ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

ゴーリキー公園・子供南小鉄道・ロープウェー

2009-08-10 00:00:00 | ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅
 自由広場からスタートして、スームスカヤ通り沿いを20分程北上すると、左手に大きな森林公園が見えてきます。ゴーリキー公園(Центральный парк культуры и отдыха им. Горького;略称Парк Горького)です。
 学生達がパリのブローニュの森を参考に、1894年に造られました。市中心にあるシェフチェンコ庭園(前出)と比べて、人が少なく静かです。森林浴がタップリ出来ます。

 公園の中をスームスカヤ通り沿いに歩くと、鉄道と小さな駅舎が見えてきます。子供南小鉄道(Детская малая южная железная дорога)と呼ばれています。
 1940年に造られ、鉄道職員を志す少年少女たちの実習の場となっています(勿論大人の職員も働いています)。鉄道の長さは3.6km。5月1日から10月31日まで運行しています。
 駅はパルク駅(ゴーリキー公園入口のこと)、メモリアル駅(大祖国戦争時犠牲者のモニュメントのこと)、レソパルク駅のたった3つ。なんだかカワイイ鉄道です。パルク駅を出発し、10分でレソパルク駅に到着します。10分休憩後、再びパルク駅に戻ってきます。よって所要時間は30分。
 ただ残念なことに、筆者が訪れたときは運休日でした。残念。

 パルク駅に近いところにロープウェー乗り場があります。1971年建設。森深いゴーリキー公園の上をゆ~っくり20分間滑り、1.4km先のオタカラ・ヤロシャ通りに到着します。ハリコフ市街の素晴らしい眺めを一望できます。


ゴーリキー公園
[交通]5番のトランバイか40番のトロリーバスでПарк горького下車徒歩すぐ。
※徒歩でのんびりもいいぞ。

子供南小鉄道
[営業]土日祝運行(5月1日~6月30日,9月1日~10月31日)、月火を除く毎日(7月1日~8月31日)
   10:30/11:10/11:50/13:00(7・8月は運休)/13:40/14:20/15:00/15:40/16:20(7・8月は運休)
[料金]ハード席とソフト席から選べます。ソフト席は若干高い。
   *ハード席*
   大人 片道1.0グリヴナ 往復2.0グリヴナ
   子供 片道0.5グリヴナ 往復1.0グリヴナ

   *ソフト席*
   大人 片道1.5グリヴナ 往復3.0グリヴナ
   子供 片道0.75グリヴナ 往復1.5グリヴナ

参考までに、ウクライナの国民の祝日は、1月1日(元日)、1月7日(クリスマス)、3月8日(女性の日)、(復活の日)、(トゥロイツァの日)、5月1日&2日(メーデー)、5月9日(戦勝記念日)、6月28日(憲法記念日)、8月24日(独立記念日)

ロープウェー
[営業]10:00~20:00
[料金]片道10グリヴナ。


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ミニチュア展(学者の家)

2009-08-09 06:00:00 | ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅
 ハリコフ美術館の向かい側に、学者の家があります。
 日頃は集会の場になっていますが、筆者が訪れた日には、展示会が幾つか開催されていました。そのうち最も興味を引いたミニチュア展に入ってみました。

 ミニチュア展、正しくは「В・カザリャンの世界最小作品傑作展」。カザリャン(Владимир Эдуардович Казарян)は、モスクワ生まれのアルメニア人。アルメニア人と聞くとなんとなく豪快なイメージがあるのですが、彼はミクロ世界に専心し世界的に有名なミニチュア創作家です。

 たった25年の創作活動で300点以上ものミニチュア作品を独学で創作し、自身の個展「軌跡の世界」で幾度も成功を収めた、神業を持つ匠です。

 いろいろ語っても感じがつかめないと思いますので、上の写真をざっとご覧ください。どれも驚きの作品ばかり。作品前にセットしてあるルーペでご覧戴けます。

 緑琥珀に金で刻まれた模様、素晴らしいですね。金線はなんと、人の毛髪の太さの100分の1の太さです。

 ひとこぶらくだが5頭歩いている作品がありますが、これは縫い針の穴の中で作られています。

 素敵な真紅のバラの花束。これ、成人男性の親指の爪くらいの大きさなんです。

 人の毛髪の先に立っているノミの作品まであります。

 米粒だってカンバスに。油絵で故ダイアナ妃、チャップリン、ダヴィンチなどが実に繊細に描かれています。

 マッチの軸に砂糖粒を埋め込み、そこに歴史的建造物を描いた作品もあります。

 この展示会は今年末まで学者の家で公開されています。

 逃した方。多分モスクワやサンクトなどで展示会が開かれると思います。しばしばあちこちでされている展示会なのでガッカリしないで。



[所在地]ул.Совнаркомовская, 10
[電話]706-3839
[営業時間]09:00-19:00
[交通]地下鉄Архiтектора Бекетова(露:Архитектора Бекетова)下車徒歩2分
[料金]20グリヴナ。撮影不可。

