朝から経営分析の講習会だった。
経営分析というのは、
自己資本比率がどうの、経常利益率がどうのというやつである。
過去にも勉強したことはあるが、あまり役に立った覚えがない。
大企業の財務とか、経営管理の仕事をする人には有用な知識なのだろうか。
文系な私には、未だに何故、固定費を限界利益率で割ると、損益分岐点の
売上高が出るのか、さっぱり分からない。
とにかく、サビついた頭の体操のつもりでやってい . . . 本文を読む
私の夜の窓辺に
緑の風がそよいでいる
漆黒の闇夜は
彼女の黒髪とともに
サラサラと流れる
夜に舞う長い髪には
無数の星々が微彩にきらめく
‥‥あなたは、いつから、
私の心に住んでいるの?
花のように、
ひっそり笑うと
深い霧の中へ
彼女は、消えた
. . . 本文を読む
薄ら明るい曇り空の下で、
桜の木が緑の葉を繁らせ、
ふさふさと風に揺れている。
花の散った桜には、
人は誰も目を向けない。
桜の組み合す枝々の深くには、
羽を畳んだ一羽のヒヨドリが、
夢の中をまどろんでいる。
人間はもういいから、
今度、生まれるときには、
私は、鳥に生まれてきたい。
鳥は風の友達だ。
下界の人心の遠くを、
透明な風に吹かれて、
世界の果てまで飛んでみたい。
. . . 本文を読む
春なのに陽は遠のき、
過去の想いに雨が降る。
私から流れ去った、
膨大な時間の中の、
言葉で「意味」を捕らえられるものにしか、
人間に「過去」なんて存在しない。
過去なんて、所詮はただの水溜り。
晴れてくれば、蒸発してしまうもの。
動画にさえ撮られることのない、
飛び飛びで、ほんの短い場面記憶。
私を取り囲み、
私をずぶ濡れにした時間は、
大量に散った花びらとともに渦を巻き、
あっけもなく . . . 本文を読む
日曜日の朝、目覚めると、
眠たげな眼差しに雪が舞い降りている。
朝のラジオでは、今晩も降り続けるらしい。
雪は、私の心を幼時に戻す。
雪の降る日、幼稚園児の私は、
教室の窓から雪を眺めていた。
窓ガラスに付着した雪の破片をよく見ると、
六角形だか八角形をした雪の結晶が見えた記憶がある。
園児たちは、お迎えに来る母親を
暖房の効いた部屋で退屈しながら待っていた。
私の親はいつも中々迎えに来なかっ . . . 本文を読む
暗き灰色の空から
忘れていた物語を語るように
次から次へと、雪が降りてくる。
追憶の空‥‥
いつの時代だか判らない。
雪降る何処かの街角で、
外套を着た身なりの良い老人が
路上に行き倒れている。
それは、遠い私の過去世なのか?
どうして、そんな光景が目に浮かぶのか?
老人は、雪の舞う白い世界で息絶えていく。
雪は降り積もり、老人の体も見えなくなってしまう。
これは、私の、自分に . . . 本文を読む
正月二日、晴天。
谷中へ散歩に出る。
正月休みでひっそりとした町。
家々に、道端に、
うららかな陽が射している。
空気は澄んで、程好く冷たい。
JR駅裏の丘を上がると、
富士見坂から真っ白い富士が望めた。
そばの神社に詣でて、干支のお守りを買った。
高台を大通りの方へ下り、
新しく出来た「防災広場」に出た。
子供たちはボール遊びに興じ、
大人は凧揚げをしていた。
私は、広場のベンチに腰掛け . . . 本文を読む
雨上がりの灰色の空の下
剪定され冬枯れた木のてっぺんに
鳥が止まっている
鳥は生存の自然を
自由に過酷に、羽ばたいている
鳥に比して、人間は見苦しい
一羽の鳥のように、生きて死にたいものだ
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畳の上に、襖にまで
昼の陽射しが伸びている。
また12月か…。
それにしても、暖かな午後である。
窓の外では、
赤茶色に染まった柿の葉が
冬の太陽に照らされている。
光を透して明るく灯った葉っぱたち。
木は惜しげもなく、
実を鳥に啄ばまれ、
葉を風に蹴散らされ、
それでも黙って立っている。
樹木は雨風に悩まないのか。
陽射しをあえて喜ぶこともないのか。
何があろうとも、
樹木はゆっくり呼 . . . 本文を読む
影を踏みしめて
夜を歩く
生/死の淡いに
想いが彷徨う
大伯父が未だ危篤中である。
百を超えても脈打ってきた命、
やがて閉じ往く、
命の立派さを寿(ことほ)ぎたい。
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