眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

2011年に観た映画(劇場での外国映画編)の続き

2012-05-22 20:59:44 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~

『ミス・ギャングスター』(監督:カン・ヒジョン)

予備知識なしに、飛び込みで観た韓国映画だけれど、とっても面白かった~。
平均年齢65歳の女友達3人組が、もうモノ凄くエネルギッシュで、たくましい。せっせと万引きした品物を路上で売って、ハワイ旅行の費用を貯めたり、そのお金を銀行強盗に横取りされたら、今度は自分たちも(アドバイザー雇って)銀行強盗に乗り出したり(笑)。奇想天外な話なんだけど、老いの現実や人生のほろ苦さ?も垣間見えて、盛り沢山、サービス満点!のコメディーだった。(3人のベテラン女優さんたちが芸達者で、本人の人生経験がもたらす厚みも相俟って、メモには「女の人が年を取るほど怖いモノが無くなるっていうのは、日本も同じ。私もこんな友だちがいたら、銀行強盗だってするかも~」。

『カウボーイ&エイリアン』(監督:ジョン・ファヴロー)

メモには「SFなのに、ちゃんと“西部劇”になっていて不思議~。トンデモ映画というなら正にそうなんだけど、“西部劇を観ている”感じしかしないのは、元々“西部劇”がそういうものだからなのかなあ・・・などとも。(エイリアンも“インディアン”も、その時代時代の観客にとっては、さほど変わらないというか。)」などなど。
個人的にはダニエル・クレイグが好きで観に行ったんだけれど、もうちょっと陰影のある役柄の時の方がいいな~なんて思った。ただ、彼もイギリスの人には見えないし、苦虫噛みつぶしたようなハリソン・フォードもインディ・ジョーンズには見えなくて、2人ともちゃんと「西部劇のガンマン」してるのに感心(笑)。

☆『ミスター・ノーバディ』(監督・脚本:ジャコ・ヴァン・ドルマル 2009 フランス・ドイツ・ベルギー)

唯一無二の作品!と思った。(こういう脚本を考えついて、それを映像化できる人って・・・うーん。)

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/1f1e5b5950934ec6bb305e680e72d07f

『アジョシ』(監督・脚本:イ・ジョンボム)

なぜか元々ウォンビンが好きだった。この俳優さんの素朴さが、私は気に入っていたのだと思う。ちょっと童顔で、でも感じのよい整った顔立ちのこの人は、私の眼にはおよそイケメン俳優からは遠い感じに映った。
出演作もロクに知らなくて、映画としてちゃんと観たのは『母なる証明』が初めてかも。それまでの間、しばらく噂を聞かないと思っていたら、「兵役に行っていたけれど、ケガをして除隊になった」とかで、復帰第一作が『母なる証明』だった。「よかった~。消えちゃったわけじゃなかったんだ。」なんて、とても嬉しかったのを思い出す。

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/95694e8e72b44edc38559e8b95ec33e0

☆『ミッション:8ミニッツ』(監督:ダンカン・ジョーンズ)

メモには「とっても面白かった!!」とあるものの、自分がこの映画のストーリーをちゃんと理解しているのかどうか・・・実はアヤシイ。観た後で、一応これで辻褄の合わないところはないのかなあ・・・などと、向いてない確認作業?をアタマの中でしてみたりしたけれど、やっぱり・・・よくわかってないと思う。
私は、前作『月に囚われた男』をたまたまDVDで見る機会があって、この監督さんの独特のセンスが好きになった。今回の作品も、特殊な状況設定(そもそもSF)や、本人が一応納得してのこととはいえ、主人公に与えられる任務の苛酷さ(「多数」のために「捨て石」になってくれと言われているようなもの)、しかも協力者?はただひとり・・・といった辺りは共通のモノを感じる。が、それ以上にこの人らしいと思うのは、主人公の決着のつけ方、そのシーン(ストップモーションが本当に美しい!)のいかにも人間らしい温かさ、なのにラスト近くで主人公の(その世界での)現実の姿をわざわざ映し出してみせるという、「事実をボカさない」?描き方だった。
前作同様、SFという枠組みを使って、実は哲学的とも言うべき内容(人はどう生きて死ぬべきなのか・・・とでもいうような)を語ったこの映画の「ちょっとヒネったハッピーエンド」?が、今も印象に残っている。(次の作品も絶対観たい!と思う監督さんの一人。)

