わたちmomoka いつもの朝の散策に 出かけたの
何気なく ふと 上を見たの
なんと わたちを追っかけてくる? 怪獣?
頭に角 しっぽ 口はとんがってるし 怪獣だ! 両手広げて 追っかけてくる
怖いわ それ 逃げろ
そうだ 狸の爺やのとこへ 逃げよう
いそげ 逃げろ 逃げろ 爺やのとこへ
「どうしたいんだい? そんなにあわてて」
「変なものが わたちを追っかけてくるの あそこから」
「どれどれ あれかい あれは 追っかけてこないよ 松の木だよ 黒松だ 昔は りっぱな松の木だったよ なんでも ジイジの友達から新築祝いにもらったやつ だけど 虫には勝てなかった 初めは抵抗して頑張ってたけど とうとう負けて 枯れてしまったんだ 今は英雄のなれの果てさ」
「な~んだ 動けないんだ あわてて 逃げなくても よかったんだ」
「まだ 1本松の木があったんだ 大工の棟梁からもらった赤松 これも太い幹した木で 客人がこの枝の下くぐって 玄関に。 門かぶり(門冠木モンカブキ)の松があった これも相当戦ってはいたが だめで 主人が薬の爆弾やってみたりしてたが 結局だめだった ほれ そこに根元があるだろ」
「松くい虫って 相当手ごわいやつなの? 」
「何年か前まで ヘリコプターで薬剤散布してたが なんでも財源難とかでやめてしもうた それからか 松食い虫が猛威をふるいだしたんだ」
「初めは海岸 海沿いの山から 山手の山 そして庭木の松までも被害にあったんだ」
「それで 山に赤茶けた松が多いんだ 枝も葉も無く たちすくんだ木が!
みんな あれも松くい虫にやられた後なんだね」
「心配せんと もっと遊んでおいで」
「じゃあ また来るね バ~イバイ」