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ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

506話 ロジャーとレイリー   (シャボンディ諸島-11)

2016年11月26日 | 頂上戦争編




キッドとローが、「バーソロミュー・くま」に足止めされている頃、”麦わらの一味”は、トビウオライダーズのおかげで無事にシャッキーさんの店に辿り着くことが出来た。

途中でケイミーを捕まえた「ハウンドペッツ」のアジトに立ち寄って、人浚いのピーターマンをぼこぼこにし、ケイミーのリュックを回収してくれるというサービス付きだった。
さらに「ホント気軽に呼んでくれよ!!!若旦那達が無事魚人島へ出航できる時まで、おれ達が手足となるからよ!!」と言ってくれた。もう、ケイミーを浚おうとしていた頃のデュバルとは別人のようであったし、実際チーム名も「人生バラ色ライダーズ」に変更されていた。


シャッキーの店で、ルフィ達はド肝を抜かす事実を知る。
ハチの友人だというじいさんが、あの海賊王の船に乗っていて、しかも副船長を務めたのだと言うから、これが驚かないわけがない。『天竜人』を知らなかったルフィ達でも、その名レイリーは、海賊王の伝説と共に何度も耳にしてきた偉大な名であった。






レイリーよりも年上のブルックだけは「ゴールド・ロジャー・・そういうルーキーが昔いた様な、いなかった様な?」と次元が違っていた。


海賊王の右腕と呼ばれた男に聞きたいことは、山ほどあった。
「どうしてハチと友達なのか」という質問には、20年以上前にレイリーが海で遭難していたところをまだ子どもだったハチが助けてくれた縁があり、レイリーにとってハチは”命の恩人”なのだそうだ。
ハチが『タイヨウの海賊団』に入るまでは仲良くしていたらしい。


質問は核心に近付く。
「ゴールド・ロジャーは22年前に処刑されたのに、副船長のアンタが打ち首にならなかったのは何故なのか」という質問には、
世界の誰も知らない衝撃の事実があった。

「捕まったのではない・・・、ロジャーは自首したのだ」
世界政府は、力の誇示の為に捕まえたと公表したが、ロジャーは世界政府に捕まるような男ではなかったのだ。




「公開処刑の日から4年ほど前に、ロジャーは不治の病にかかり、旅に限界が見えたからだ。
当時、海で一番評判の高かった、灯台守でもある医師、双子岬のクロッカスだけが、ロジャーの苦しみを和らげる腕を持っていて、頼み込んで”最後の航海”に船医として付き添って貰い、ついに3年後、ロジャーの命を取り留めつつ、不可能といわれた”グランドライン”制覇を成し遂げたのだ。」


その話の中に出てくる双子岬のクロッカスさんの名前に、一味は反応した。
特にブルックは、3ヶ月共に凄し、自分のかわいいクジラを託した人である。
するとレイリーは「彼はクジラを可愛がっていて、何やら探したい海賊団がいると言って、乗船を承諾してくれたのだが。
あいつはたった3年のクルーだったが、紛れもなく我々の仲間だ!!!この歳になると・・・また会いたいもんだな」
とクロッカスさんを懐かしんだ。
ブルックは、クロッカスさんがそんな事までしてくれていた事を知って、また涙した。




サンジが聞く。 「で、海を制覇した後は?」
「ロジャーは世間から”海賊王”と呼ばれるようになった・・・、何もずっと海賊王だったわけじゃない。
死にゆく男に称号など何の意味もない、だがロジャーは喜んでいたな・・。何事もハデにやらかすのが大好きな男でね・・・、宴もそう、戦いもそう・・・己の先のない未来にも一計を案じ、楽しんでいるように見えた。
やがて『船長命令』によりロジャー海賊団は人知れず解散し、共に命を賭けた仲間は今やどこで何をしているかほとんどわからない。

解散から1年が過ぎた頃、ロジャーが自首し、アイツの生まれた町”東の海”のローグタウンで公開処刑が発表された。
”あの日”の広場には、今、海で名を挙げている海賊達の若き日のそうそうたる顔ぶれが並んでいたと聞く・・・。
海賊王の処刑に、世界中が注目していた。

私は行かなかったよ。あいつの言った最後の言葉はこうだ・・・
『おれは死なねェぜ・・・?相棒・・』

世界政府も海軍も驚いたろう・・・、他の海賊達への”見せしめ”の為の公開処刑の場が、ロジャーの死に際のたった一言で
『大海賊時代』の幕開けの式典へと一変したのだからな・・・!!
『おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ・・・探してみろ、この世の全てをそこに置いてきた』

残り数秒僅かに灯った”命の火”を、奴は世界に燃え広がる”業火”に変えた。
あの日ほど笑った夜のない・・・!!あの日ほど泣いた夜も・・・酒を飲んだ夜もない・・・!!
我が船長ながら・・・見事な人生だった・・・・・・!!」







一同は、歴史の真相を当事者の口から聞く凄みに息を呑んで黙ってその話に聞き入っていた。ルフィだけは相変らず冷蔵庫の中の食糧をがっついて飲み込みながら聞いていた。

ウソップが「じゃあ・・・まるでこの海賊時代は意図してロジャーが作ったみてェだな」と漏らすと、レイリーは「・・・・そこは”まだ”・・・答えかねる。ロジャーは死んだのだ。今の時代を作れるのは今を生きてる人間だけだよ・・・!!」と美味そうに酒を喉に流しいれた。