世界性文化博物館

2009-08-08 00:00:00 | ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅
 ウクライナ随一の世界性文化博物館を訪れました。
 ハリコフ医学アカデミーの性医学・精神医学主任であり、医学博士でもあった、故ヴァレンティン・クリシュタリ教授の力強いイニシアチブで、1999年に創設されました。なんと今年で10周年です。
 教授曰く、
   「パートナー同士で分かち合う性の文化や認識の低さが、
        離婚や家族との諍い、プライベートライフの不和、
            ひいては心身病の因となっていることは、珍しくない。」

意識知識向上のために創設されたんですね。なるほど

 館内には、9フロアに数百点もの絵画やデッサン、骨董品、彫刻、イラスト、写真など、様々な時代や地域の芸術品が展示されています。
 うち7フロアには、諸外国からもたらされた性芸術品が展示されています。その諸外国とは、アフリカ、ギリシャ、エジプト、ヨーロッパ、インド、中国、そして日本もあります。
 心身の変化が著しく多感な日々を過ごす青少年のために、性行動の疑問を解剖学、生理学、精神学、そして医学の見地から回答するフロアもあります。
 残りの1フロアには、サドマゾヒズム他に代表される偏重した性行動を反映した展示があります。
 ※あと、売店もあり。

 筆者が訪れた日は、10名前後のツアー客が訪れて、黒いナイトドレスみたいな服を着た女性館長(?)のユーモアを交えた詳しい説明に聞き入っていました。この博物館は16歳から入場可能ですが、年配者も多く入場していました。個人で見学も可能、数人集まればガイドしてくれます(1~1.5時間くらい)。

 なぜ、
 古代ギリシャでは官能が神聖な段階にまで高められたのに、
 中世では官能が罪深いものだと見做されたのか。

 なぜ戦時、
 古代ギリシャ人は妻に大理石製の裸像を残し、
 十字軍は妻に金属製の貞操帯をつけさせたのか。

 なぜ、
 プラトンとアリストテレスは官能の世界に耽溺したのに、
 昨今の哲学者はこれに興味を示さないのか。


 答えはみな、この博物館で知ることが出来ます。

***

 日本人の多くは、ウクライナにある秘法館だ、と想像すると思います。
 筆者は行ったことないので詳しく比較できませんが、この記事を書くために公式HPは一応見てきました。

 日本が誇る秘法館は、感じからして、娯楽テイストが強そうですね。勿論学べるのでしょうが、アミューズメントパークのような気がします。

 ハリコフの性文化博物館の方は、ガッツリ学ぶ目的で作られているため、各展示の説明文(ロシア語)がやたら多く長いです。すべてを読んで理解しようとしたら、開館から閉館まで見学する必要があるのではないか?と思わせるくらいです。正に「博物館」です。

 なので、秘法館と同じなんだ~、みたいなノリで行くと少々ガッカリするかもしれません。(読むのがキツイ方は、展示物だけ見て行くのがいいです。)

 残念ながらクリシュタリ教授は昨年亡くなりましたが、もし日本の秘法館を見たら、腰抜かしていたかもしれませんね。


[所在地]ул.Мироносицкая, 81а
[電話]700-5002, 715-6315
[営業時間]11:00-19:00
[交通]地下鉄Унiверситет(露:Университет)下車徒歩10分
[料金]15グリヴナ。撮影不可・・・・(見つかったら罰金100グリヴナ)。

オーロラ写真展@埼玉浦和のお知らせ

2009-08-06 00:00:00 | オーロラ
旅行記の途中ですが、ここでムルマンスクパーソナルインフォからお知らせです。

関東で「オーロラ写真展」を開催することになりました。
ムルマンスクの冬の美しさと、幻想的なオーロラに抱かれましょう♪

また初日の14時~16時に、関東地区第1回「オーロラツアー説明会」を開催。
奮ってご参加ください!