『ソウル・キッチン』(監督・共同脚本:ファティ・アキン ドイツ)

小さな映画館で、久々にサンドイッチ片手に観た映画~。(スクリーンでも美味しそうな料理と楽しい音楽が・・・。)

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/46d2fd4f3539d5f429b4f0635fb5766e

『猿の惑星/創世記(ジェネシス)』(監督:ルパート・ワイアット)

メモには「あの“No!”が凄い。自立というのは結局のところ、あそこであれほどの凄みでもって“ノー”が言えるかどうかってことなんだな・・・と。シーザーの場合はそれが種の交替?にまで繋がる“ノー”だったんだから、当然かもしれないけれど。」
それにしても、「人間以外の生き物」の動きや表情の「自然さ」というのが、最近のハリウッド映画で最も進歩を感じることの一つだとつくづく思う。人間の俳優さんの表情を取り込んで映像化出来るようになったからこそ、シーザーにここまで感情移入出来るんだと思うから。オリジナルのシリーズのファンでもそうでなくても、SF的なものに興味があってもなくても、観たらそれなりに楽しめる良く出来た娯楽作品だと思った。(ただ、個人的には「猿の惑星」シリーズは、第一作以来、ストーリーに苦味を強く感じて、私はどちらかというと苦手かも。無理解、差別、虐待、苛め、そして・・・戦闘、戦争となる。私の眼には、どうしてもそんな風に見えてしまうので。)

『マネーボール』(監督:ベネット・ミラー)

メモには、「面白かった!! アシスタントの若い男性(ジョナ・ヒル)が初々しくて可愛くて、カッコイイ見せ場もあって・・・今年のベスト・キャラ候補の1人かも(笑)。」などと。ブラッド・ピットに一言も触れていないのは、あまりに役に嵌っていて、この人なしでは考えられない映画になっていると思ったからかな・・・。
「若き日の挫折から自由になりきれない中年男が、その落とし前を(同じ野球というフィールドで)つけようとする」なんていう話は、これまでも何本も映画になってきたのかもしれないけれど、この映画はそれだけではなかった。主人公の人物造形も、「管理野球」を扱っていることも、ハッピーだけで済まさないラストも、その屈折の仕方がかえって人生の深みを感じさせて、観た後しみじみとした余韻が残った。こういうのを野球映画というのかどうか私にはわからないけれど、とにかく「大人になりきれない」でも「大人だからこそ出来る」、大人のための映画だと思ったのを思い出す。(監督さんの名前をどこかで聞いたと思ったら『カポーティ』を作った人だった。その時カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンは、この映画では常識人?の監督役で、淡々とした風情が似合っていてちょっと驚いた(笑)。)

『1911』(監督:ジャッキー・チェン、チャン・リー 中国・香港)

大変なお金と手間とをかけた、ある種の教育映画を観たような印象が残った。(メモに何も書いてないのはそのせいだと思う。)作り手たちがこの映画を、どういう人に見てもらいたいと思ったのか・・・と考えてみて、(妙な言い方だけれど)初めて世界における中国系の人々の数!に思い当たった。外国向けというより、寧ろ同じ中国系の若い人々にこういう歴史を知ってもらいたい、多くの犠牲が払われたのだけれど、そういう歴史に誇りを持ってもらいたいという思いがあったのかなあ・・・などと思ったのを思い出す。

『インモータルズ -神々の戦い-』(監督:ターセム・シン)

観ている間、『300<スリーハンドレッド>』や『落下の王国』を想った。(帰宅後、家族から「監督とかスタッフが被ってるよ。」。いつもながら、知らないのは私だけ~(笑)。)メモには「映像が非常に美しく、かつ残虐。今から思うと『落下の王国』は物語性豊かで、“中身がパンパンに詰まった”作品だったんだな~と。今回、監督さんはこういう神々のこういった映像を、一度作ってみたかっただけなんじゃないかなあ。」などと。(「邪悪な王」ハイペリオンを演じるミッキー・ロークの迫力が他のキャストとは段違い!に見えた。本人も楽しそうだったりして(笑)。TOHOシネマズのフリーパスで、せっせと映画を観ていた時期に観た作品の1本。)

『コンテイジョン』(監督:スティーブン・ソダーバーグ)。

スクリーンから浸みてくる「冷たさ」にたまりかねて、そのまま別の映画館で『孫文の義士団』をハシゴしてしまった。

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/bb4bb602ff2c836813e7dfded40d3e8a

☆『孫文の義士団』(監督:テディ・チャン)

「名もなき人々」が、もうモノ凄~く格好いい!!!

