坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

PLAY/PRAY  あそぶ美術 おもう美術

2011年05月04日 | 展覧会
子供の日を間近にして、家族で楽しもうという展覧会が各地で開催されていますが、本展も幅広い表現の作品群で多様な美術の楽しさを体感できる内容となっています。現代アートの先鋭的な企画展でも知られる豊田市美術館ですが、内外の多様な美術の収蔵品をもとに今の社会状況を照らしています。
・掲載作品は、カーステン・ヘラー「フリスビーハウス」です。彼は遊具的なエッセンスをアートに持ち込みました。
イギリスの現代美術を代表する彫刻家のトニー・クラッグ「スペクトラム」は、拾い集めたプラスチックの断片を床に配置した作品で、物と物の関係性、人工的なものと有機的なものなど現代社会の一断面を浮き彫りにします。最近ではコンピュータを使った形の関係性を構築化した彫刻で、生命の肉体や器官を思わせるイメージへと進展させています。
他に、中原浩大、村上友晴、栗本夏樹、中西夏之、北山善史、工芸の黒田辰秋(敬称略)など多彩な内容となっています。

◆PLAY/PRAY あそぶ美術 おもう美術/開催中~5月29日/豊田市美術館(愛知県)