
ナミに対する、ミス・ダブルフィンガーの攻撃が始まった。
手を長く太い針状にする【ダブルスティンガー】は壁を貫き、【スティンガーフィンガー】は5本の指が5本の針に、【スティンガーヘッジホッグ】は、体全体が針山となって転がって追いかけてくる。
それでも、「クリマ・タクト」から繰り出される技は隠し芸の小ネタばかりである。このまま死んだら呪ってやるっ!あの鼻っ!と再度トリセツに目を通した時・・・ナミは不吉な一文を目にした。
「-----以上、ここまで書いた技は宴会で使うと喜ばれます」

裏面に書かれてある戦闘用トリセツを読んだナミの目が変わり、自ら棘女の前に躍り出た。
「逃げも隠れもしないわよ!!!泥棒やってた8年間、どんな死線も一人でくぐり抜けてきたわ!!」

その自信の根拠はまだない。頼みの武器はまだ一度も成功したことはなく、ウソップと自分を信じるのみ。
だが、クリマ・タクトは思ったようには動いてくれない。確かに先ほどとは違って"天候"に関する道具らしくはなったが、威力が小さすぎて攻撃とは程遠いのだ。
"暖気"は、ほんわり温かい春風が吹く程度、"冷気"はひんやり涼しいそよ風が吹く程度、"雷"は、チクリと感じる程度の威力だった。
ナミがもたついている間に、女の棘攻撃はナミの足を突き刺さし血がドクドクと流れた。
苦肉の策でクリマ・タクトを女に投げつけた時、ようやくそれは『天候棒』らしい動きをみせ、女は局所的な爆風に足をとられ、地面に叩きつけられた。ここでナミは『天候棒』の特性を理解する。一つ一つは小さな気性現象だけど、組み合わせることで威力が増す。

続く棘女の攻撃は、ナミの顔面、首、胸を串刺しにした。

だが、それはナミが『天候棒』で作り出した"局所的蜃気楼"だった。ナミは再度、女にむかって宣戦布告する。
「理解したわ"天候棒クリマ・タクト" 往生しなさいっ!!!!」
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