都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

バイデン大統領の富裕層増税に賛成する、できれば良いが

2021-05-15 02:50:17 | マクロ経済

 給与格差の拡大と経営者の強欲、そして所得の再分配機能の低下は、この40年続いた。

 

 第1段階は、1981年からのレーガノミクス( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9#:~:text=%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9%EF%BC%88%E8%8B%B1%3A%20Reaganomics%EF%BC%89%E3%81%A8,%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%81%AE%E7%B7%8F%E7%A7%B0%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82 )のサプライサイド経済学( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6 )のうち、ラッファー・カーブ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E6%9B%B2%E7%B7%9A#:~:text=%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E6%9B%B2%E7%B7%9A%EF%BC%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%81%8D%E3%82%87%E3%81%8F%E3%81%9B%E3%82%93,%E3%83%AF%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%BA%83%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82 )において、「税率を下げれば、みんな働く気になり、税収は増大する」との駄法螺から、所得再分配である所得税の累進課税税率の低下がなされた。

この後の1985年のプラザ合意( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B6%E5%90%88%E6%84%8F )では円高にすべく公定歩合(金利の大本)を上げたが急激な円高になり、これはいかんと金利を下げに転じるとじゃぶじゃぶ低利資金でバブルになった( https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ha/bubble_e.html )という歴史がある。

 

第2段階は、バブル崩壊後の日本金融を食い物にしたデリバティブで荒稼ぎの金融を舞台にCEOや役員の給与増額が起こった。さらに、ストック・オプションというキャピタル・ゲイン課税は20%と課税逃れ給与でいよいよ給与格差が開いた。強欲な経営者は自分たちの所得を増やすことに熱心となった。一種のクラブ組織であり、知り合いが入れ替わる仲良しMBA仲間だ。ここで、経営者と社員の格差も広がった。

 

第3段階は法人税の低下で、「タックス・ヘヴンに移転されるよりまし」と値下げ競争になったが、ゼロ・サムに気付いて新たな税制整備になろうとしている。( https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040701172&g=int )政府としても、企業(法人)からとれないなら、個人からになり消費税なども上げざるを得なくなった。賢い個人なら法人化のメリットに気がつく。

 

このような、富裕・役員・法人優遇が続いていたが、バイデン大統領はレーガノミクス以前の水準まで富裕層の所得税とキャピタル・ゲイン課税の増税に向かっている。もし、実現できるなら40年ぶりのまともな経済政策であり喜ばしい。今までできなかったのは、富裕層の利権と票田のためだ。反旗が実現するのを願う。

 さらに言うと、教育格差が根底にあり、金持ち程教育が良いためチャンスも多いという仕組みだ。これは、否定しようがないため所得の再配分による低所得層への奨学金給付などで対応するしかない。でないと、家庭環境での好循環と悪循環の格差と連鎖が拡大してしまう。

 学ぶ楽しさを覚え、成り上がり、這い上がり で何が悪い。なりたい夢を実現するため、富裕層の税金を必要とする層への補助はロールズの原則の第二原理(社会・経済的不平等の許容される条件)にある:

①格差原理:最も恵まれていない者に最大限の恩恵が与えられる場合

②公正な機会均等原理:機会均等のもとで得た職務や地位(による給与と負担)

という根本に戻るのを願う。

 我が国も問題だ。公平で公正な機会均等ではない利権・忖度(空気)の蔓延には飽き飽きする

 コロナ禍が転機となり、企業はバブル崩壊から30年ぶりに変革をやっと行い始めている

 アメリカには起業家が多いが、我が国の若い世代が育つ仕組みが大切だ、寄与したい

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする