
チョッパーが向かったシャンドラの”遺跡の上”を目指す者が、他にもいた。
シャンドラの戦士達だ。
あの蔓の上に「神の社」があり、敵であるエネルがいる。
戦士カマキリも「神の社」へ神・エネルの首をはねる為に向かっていたが、突然落雷と共に目の前にエネルが現れた。

エネルは、挑発的に言った。
「ヤハハハハ、私を殺したいのだろう?やるがいい、私は5分間ここにじっとしていよう。
煮るなり、焼くなり、好きにしてみろ。"神"の存在をお前は知るだろう」
5分後、エネルが居眠りから目を覚ますと、戦士カマキリは自分の頭に槍を突き刺していた。
だが、攻撃を受ける側のエネルが平然としているのに比べ、カマキリは全身を震わせて息も絶え絶えだった。

エミルを貫く槍を通して、カマキリは感電していたのだ。
カマキリはエネルに「おれは・・・・お前に・・・勝てないのか・・・!!?」と聞いた。
エネルはさも当然といった口調で「ああ、そうだとも。おれは"雷"だ。どうあがけば"人間"が"雷"に勝てるというのだ。
人は古来より理解できぬ恐怖を全て"神"とおきかえ、怖さから逃げてきた。
もはや勝てぬと全人類が諦めた"天災"そのものが私なのだ。」といい放つ。
だが、カマキリは諦めない。剣を【燃焼剣(バーンブレード)】に変えて、エネルの体を真っ二つに斬ると、全速力で逃げた。

逃げたというより、伝えようとしたのだ。
自分の命と引き換えに「排撃貝リジェクト」を撃ってエネルと刺し違えるつもりのワイパーに、「排撃貝」はエネルに効かない、無駄死にであることを、なんとしても伝えようとしたのだ。
だが、エネルはカマキリを逃がさない。ゆっくりとその斬られた体を元に戻すと、瞬間移動でカマキリの前に立ちはだかった。
もう駄目だと悟ったカマキリは、最後の力を振り絞って大きな声で叫んだ。
「逃げろ!!!!ワイパー!!!!」
だが、その声を掻き消すように、エネルの【100万ボルト・放電(ヴァーリー)】が炸裂した。

カマキリの体は真っ黒に焦げて、まるでゴミのように地面に落ちていった。
エネルの放った電気は雲川(ミルキーロード)を伝って、川沿いの人々を次々と感電させていった。
ミルキーウェイ上にて、木造のメリー号の上にいたナミ達は、その強烈な電気を感じることはなかった。
ガン・フォールとピエールが、エネルから神兵達を守る為に飛び立ってしまい、残されたナミは感電して気絶したサンジとウソップの対応に苦慮していた。
そこへメリー号を追いかけて飛び込んできたのは、怪しいヤンキー仕様の船に乗ったコニスとその父パガヤだった。

コニスとパガヤは、ルフィ達を空の国から逃がそうと後を追ってくる途中に、アイサという名のシャンドラの少女が遭難しているところに出くわし、その派手な船に乗せていた。
その少女は、遠くからでも人々の声を聞くことが出来る不思議な能力を持っていた。
アイサはガタガタと震えながら、「人々の声が次々と消えていく・・・」と言って泣いていた。

ナミは、空島からの逃げ道を案内してくれると言ったコニス達の申し出を断り、仲間達を迎えに”約束の場”へ向かうことを告げた。
コニスの父パガヤは、ナミが青海から持ってきた数百年前のウェイバーを修理した物を渡した。
これには、数百年前に絶滅した「噴風貝(ジェットダイアル)」が搭載されていたため、現在のウェイパーとは段違いのスピードを出すことが出来た。ナミは、その驚異的な出力の古代ウェイバーをすぐに乗りこなしてみせた。
「あの4人が揃っていれば敵もないわよ」という強気なナミの発言に、アイサは「4人組みなんていないよ」と告げて、また泣いた。
アイサの仲間を心配する気持ちは、ナミにも痛いほどわかった。
ナミもまた、仲間が心配だったから。
神の島81人で始めたサバイバルは、2時間経過時点で、脱落者56名を出していた。
アイサは、瞬く間に56人の声が途絶えたことを感知して、恐怖していたのだ。
神の軍団残り13人。
シャンディア残り7人。
麦わらの一味、残り5人、
戦闘可能総数25人。
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