ちょっと長い「ひとこと感想」その3。
メモには、「とにかく、とても美しい作品。私は、ピナ・バウシュという人の踊りをほとんど知らない。映画『トーク・トゥー・ハー』(だったと思う)でほんのちょっとだけ。でも、一瞬呆っ気にとられその後は呆然と、ただただ見ていたのは覚えている。今回この人の横顔をスクリーンで見ながら、なぜか"究極のサバイバー"とでもいうような雰囲気を感じるのが不思議だった。経歴を何も知らないからわからないけれど、踊るということが「自分の全てを解放する」ことなのだとしたら、その高みに届くような人は、本物のヒーリング効果?をオーラとして纏っているものなのかな・・・などと思ったりした」
ダンス未経験の10代の男女に、有名な演目"コンタクト・ホーフ"を10ヶ月で教えて、舞台に立ってもらう・・・という企画を立て、その間のトレーニング風景を撮したドキュメンタリー。帰宅して調べてみたら、この演目は本来は70代の男女で踊ることを想定したものだとわかり、ピナという振付家の意図、その斬新さ、スケールの大きさと、もしかしたらある種の危険さ?に鳥肌が立った。
何にせよ、初めてダンスに触れる若い人たちの成長がまざまざと映し出されるのを見ていると、「踊る」ことの意味するもの、踊り手に与える影響の大きさ・深さがわかって、いろいろなコトを考えさせられた作品。
(それにしても、実際に教える2人の女性ダンサーの忍耐強さには頭が下がる。相手は皆あまりに若く、背景となる事情もさまざまなので、単に「ダンスを教える」では済まない。それでも、相手に共感し、相手の中から未知数の創造性を引っ張り出せる人たち・・・私が一番感心したのは、もしかしたらそのことだったかも)
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