イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

耐光

2023年06月07日 | イコン
娘のお嫁入りの時に描いたイコンも
UVカットのニスを塗って、
UVカットのアクリル板の入った額縁に入れました。

今はなんでもUVカットにしないと、
太陽光線が強すぎるんですね。

水彩絵具も耐光性の絵具がたくさん販売されています。
絵も保存するのが大変な時代になりました。






皮膚科の先生が、
「日焼け止め、家の中でも塗ってください」と言われて、
面倒くさいなと思いながら、
屋内と屋外の日焼け止めクリームを使い分けています。



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チャリティイコンについて

2023年06月07日 | チャリティイコン
この10年近く、ずっと考えておりましたチャリティイコンの販売を、2023年6月9日(金)夕方にオープンいたします。

なぜ、10年もかかったか?というと、イコンは
「生活の糧にしてはならない」という教えがあり、
「イコンを自分の利益のために売ったり、利用してはいけない」と厳しく言われているからです。

また、イコンという形式、名前を使用して絵画に表すのも
正教会が申し入れをされた画家もいたりして、
私はどう描いて、公開したらいいのか?ずっとわかりませんでした。

私が描く、と言っても、
自分の描きやすい、好きな聖人しか描きませんから、
自分勝手で信仰心など、無いにも等しく、
画家の描きたい欲を満たすだけで、これも「生活の糧みたいなもの」だなと考えていました。

10年前は両親の同時介護をひとりでしており、
介護生活も16年目になります。
介護をしていると絵を描くどころでは全くなくなり、
神父の娘というイコン画家からは、
人吉ハリストス正教会のイコノスタスを手伝っている時に
「年寄りみてないで、さっさとイコン描きなさい」と言われたりしました。
このイコン画家を私はオリエント美術館にイコン教室をするよう紹介しましたが、
岡山の作家たちやギャラリーは
イコン画家夫婦から散々いじめにあってきましたので、
私も2012年には離れています。

父は2015年に亡くなり、現在、91歳の母を在宅介護していますが、
確かに母が家にいると
絵はほとんど描けない状態です。
けれども、私は今でも「年寄りみるのを手放したら、私はイコンどころか、絵が描けなくなるだろう」と思っています。
ですので、母がショートステイに行っているとか、入院しているとかでないと、なかなか描けません。
母を神様にお預けするまで、娘の役目は果たすつもりです。
月に3枚、チャリティイコンを描けたらいい方でしょう。

せっかく、絵が描ける、という能力を何かに使えないかと考えた時、
母方の祖母は日本画家で家のあった日本橋から鎌倉雪の下に通い、
寺崎広業の弟子の稲田吾山に習っていて、鏑木清方にもお世話になりました。
関東大震災後、打ちひしがれる人々のために、
母たち日本画家が、半紙に墨で観音像をたくさん描いて
その白描画の観音像を配ったんだそうです。
祖母の亡くなった後、その観音像を祖母からもらったという方が、半紙を持って母の前に現れたそうです。
このエピソードを聞いて私は育ってますから、絵を描くことが人様の役にも立つ、
私もイコンを描けるなら何かできないかなとずっと考えていました。

そうしましたら
「ロシア正教のイコン」オルガ・メドヴォコヴァ著 黒川知文監修 遠藤ゆかり訳 定価1600+税
ISBN978-4-422-21213-5 という本の58ページに、
アリンピーというロシア人のイコン画家がイコンを売ったお金を三等分する話を読みました。

一部、お読みください。



これならば、よいのではないか?と思いました。
私が描いたイコンがお役に立つならば、描きます。
実質利益の三分の一を必要とされているところに寄付したいと思います。

また、チャリティイコンの販売価格ですが、それも考えていたところ、
柳井原ハリストス正教会で、今は東北にいるイコン学者が
「4人家庭でひとり1枚イコンを持つなら、1枚3万円くらいがいいんじゃないか」と言われました。
私も家庭用イコンならば、そうだと思っています。
大きさや画材価格、金箔の高騰などありますが、一般家庭が買える値段でなければどうしようもありません。
以前、この価格の話をここで書いたところ、フリマでのイコン販売価格が落ちつきました。
とてつもない価格で販売しているのは商売です。
イコンに著作権はなく、万人の絵ですから、イコンで儲けようなどとは信徒ならば、考えられないのです。
もちろん、描くのは誰でも描けます。
いや、絵ではなく「天国の窓だ」と言われるかもしれませんね。
でも、一般の人から見たら絵です。

こんなことを考えていた10年でしたが、私も今年61歳になります。
身体、手が動くうちに、描いて必要な方にお渡ししたいと思います。

なお、このチャリティイコンは、日本正教会や他国の正教会とは一切関係なく、
私個人が考えた私個人のプロジェクトです。
チャリティイコンという名前も正教会から申し入れがあるかもしれませんが、
アンネームでは万人は理解できませんので、
私の造語をどうぞお許しください。

また、こういう宗教画を描くと、うっとりして、
霊的、スピリチュアル、奇跡、運命云々と関連づけて言われる方々がいますが、
全く何もありません。
60歳の初老のおばちゃんが描いた、ただの絵です。
私の描く絵は全く何の効果もございません。
そこのところをお間違いなく‼️

お祈りに使う場合は、神父様にお願いして聖成してもらってください。
牧師様や御住職も私の描いたイコンをお祈りくださったと聞いています。

なお、イコンのリクエスト、注文、展示オファー、一切受けつけません。
「イコンを生活の糧にしてはならない」
今まで書きましたように、イコンを儲けに使うことはできないんです。
儲けに使ったら、私は絵が描けなくなるだろうと、わかります。
霊感などではなく、経験からわかります。

なぜ、6月9日オープン、公開かというと、
チャリティイコンをしなさいと言ってくれていた父の命日なんです。
私の絵を描く能力が、イコンを必要な方のお役に立つことを喜んでくれると思います。

必要な方の手に渡りますよう、神様にお祈りします。




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