「あの日、広場でロジャーから何かを受け取った者達が確かにいるとは思うがね・・・、キミのよく知るシャンクスものそ一人だろう。”東の海”ならバギーという海賊も知らんか?」と食べまくっていたルフィに話しかけた。
「アレは二人共ウチの船で見習いをやっていた」と聞いてやっと、ルフィは食べるのを止めた。
ルフィは、シャンクスが海賊王の船に居たことは知らなかったし、バギーがそんな男だとも思いもしなかった。

「10年程前、この島でばったり会ってな、トレードマークの麦わら帽子と・・・左腕が失くなってた。理由を聞くと嬉しそうにキミの事を話すんだ・・・!!
『レイリーさん、おれァ本当に驚いたよ!!!”東の海”にロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ・・・!!船長の”あの言葉”を・・・!!!』
シャンクスがキミに話していない事まで、私が喋るわけにはいかんのでな・・・とにかくここまで辿り着いた!!
”新世界”であいつはキミを待ちわびているだろう」




シャンクスがルフィを待っているという言葉に、ルフィの表情が明るくなった。




それではコーティングの依頼を果たすとしよう、と立ち上がったレイリーに、ロビンが思いつめた顔で聞いた。
「レイリーさん・・・”Dの意志”って・・・一体何?空島で見た『歴史の本文(ポーネグリフ)』に、古代文字を使ってロジャーの名が刻まれていた。彼はなぜあの文字を操れたの?
・・・あなた達は900年前に始まる”空白の100年”に、世界に何が起きたのかを知ってるの!?」




その質問を、ロビンの想いを、レイリーはゆっくりと受け止めた。
「・・・・ああ知っている。我々は歴史の全てを知った・・・。だがお嬢さん、慌ててはいけない。
キミ達の船で、一歩ずつ進みなさい。我々もまた・・・オハラもまた・・・少々急ぎすぎたのかも知れん・・・。
キミ達に今ここで・・・・歴史の全てを私が話しても、今のキミらには・・何もできやしない!!
・・・ゆっくりと世界を見渡して、その後に導き出す答えが、我々と同じとも限らない。
それでも聞きたいと言うのならば、この世界の全てを今、話そう」








ロビンは心臓がドクドクと脈打つのを自覚した。
オハラの皆が探して、探して、命を賭けた歴史の真実を知る者が今、目の前にいる・・・・。
ロビンは、深く呼吸をしてから答えた。 「いいえ、やめておくわ。旅を続ける」

その答を聞いてレイリーは、話の続きを口にした。
「いずれ全てが見えて来る・・・。キミの故郷”オハラ”の事は気の毒だったな・・・。だがロジャーはあの文字を解読できたわけじゃない。我々は海賊・・・、天才クローバーやオハラの学者の頭脳に敵うハズがない。
”あいつ”はな、”万物”の声を聞けた・・・、それだけの事・・・」





ウソップは、自分ならその「答え」をすぐに聞き出すのにと思いつつ、レイリーに直球で質問した。
「おっさん、1こだけ聞きてェんだけど、『ワンピース』ってのは本当に最後の島に・・・」と言いかけて、ルフィが大慌てでそれを遮った。

「宝がどこにあるかなんて聞きたくねェ!!!宝がないかだって聞きたくねェ!!何もわかんないけど、みんなそうやって命がけで海へ出てんだよっ!!!!
ここでおっさんに何か教えて貰うんなら、おれは海賊をやめる。つまらねェ冒険なら、おれはしねェ!!!!」





レイリーはルフィに聞いた。
「やれるか、キミに。グランドラインはまだまだキミらの想像を遥に凌ぐぞ!!敵も強い。キミに強固な海を支配できるか!?」
ルフィはまたいつもの調子で平然と答えた。
「支配なんてしねェよ。この海で一番自由な奴が、海賊王だ!!!」



この答えに、レイリーは感慨深そうに「そうか・・・」とだけ答えて、その口元に笑みをこぼした。シャッキーはルフィの回答に笑いながら、「やっぱり私モンキーちゃんのファンだわ」と笑った。



恐らく、シャンクスがルフィの為に片腕を落としても惜しくないと感じたのも、ルフィのそういう所なのだろう。



レイリーは、船のコーティングが完了するまでの3日後の再会の為、1枚残る自分のビブルカードを千切って一味にそれぞれ手渡すと、「3日後の夕刻、ビブルカードの指し示す先でコーティングを済ませてキミ達を待っている」と言って出て行った。


フランキーは一言も発しなかったが、彼がトムさんが造った『オーロ・ジャクソン号』のクルーで、トムさんが命を賭けて誇った海賊なのかと思うと、胸が熱く詰まるようななんとも言えない感慨深い心境だった。
トムさんの気持ちが今ならわかる。
フランキーは「会えてよかった・・・!!」とだけつぶやいて思いを新たにした。



シャッキーの店を出た一味に、「相手は『大将』だ。誰か死なねェようにしねェとな!」と笑って遊園地に行くことを提案したルフィだったが、その時に、この3日に起きることを想像にも出来ていなかった。
「大将」の恐ろしさを、本当の意味ではまだわかってはいなかったのだ。









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