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ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

588話 サボの海  (ルフィの兄弟-7)

2017年02月18日 | 頂上戦争編



サボは端町で倒れている処を発見されて、高町の屋敷に連れ戻されて部屋に監禁された。
「心を入れ替えて、お前を生んであげた父さんと母さんを幸せにしなさい!それがお前の幸せだ!!そう思うだろう?」
両親はゴミ山の火事なんかより、明日の式典と天竜人の事で頭がいっぱいだった。


サボは、監禁された部屋で一人考えていた。
エース、ルフィお前ら無事なんだろ?お前らに会いてェなァ。
ここはまるで鳥かごだ。人間の悪臭が立ち込める、この国でおれは生きていくことに耐えられそうもない。自由って何だ?どこにあるのかな。何よりも一番恐いのは・・・おれがこの国に飲まれて、人間を変えられる事だ。




翌日は、「偉大なる航路(グランドライン)」よりゴア王国に、かの世界貴族『天竜人』がやってくる日であり、国民達に並んで盛大に『天竜人』の来国を歓迎していた。

そんな事を知らないサボは、その日を海賊として船出の日に決めた。盗んだ漁船に乗り込み、黒い旗を掲げて堂々と海に出た。







サボは知らなかった。『天竜人』の前には何人たりともその道を汚し、邪魔してはならない事を。
『天竜人』を乗せた巨大な政府の艦隊が、サボの汚い漁船の目前まで迫ってきた。
サボはその船を見上げて「いつかあんな艦の船長になれたらスゲェな」と夢を膨らませていたが、軍艦に乗っていた『天竜人・ジャルマック聖』は、自分の目の前を横切る無礼を許さず、砲弾を撃ち込んだ。
子供が乗っている事を目視すると、その子供を狙って2発目の砲弾が撃ちこまれ、漁船は木っ端微塵に砕け、燃えながら海へと沈んでいった。
海面には、漁船の木々とサボが愛用していた帽子が無残に漂っていた。






この様子を、エースとダダンを探しに街に来ていたドグラが目撃していた。

ドグラと行き違いに、エースとダダンが家に帰ってきた。


心配し尽したルフィは、エースの生還に大泣きで喜び、エースは「勝手に殺すな!」とルフィを叱った。


ブルージャムになんとか勝った二人だったが、エースを炎から守ろうとしたダダンが全身に酷いやけどを負い、中間の森で安静にしながら、必死にダダンの命を繋ぎつつ、ようやく帰ってこれたのだとエースが説明した。

ダダンが、エースに聞いた。
「エース・・・おめぇあの時、なぜ逃げなかった・・・」
エースは正直に答えた。「時々カッと頭に血が上るんだ・・・。逃げたら何か大きなものを失いそうで恐くなる。あの時は・・・おれの後ろにルフィがいた。わからねぇけど、たぶんそのせいだ。」



その話しを聞いたダダンは、大きく一つため息をつくと目を閉じて、昔ガープから聞いた海賊王ロジャーの事を思いだした。

「ロジャーは敵うはずもない敵の大軍を前にしても、逃げずに立ち止まって逃げない。背後に”愛する者”がおるからじゃ。
共に逃げれば仲間達も危険にさらす事になる。正確に言うならば・・・「にげない」んではない・・・、目の前の敵達が仲間を追わんように「敵を逃がさない」。その時のロジャーはまさに”鬼”!!
仲間の悪口を言われたと、一国の軍隊を滅ぼしたこともある。
確かに怒らせりゃあ凶暴、短期でわがまま。しかし行動はいつも子供のように単純でまっすぐじゃった。
今のエースにも似た生い立ちのせいじゃろう、愛する者を失う事を極度に嫌っておった・・・。あんな無茶な生き方をしても、運よく生き延びた結果が”海賊王”。
世間の評判は最悪でも、仲間からの信頼は絶大。海兵のわしでさえ、あいつを嫌いになれんかった・・・」


今のエースは海賊王ロジャーにそっくりではないか。会ったこともない憎き父親と、恨んでも血は争えねェってやつか・・・とダダンはその皮肉に言葉をつぐんだ。




エースとダダンの帰宅に安心したのも束の間、遅れて帰ってきたドグラからのサボの報告に、ダダン山賊団に衝撃が走った。
ドグラは「サボは・・・あいつが貴族の家で幸せだったなら!!海へでる事があったろうか!!海賊旗を掲げて一人で海へでる事があったろうか!!?」小さなサボを守ってやれなかった事に、守ってあげるべき仲間を失った哀しみにダダンと、山賊達は悲痛に苦悩した。

ルフィは「サボ・・・幸せじゃなかったんだ!!」と言ってまた泣き、エースはサボを奪い返しに行かなかった自分を責めて苦悩した。




サボを殺した奴を殺すと言って殺気立つエースを、ダダンが力づくで止めた。。
「やめねぇかクソガキ!!!ろくな力もねェくせに威勢ばかり張りやがって!!死んで明日には忘れられる、その程度の人間だお前は、まだ!!サボを殺したのはこの国だ!!!世界だ!!!お前なんかに何ができる!!!
お前の親父は死んで時代を変えた!!それくらいの男になってから、死ぬのも生きるのも好きにしやがれ!!!」




それが、ダダンがエースを止める精一杯だった。
これ以上子供達の命を危険に晒すわけにはいかなかった。これ以上、子供達を、仲間を失うことは耐えられなかった。




よく朝、死んだサボからエース宛に手紙が届いた。死ぬ前、出航前に出したものだった。
「エース、ルフィ火事でケガをしてないか?心配だけど無事だと信じてる。お前たちには悪いけど、二人が手紙を読む頃にはおれはもう海の上にいる。いろいろあって一足先に出航する事にした。
行き先は・・・この国じゃないどこかだ。そこでおれは強くなって海賊になる。誰よりも自由な海賊になって、また兄弟3人どこかで会おう。広くて自由な海のどこかでいつか必ず!!

それからエース、おれとお前はどっちが兄貴かな。長男2人に弟1人変だけど、この絆はおれの宝だ。ルフィの奴はまだまだ弱くて、泣き虫だけど、おれ達の弟だ。よろしく頼む。」















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