ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

589話 風雲の志  (ルフィの兄弟-8)

2017年02月19日 | 頂上戦争編




親友で兄弟のサボとの別れをつけたエースと違って、ルフィはいつまでもメソメソと泣いて、サボの死を受け入れられないでいた。エースは、サボから託された「弟をよろしく頼む」をすべき事として自分を奮い立たせられたのかもしれない。


海を見渡せる崖の上で落ち込んで泣くルフィに、エースはゲンコツを一つ食らわせると「いつまでそうやってるつもりだよ。」と次に向かって言った。


ルフィは泣きながら「エース・・・おれはもっと強くなりたい!!!もっともっともっともっともっともっと・・・・もっともっと!!強くなって!!!そしたら何でも守れる、誰もいなくならなくて済む・・・!!!
お願いだからよ・・・、エースは死なないでくれよ・・・!!!」
と震えて泣いた。



エースはルフィの頭にゲンコツを食らわせると、はっきりと言い切った。
「バカ言ってんじゃねェよ!!!おれの前にてめェの心配しやがれ!!!いいか覚えておけルフィ!!!おれは死なねェ!!!サボからも頼まれてんだ・・・約束だ!おれは絶対に死なねェ!!お前みたいな弱虫の弟を残して死ねるか!」



「おれは頭が悪いから、サボが何に殺されたのかわからねェ。でもきっと、”自由”とは反対の何かだ!!自由を掴めずにサボは死んだけど、サボと盃を交わしたおれ達が生きてる!!!
だからいいかルフィ、おれ達は絶対に”くい”のない様に生きるんだ!!!
いつか必ず海に出て!!思いのままに生きよう!!誰よりも自由に!!それはきっと色んなヤツラを敵に回す事だ。ジジィも敵になる!!命懸けだ!!」



それから、二人で海に出る日を決めた。
サボは「貴族の男は18歳で本当の貴族と呼ばれる、だからおれは17歳で国を出る」と常々言っていた。だからサボの兄弟の自分達も出航は17歳だと決めた。


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月日は流れ、世界政府の視察を終えた「ゴア王国」はまた元通りの生活を取り戻し、国中のゴミは今日もゴミ山へと溜められ、ゴミ山はいつものように悪臭を放ちながら、ゴミ山の人々の暮らしを支えた。

エースとルフィは、二人で海賊のなる日の為、生活の為に日々強くなる訓練をつんだ。二人だったけど、二人の心の中にはいつもサボが一緒にいた。

エースはルフィとケンカを繰り返しつつも、ルフィが怪我をしたり、危険な目に遭うと、守ってやれなかった事を悔い、唯一の兄弟を失う事を恐れて震えた。二人は、兄弟を失う事をなにより恐れていた。




年上のエースは、着々と海に出る準備も進めていた。
ある時はマキノさんに”挨拶のしかた”を教わりたいと申し出た。
「おれはルフィの兄貴だからよ、いつか弟が世話になった赤髪の船長にあいさつに行くってのがスジってモンだろ」






7年後、エース17歳、ルフィ14歳の時。
人知れず成長した”海賊王”の息子はエースは、コルボ山の海岸より静かに一人出港した。見送ったのはダダン山賊団と、フーシャ村の村長、マキノさん、そしてルフィだった。



ダダンは見送りには行かず、小屋で一人酒を飲んでいた。ガープが突然連れてきて、無理やり置いていった”鬼の子”だった。
見送りに行っていた部下達がエースからの伝言を伝えると、抑えていた涙が止まらなくなった。だから嫌だったんだ・・・。






ルフィは一人になったが寂しがることはなく、自分が出航する日の為に日々鍛錬を重ねていた。時折新聞に載るエースの活躍を知って、また鍛錬に励むのだった。 「もっと強く!!もっと強く!!おれも負けるもんかー!!」そして3年後、ルフィ17歳。
とうとう出航の日を迎えた。
フーシャ村の港から出航するというルフィを、ダダン山賊団達は村を気遣って見送りには行かなかった。
ルフィは相変らずの明るさで「じゃあみんな今までありがとな!!ダダン!!おれ山賊嫌いだけどよ!お前らは好きだ!!」と言い残して涙一つ見せずに出て行ったが、ダダンは大泣きだった。



そうしてルフィは、ドーン島、ゴア王国のはずれにある小さな「フーシャ村」から小さなボートで出航した。ダダン達は、村人達に気付かれないように、こっそりと見送りに行っていた。

「サボーーーーーー!!!見ててくれ!!おれも海へでるぞォー!!!」明るい未来と冒険への期待に胸を膨らませて、自分は何者には負けない、海賊王になると信じ、エースに追いつくようにと海へでた。







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だが、現在。
女ヶ島に匿われ、兄エースを目の前で失い、その無力さを痛感させられたルフィは泣いていた。
「何が海賊王だ・・・・!!おれは!!!!弱いっ!!!!」



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