨドリが、 夢の中をまどろんでいる。 人間はもういいから、 今度、生まれるときには、 私は、鳥に生まれてきたい。 鳥は風の友達だ。 下界の人心の遠くを、 透明な風に吹かれて、 世界の果てまで飛んでみたい。 . . . 本文を読む

時間の檻

2008年04月08日 18時55分50秒 | 随想
春なのに陽は遠のき、 過去の想いに雨が降る。 私から流れ去った、 膨大な時間の中の、 言葉で「意味」を捕らえられるものにしか、 人間に「過去」なんて存在しない。 過去なんて、所詮はただの水溜り。 晴れてくれば、蒸発してしまうもの。 動画にさえ撮られることのない、 飛び飛びで、ほんの短い場面記憶。 私を取り囲み、 私をずぶ濡れにした時間は、 大量に散った花びらとともに渦を巻き、 あっけもなく . . . 本文を読む

雪の囁き

2008年02月03日 11時55分24秒 | 随想
日曜日の朝、目覚めると、 眠たげな眼差しに雪が舞い降りている。 朝のラジオでは、今晩も降り続けるらしい。 雪は、私の心を幼時に戻す。 雪の降る日、幼稚園児の私は、 教室の窓から雪を眺めていた。 窓ガラスに付着した雪の破片をよく見ると、 六角形だか八角形をした雪の結晶が見えた記憶がある。 園児たちは、お迎えに来る母親を 暖房の効いた部屋で退屈しながら待っていた。 私の親はいつも中々迎えに来なかっ . . . 本文を読む

雪景色に

2008年01月23日 22時54分22秒 | 随想
暗き灰色の空から 忘れていた物語を語るように  次から次へと、雪が降りてくる。 追憶の空‥‥  いつの時代だか判らない。  雪降る何処かの街角で、  外套を着た身なりの良い老人が  路上に行き倒れている。 それは、遠い私の過去世なのか? どうして、そんな光景が目に浮かぶのか? 老人は、雪の舞う白い世界で息絶えていく。 雪は降り積もり、老人の体も見えなくなってしまう。 これは、私の、自分に . . . 本文を読む

筆始め

2008年01月02日 17時34分57秒 | 随想
正月二日、晴天。 谷中へ散歩に出る。 正月休みでひっそりとした町。 家々に、道端に、 うららかな陽が射している。 空気は澄んで、程好く冷たい。 JR駅裏の丘を上がると、 富士見坂から真っ白い富士が望めた。 そばの神社に詣でて、干支のお守りを買った。 高台を大通りの方へ下り、 新しく出来た「防災広場」に出た。 子供たちはボール遊びに興じ、 大人は凧揚げをしていた。 私は、広場のベンチに腰掛け . . . 本文を読む

冬の鳥

2007年12月23日 11時12分11秒 | 随想
雨上がりの灰色の空の下  剪定され冬枯れた木のてっぺんに  鳥が止まっている  鳥は生存の自然を  自由に過酷に、羽ばたいている  鳥に比して、人間は見苦しい  一羽の鳥のように、生きて死にたいものだ   メンタルヘルスブログ 精神科・心療内科 人気blogランキングへ     . . . 本文を読む

師走の閑日

2007年12月07日 14時35分22秒 | 随想
畳の上に、襖にまで 昼の陽射しが伸びている。 また12月か…。 それにしても、暖かな午後である。 窓の外では、 赤茶色に染まった柿の葉が 冬の太陽に照らされている。 光を透して明るく灯った葉っぱたち。 木は惜しげもなく、 実を鳥に啄ばまれ、 葉を風に蹴散らされ、 それでも黙って立っている。 樹木は雨風に悩まないのか。 陽射しをあえて喜ぶこともないのか。 何があろうとも、 樹木はゆっくり呼 . . . 本文を読む

寿命

2007年12月07日 00時05分04秒 | 随想
影を踏みしめて 夜を歩く 生/死の淡いに 想いが彷徨う 大伯父が未だ危篤中である。 百を超えても脈打ってきた命、  やがて閉じ往く、 命の立派さを寿(ことほ)ぎたい。 メンタルヘルスブログ 精神科・心療内科 人気blogランキングへ . . . 本文を読む