ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

585話 兄弟盃   (ルフィの兄弟-4)

2017年02月15日 | 頂上戦争編



ルフィ達の住むこの国の名は「ゴア王国」
ゴミ一つなく”東の海(イーストブルー)”で最も美しい国だと言われている。要らぬ物を綺麗に排除したこの国は、「隔離社会」の成功例ともいえる。



ルフィが幼少期育った「フーシャ村」は半ば忘れられた様にこの国に属している、海沿いの離れた村であった。


エース、サボ、ルフィの住む「コルボ山」の過酷な自然環境、並み居る猛獣は彼らを日々強くした。


その山の北にあるのが、「不確かな物の終着点(グレイ・ターミナル)」、通称「ゴミ山」で、その北にある町とは、強固な石壁で隔てられ、「大門」と呼ばれる門が唯一の通路がある。
一日に二度、国中から集まった大量のゴミが「大門」を通ってゴミ山に運ばれると、ゴミ山に住む人々はゴミをあさって、食べ物や物資を探すのだった。




ゴミ山の人々は時々町へ行き、再生物資を売って僅かな金を手にして暮らしている。
「大門」をくぐると通行人を見渡せる広い歩道が広がり、まだ少し悪臭漂う「端町」へと出る。
「端町」は町の不良やチンピラが屯する場所で、キレイとは言い切れない。



さらに中心へ向かうと小奇麗な「中心街」があり、更にその中心にまた高い石壁がそびえ、中心地には「王族」と「貴族」が暮らす「高町」がある。



ゴミ山の人々は、町に住もうとは思わなかった。酷く惨めな想いなど、誰もしたくないものだ。




エース、サボ、ルフィの3人は時折町へ出ては、その卓越した運動能力で無銭飲食などの悪事を働き、その悪名を街に轟かせていた。そんなある日、中心街でサボはある男性に呼び止められる。「サボ!?お前生きていたのか!!家に帰るんだ!!」


ゴミ山に帰ったエースとルフィは、サボにその事について白状させた。
サボは、実は「高町」に住む貴族の家の子で、呼び止めたのは貴族の父親だった。

高町での暮らしは、サボには思い出したくもない、虫唾の走るような差別主義者達との日々だった。
「あいつらが好きなのは「地位」と「財産」を守っていく誰かであって、おれじゃない!王族の女と結婚出来なきゃクズ。その為に毎日勉強と習い事、出来の悪いおれはあの家にジャマなんだ。お前らには悪いけど、おれは親がいても”一人”だった。
貴族のヤツラはゴミ山を蔑むけど・・・あの、息が詰まりそうな『高町』で決められた人生を送るよりいい・・・・。」


サボは「高町」の記憶をふるい落とすように、立ち上がって言った。
「エース、ルフィ!!おれ達は必ず海へ出よう!!この国を飛び出して、自由になろう!!!
広い世界を見ておれは、それ伝える本を書きたい!!航海の勉強なら苦じゃないんだ!!もっと強くなって、海賊になろう!!!」




エースは「ひひ!」と笑って「そんなもん、お前に言われなくてもなるさ!!おれは海賊になって勝って勝って勝ちまくって、最高の”名声”を手に入れる!!それだけがおれの生きた証になる!!!
世界中の奴らが、おれの存在を認めなくても、どれ程嫌われても!!!”大海賊”になって見返してやんのさ!!!おれは誰からも逃げねェ!!!誰にも敗けねェ!!!恐怖でも何でもいい!!おれの名を世界に知らしめてやるんだ!!!」
と宣言した。



二人の宣言を聞いたルフィも、負けじと宣言した。
「ししし!!よーし、おれはなァ!!!-------------!!!」
ルフィの宣言に二人に「は??」とポカーンとしたが、サボは「面白ェな!おれはお前の未来が楽しみだ!!」と大笑いした。





エースはダダンの家から盗んできた酒と盃を取り出して言った。
「お前ら知ってるか?盃を交わすと”兄弟”になれるんだ。海賊になる時、同じ船の仲間にはなれねェかも知れねェけど、おれ達3人の絆は”兄弟”としてつなぐ!!どこで何をやろうと、この絆は切れねェ!!!これでおれ達は今日から兄弟だ!!」



それぞれの生い立ちを抱え、孤独に育った3人の少年は、自分の手で兄弟を得た日だった。
親がいなくとも、世界中の人から忌み嫌われても、兄弟がいれば心は強くなれた。助け合って強く生きていくことが出来、そんな毎日が幸せだと思えた。



だが3人は、決して3人だけで育ったわけではなかった。風呂や食事はダダンの家の世話になっていたし、「どくりく」してからも、ダダン山賊団の者達はこっそりと3人の様子を心配、見守ってやっていた。


フーシャ村からは時折マキノさんや村長が3人の様子を見に来ては、大きくなっていく3人に服を買い与えた。
ガープも仕事の合間に3人の様子を見に来ては、コテンパンに3人をぶち負かして帰るのだった。






3人は、そんな毎日がずっと続くと思っていた。









ルフィの将来の夢は、ここでは明記されていません。
ただ、エースとサボがポカンとしたり、サボが「面白い」と大笑いするような発言だったという事がわかるだけ。

これは、赤髪のシャンクスが、レイリーに会った時、「東の海でロジャー船長と同じことを言う少年に出会い、その子の未来に左腕を賭けてきた」と話すが、その内容が明記されなかった事に似ていると思います。

いつも口にしているルフィの「海賊王になる!」ならば、わざわざ伏せることもないかなと思うのと、ロジャーが「海賊王になる!」と言っていたとは思えないので、ここには何か重要なセリフが入ってくるのでは、と思います。
そのルフィの「夢」こそが、「ワンピース」の鍵となるのかな、と期待します。



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