坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

酒井抱一と江戸琳派の全貌

2012年04月05日 | 展覧会
西行の歌に、〈願わくは 花のもとにて春死なむ その如月の望月の頃〉と詠んだ有名な春の歌があります。桜の花と日本人の美意識が結晶した諷詠の心が表わされています。
その桜の季節を待たずして、父が他界しました。桜はまだでしたが、梅の香りに包まれて。天寿を全うした人生でした。

江戸後期に画人として活躍した酒井抱一は、花鳥図をはじめとして日本の自然美のエッセンスを清雅な色彩美で表わしました。生誕250年を記念して、抱一の大回顧展が開催されます。
光琳、宗達に影響を受け、江戸琳派の流れをくむ世界観は、たおやかな線のリズムと余白の生かし方にセンスを感じさせます。
抱一の弟子であった鈴木其一らの作品を含む約130点の展覧となります。

◆酒井抱一と江戸琳派の全貌/4月10日~5月13日/細見美術館(京都市左京区)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