日時:2009年10月18日(日)~21日(水)9時~21時半 (※21日は17時まで)
場所:浦和パルコ9階「コムナーレ(さいたま市民活動サポートセンター)」オープンスペース
アクセス:JR線浦和駅東口すぐ
入場:無料
お問合せ:日本ユーラシア協会浦和支部/ムルマンスクパーソナルインフォ

詳細は、ムルマンスク情報サイト「アリョーシャ」をご覧ください。


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セラミックタイルとサニタリー技術博物館

2009-08-05 00:00:00 | ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅
ハリコフは工業都市として有名です。特に19世紀から窯業が盛んで、美しい陶器を国内外に送っていました。

マスコーフスキー大通り沿いにある、セラミックタイルとサニタリー技術博物館(Музей керамической плитки и сантехники)は、セラミックプレートサロンと呼ばれる陶器専門デパートの中にあります。

ここではトイレ、バスタブ、タイルなどの歴史を辿ることができます。デザインや染色技術の変遷も窺い知ることができます。
アンティークなデザインの流し台やトイレなど、一見の価値あり。

あと、もとはセラミックタイルデパートなので、美しいタイルをお土産に買うのはいかが?

[所在地]пр.Московский, 257
[電話]719-9777
[営業時間]9:00-20:00
[交通]地下鉄Маршала Жукова(露:同左)下車徒歩5分
[料金]無料(撮影もOK)


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ホロコースト博物館

2009-08-02 00:00:00 | ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅
ホロコーストと言えば、ドイツ国内で起きたナチス独裁政権によるユダヤ人大殺害のことだ、と連想する方が多いと思います。

実は、この未曾有の悲劇が起きたのはドイツ国内だけではありません。
世界史を学習した方はお分かりでしょうが、ポーランドを始めとした東欧諸国や、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、バルト3国など、被害は多国に及んでいます。

また種類もユダヤ人だけでなく、抗ったりかくまった者、知的障害者、精神病患者、同性愛者、黒人、宗教家、反ナチス活動家など様々な人が酷い死を遂げました。

ハリコフにあるホロコースト博物館は、ウクライナ唯一のホロコーストのみを扱った博物館です。

ハリコフは、ホロコーストの被害が多かった場所でした。
被害が多かった場所は他にキエフ(バビ・ヤール渓谷が有名)とかリヴィウとかたくさんありましたが、モニュメントがあるのみ。おそらく「歴史博物館」の中の1フロアに展示されているのかもしれません。

この博物館はユダヤ系ウクライナ人ラリーサ・ヴォロヴィク女史により、1996年に創設されました。6~8畳くらいの小さな展示フロアと、事務エリア(もっと小さい)に分かれています。撮影厳禁。創設者であるヴォロヴィク女史が1時間案内します。

展示フロアには、ホロコーストで亡くなった人民の遺影、ユダヤ人を護り通した「プラベードニク」とよばれる勇敢な人たちの写真などがあります。

住民台帳などもありました。ユダヤ人は黄色の、そうでない人は白色の台帳に記帳させられ、管理されていたようです。黄色の住民台帳がそのまま「デスノート」になろうとは・・・・・・。ほんの1,2年の間に、その台帳から数千人というユダヤ人が抹消され亡くなりました。

ゲットーと呼ばれる収容所もハリコフにありました。
有刺鉄線で張り巡らされた領域内に、厩舎のようなゲットーが整然と建てられていて、領域の片隅には大きな穴が掘られていました。穴の方を向かせ穴淵に立たせ射殺し、焼殺したそうです。そのジオラマは展示室に置かれています。

ゲットーは既に取り壊されて存在しませんが、東方向にпр. Московский(マスコフスキー大通り)を歩いて、オクルジュナヤ自動車道(Окружная дорога)を越えると、すぐ左手にあったようです。そこはドゥロビツキー・ヤールДробицкий Ярと呼ばれています。
※衛星から見た場所

現在そこには惨事を忍び後世に伝えるために、メノーラ(燭台の意)を表すモニュメントなどが建てられています。


ホロコースト博物館
[所在地]ул. Петровского 28, 2 этаж
[電話]700-4990, 714-0959
[営業時間]9:00-16:00(土日祝休)
[交通]地下鉄Пушкiнська(露:Пушкинская)下車徒歩10分
[料金]無料。撮影不可


ドゥロビツキー・ヤール
[交通]地下鉄Пролетарська(露:Пролетарская)から、トロリーバス46番・アフトバス276э番・マルシュルートカ276э番で
「ヴェリカ・キリツェーヴァ通り(Велика Кільцева вл. (露:Большая Кольцевая ул.))」下車5~10分
[料金]無料。撮影可


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