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/f0557118d052438a084e23759fc100f3


『新少林寺/SHAOLIN』(監督:ベニー・チャン)

メモには、「ジャッキー・チェンの役柄が、いっそ彼らしくて良かった~(笑)。アンディ・ラウは、あの清々しさ?が生きる役柄じゃないと、本当に普通のオジサンになるのに妙に感心。(前半の彼は、いつもの彼とはほとんど別人に見える。)」。物語その他、ツッコミどころが色々ありそう?だけれど、私はお金のかかった、でもどこか素朴に美しいところもある??娯楽作品として楽しんで観た。(それにしても、吐く息の白さが目に染みるというか、撮影中は寒かったんじゃないかなあ・・・とか、少林寺拳法の修行って、いつ見ても大変そうやけど、みんな凄いなあ・・・とか、物語と直接関係ないことが色々浮かんで、それも楽しかった~。)

『ニューイヤーズ・イブ』(監督:ゲイリー・マーシャル)

メモには「ミッシェル・ファイファーの演技派ぶりや相手役(バイク便)の若い男優さんの清々しさ!が印象的。」とだけ。大晦日のニューヨーク(タイムズスクェア)ではこんな風にしてカウント・ダウンをするなんて知らなかった。でも、この手の映画だったら(時期はちょっとズレるけど)『NOEL(ノエル)』や『ラブ・アクチュアリー』の方がいいな~。

『リアル・スティール』(監督:ショーン・レヴィ)

TOHOシネマズの最後のフリーパスを作りに行って、『ニューイヤーズ・イブ』と2本観たらしい。メモには「どちらも日本の観客を意識しているようで、アナログ・ロボットの名前が“アトム”だったり、風景の中に日本のメーカーの看板が大きく見えたり。今はこれくらい他愛ない?映画が、見ていて丁度に感じる自分・・・。」などと。映画としてはとても楽しい作品だった・・・と思う。







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4 コメント

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ダンカン・ジョーンズ監督は (お茶屋)
2012-05-24 22:35:03
>SFという枠組みを使って、実は哲学的とも言うべき内容

むかし、D・ボウイが、息子は大学で哲学を勉強していると自慢してました。
監督は、7歳で『時計仕掛けのオレンジ』を観たそうです。父ちゃんといっしょに観て色々説明してくれたと言っていました。
浅野忠信に出演してほしいとも言っていて、この俳優はジョーンズ監督作品に合いそう~。宇宙服も似合うし。
返信する
「哲学」は宇宙に通ず? (ムーマ)
2012-05-25 16:39:26
>むかし、D・ボウイが、息子は大学で哲学を勉強していると自慢してました。

そうなんだ~(納得)。
パパ・ボウイも、なんか微笑ましいですね(^o^)

そういえば、テレンス・マリック監督も哲学の先生だとか。
「哲学」って、「地球」規模から「宇宙」にまで広がるようなモノを
感じたり考えさせたりするところがありますね・・・。

浅野忠信、うんうん、この監督さんの映画に合いそう♪ 
実現するといいですね~。
『バトルシップ』、評判いいので行こうかな~って思ったときには
もう夜だけの上映になってて見逃しました(鈍足~)。
宇宙服似合うの、見たかったです(^o^)
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バトルシップでは (お茶屋)
2012-05-25 19:10:56
浅野君が宇宙服を着てるわけじゃないんだけど、基本的に何を着ても似合うよね~。
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ちょっとアンドロイドっぽいし・・・とか(^o^) (ムーマ)
2012-05-25 23:34:01
勘違いしちゃった。軍服より宇宙服の方にロマンを感じるもんで、つい(^_^:

でもホント、何着てもソコソコ違和感無いよね。ジンギスカン、素浪人、ビジネスマン・・・(^o^)
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