ノーベル平和賞に日本被団協 核兵器廃絶訴え
ノーベル平和賞は、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会が受賞することになりました。
核兵器のない世界を実現するための努力と核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきたことが受賞理由となっています。
日本被団協は 被爆者の立場から核兵器廃絶を世界に訴える活動や被爆者の援護を国に求める運動を続けてきました。
東西冷戦のさなか、国連の軍縮特別総会に3回にわたって代表団を派遣し、被爆者が、みずからの体験をもとに「ノーモア・ヒバクシャ」と訴え核兵器の廃絶を迫りました。
また、国連や世界各地で原爆の写真展を開くなど地道な活動を続け、原爆投下から60年となる2005年のノーベル平和賞の授賞式では、ノーベル委員会の委員長が、
日本被団協について「長年、核廃絶に取り組んできた」と敬意を表しました。
核兵器の開発や保有などを法的に禁止する核兵器禁止条約の交渉会議では、日本被団協が中心となっておよそ300万人分の署名を集め採択を後押ししました。
その後はすべての国が条約に参加することを求める「ヒバクシャ国際署名」を続けておよそ1370万人分あまりの署名を国連に提出。
また、核兵器禁止条約は2021年1月に発効し、おととし6月にオーストリアで開かれた初めての締約国会議では、日本被団協から派遣された被爆者が核兵器廃絶への思いを訴えました。
ノルウェー・ノーベル平和委員会は、日本被団協の受賞理由について、核兵器のない世界を実現するための努力と核兵器が2度と使用されてはならないことを証言によって示してきたことが評価され、平和賞の受賞に至ったとしています。