海人の深深たる海底に向いてー深海の不思議ー

地球上の7割を占める海。海の大半は深海。深海生物、潜水調査船など素晴らしい深海の秘蔵画像を紹介。奇抜・奇妙な姿に驚愕!!

メガマウス 謎の深海ザメ

2012年09月09日 | 日記
謎の深海サメ
 海洋の水深200m以深の深海は太陽の光が届かない世界で我々がまだ知らない大型の生き物が棲んでいる。 今回は体長数メートルもあるのに36年前に新発見された珍しい深海の大型サメ“メガマウス”を紹介したい。

 メガマウスを最初に発見したのは、“米海軍の科学者の眼”である。1976年11月ハワイ・オワフ島沖で水上飛行艇のシーアンカーをテストしていた米海軍のアンダーシーセンターの調査船だ。 アンダーシーセンターは海軍の研究所で、工学系や生物系のいろいろな科学者が所属している。水深165mでシーアンカーに絡んだ4.5mほどの特異な体型をしたサメに興味を持った科学者などが海へ捨てることなく甲板に揚収して船内に保管して港まで持って帰ったことがメガマウス発見となった。 通常の工学系の海洋実験では実験機材に絡んだ生き物は興味がないので甲板に揚げられることもなく、海面で外されてリリースされてしまうのだ。
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 こうして米海軍の科学者が発見したメガマウスは体長数メートルもあるのになぜこれまで発見されなかったのだろうか?大型のサメは目立つので打ち上げられても専門家に通報が届く、まして頭が大きく、軟らかい体型は特異な体型であるからなおさらだ。 
 メガマウスはどこに分布しているのだろうか? 発見されてから36年を経て見つかったメガマウスはたった50匹である。二匹目は8年後にカリフォルニア沖で発見された。 ごく稀にしか発見されないメガマウスは謎の存在であった。しかし、近年メガマウスが相次いて発見され50匹もの発見になった。 ではなぜ近年メガマウスの発見が相次いているのか、深海の環境が変化したのかなど、まだ誰も説明できていない。 その中でも日本周辺で11匹が発見され、世界で一番多く発見されている。 第二位は台湾の10件、フィリピンの10件が並んでいる。第四位はアメリカの5件、第五位はブラジルの2件、メキシコの2件がならぶ。

 日本の11件は世界で4例目(89年1月)になる浜松での発見で、体長4mのオスが日本での最初の発見であった。世界で7例目(94年11月)に博多湾で発見されたのは世界最初のメスだった。それ以降、三重沖、茨城沖、東京湾、2006年5月には相模湾でもメガマウスが発見された。 こうして日本各地で発見されると皆さんがメガマウスの第一発見者になる可能性もある。
これまで50匹の記録からメガマウスの分布は西インド洋をのぞく世界に分布していることになる。

 メガマウスの発見例はまだ少なく生態は不明な点が多い、カリフォルニアで捕獲された個体にデータロガーが付けられ2日間の行動が調べられた。その結果、日没から日の出までは水深15mの浅い水域で活動し、日の出後は水深150mへ移動していた。これは動物プランクトンやクラゲなどの移動と同じ水深であった。 確かにメガマウスは身体は大きくとも動物プランクトンなどを食べているのだ 身体の割に大きな口にはフック状の小さな歯が上下50本ほど並んでいる。そして口の内部が銀色に輝いている。口の前面の歯茎の部分には白いバンドがあって口を開くとさらに目立つようになっている。 この口を大きく開いて動物プランクトンなどを食べているがこの白いバンドの役割は不明で仲間同士の認識に使われているのかも知れない。


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