眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『キャピタリズム マネーは踊る』

2011-02-10 15:24:21 | 映画・本
「長すぎるひとこと感想」その3。

ムーア監督の作るドキュメンタリーの魅力は、私にとっては「え~~~っ!(驚愕)ホ、ホントにそーなの~?」という驚きを、本人の「突撃インタビュー」でもって「目の前に」見せてもらえることだ。

『ボーリング・フォア・コロンバイン』では「(一般人が)銃が買える社会」の、『シッコ』では「国民皆保険じゃない社会」の、日々の「現実」を見せてもらっている気がした。私の知らないアメリカ・・・がそこにあったし、そこから逆に日本での有り様を考えるきっかけにもなったと思う。

けれどこの『キャピタリズム』では、私は自分の全く知らなかったことにはごく僅かしか出合えなかった気がする。私は経済にもお金そのものにも、およそ疎いヒトだというのに。(本当に驚いたのは、ある種の証券?をわかりやすく説明してほしいと言われた専門家たちが、皆一様に「う~ん、説明できないなあ(笑)。」と言った時だけかも。)

映画の日本公開の半年後くらいに観たのだから、観るのが遅すぎたというわけじゃないと思う。なんというか・・・現実の変化があまりに急激かつ極端なので、既に映画が追い越されてしまっているような感じがしたのかもしれない。

ムーアさんが相手にしているモノ(キャピタリズム=資本主義)は、あまりに大きい。しかもムーアさんにとって「キャピタリズム」というのがどういうものなのか、或いは「資本主義」の中の何?を相手にしているのか、観ていても私にはよくワカラナイのだ。

当然「じゃあこの先どうしたらいいのか」も、私などには「一緒に考える」ことさえムズカシイ。

その後も、世界の経済状況はそれほど良くなっているようには見えない。というか、もう自分のいる日本についてさえ、私などには「現実」が見えなくなっているのかもしれない・・・と思ったりもする。(大都会の現実と私の居る高知の現実では、既にあまりに違っている。)それでも・・・

「ムーアさ~ん、あなたの作る映画を私は楽しみにしてるんですよ~。」

この映画を「最後の作品のつもり」なんて言わないで、「こうしたらいいのにね!」ってみんなで言えるようなテーマに取り上げて、また作ってくれるといいなあ。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Mr.エアーズ ・・・・・ 『... | トップ | 正直にしか生きられない ・... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (お茶屋)
2011-02-11 12:25:27
もう忘れかけてるんですが(^_^;、この映画でへぇ~と思ったのは、労働運動などがちょこっとレポートされていたところです。ムーアさんはいつも庶民の目線ですね。それとユーモアがあるから好きです。思い遣りのある人だと思うなあ。

>「最後の作品のつもり」

初耳でした(◎-◎)。
本が売れて資金ができたら、また撮ってくれるかも?題材はたくさんありそうですよねぇ?

『ウォール・ストリート』の原題には「マネーは眠らない」というサブタイトルが付いていましたよ。
返信する
「マネーは眠らない」・・・ (ムーマ)
2011-02-12 10:13:52
お茶屋さ~ん、遅くなってごめんなさ~い。

>もう忘れかけてるんですが(^_^;

実は私もです(笑)。

ただ、観た後のびみょーなガッカリ感を今も覚えてるので、何にガッカリしたのかなあ・・・って、ちょっと考えました。

>ムーアさんはいつも庶民の目線ですね。
>それとユーモアがあるから好きです。
>思い遣りのある人だと思うなあ。

ほんと!私もそう思います!!

私は「本」が初耳でした。そうなんだ~
じゃあ(って何が?)また撮ってくれるといいなあ。

「マネーは眠らない」・・・そのものズバリなタイトルですね。『ウォール・ストリート』は正に『キャピタリズム』を地でいく話なんでしょうね。
私前作を観てないので、それ観てから行きたいな~って思ってたんですが、「面白かった!」な噂が続々なので、もうさっさと新作の方へ行っちゃおうかな~。
返信する

コメントを投稿

映画・本」カテゴリの最新記事