ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1985年6月8日付 ハロルド・フォルターメイヤー Harold Faltermeyer - Axel F

2021-06-06 20:34:55 | 1985年ビルボードTop40
1985年6月8日付ビルボード All American Top40、1位の交代がありました、2位から上がって1位はTears For Fearsの"Everybody Wants To Rule The World"。Tears For Fearsですが、イギリス出身のロックバンド。母国イギリスではTop10ヒットを持っていますが、アメリカでは初めてのTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1に輝きました。

2週間の1位からダウンして2位はWham!の"Everything She Wants"。Wham!ですが、初めてのTop40ヒット"Wake Me Up Before You Go-Go"が3週間連続の1位、次のシングル"Careless Whisper"も3週間連続の1位、そしてこの曲もNo.1、脅威のデビュー3曲連続のNo.1ヒットです。
3位は前週と変わらず、Harold Faltermeyerの"Axel F"。すでに私のブログでも紹介している映画『ビバリーヒルズ・コップ』サウンドトラックからのシングルカット曲。Harold Faltermeyerですが、ドイツ出身のキーボードプレイヤーで、映画音楽のスペシャリスト。この曲が初めてのシングルヒット、もちろん初めてのTop3ヒットです。
4位は5位からアップ、Billy Oceanの"Suddenly "。Billy Oceanですが、1976年に"Love Really Hurts Without You"が初めてのTop40ヒットで22位、その後しばらくヒットがありませんでしたが、1984年に突然"Caribbean Queen (No More Love on the Run)"がNo.1ヒット、続く"Loverboy"も2位の大ヒット、この曲で3曲目のTop5ヒットになりました。
5位は7位からアップ、Bryan Adamsの"Heaven"。Bryan Adamsですが、カナダ出身のロックシンガー。83年の"Straight from the Heart"が初めてのTop40ヒットで10位を記録、その後ヒットを重ね、この曲で6曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop10ヒット、初めてのTop5ヒットになりました。

この週3位はHarold Faltermeyerの"Axel F"。最高位は6月1日から3週続けた第3位。年間チャートは61位。初めてのヒットが大ヒットになりました。

さて"Axel F"ですが、この曲は映画「Beverly Hills Cop」のサウンドトラックからのシングルカット曲。
主演はエディ・マーフィ。そのエディ・マーフィが演じるデトロイトの刑事「アクセル・フォーリー」の活躍を描いた作品であって、まさにこの曲が主題歌と言っていいでしょう。

もう一つの主題歌がGlenn Freyの"The Heat Is On"。この曲は先に大ヒットして最高位2位を記録しました。この時に、すでにこの曲についてもちょっとだけコメントしています。こちらをご覧ください→→→

Harold Faltermeyerですが、ドイツ出身のキーボードプレイヤー。ジョルジオ・モロダーに見出され、シンセサイザーを使った曲やアレンジ、プロデュースで才能を発揮します。『ビバリーヒルズ・コップ』の他にも映画音楽を多数手がけ、この翌年に大ヒットする映画『トップガン』も手掛けます。

"Axel F"の作者はもちろんHarold Faltermeyer。プロデュースも彼が手掛けています。
インストルメンタル曲での大ヒットですが、日本では考えれられないですが、アメリカでは時々インストルメンタル曲が大ヒットします。
80年代に入ってからはインストルメンタル曲の大ヒットはあんまりなかったでしょうか。82年にNo.1を記録したVangelisの"Chariots Of Fire"がありますが、その他にありましたっけ?
70年代は沢山あります。No.1ヒットだけでもハーブ・アルパートの「ライズ」や、ビル・コンティの「ロックーのテーマ」、ミーコの「スターウォーズのテーマ」、アベレイジ・ホワイトバンドの「ピック・アップ・ザ・ピーセス」、エドガー・ウインター・グループの「フランケンシュタイン」っていうのもありましたね。

話が横道にそれましたが、「Beverly Hills Cop」のサウンドトラックにはGlenn Freyの"The Heat Is On"の他にも、The Pointer Sistersの"Neutron Dance"、Patti LaBelleの"New Attitude" のヒットシングルが収録され、 アルバムは7月22日と29日付の2週間アルバムチャートでNo.1を記録、年間チャート7位の大ヒットアルバムとなりました。


この曲ですが、2005年になってから、ドイツのキャラクター「クレイジー・フロッグ」の曲としてカバーバージョンがリリースされ、アメリカでは最高50位でしたが、ヨーロッパ各国で1位を記録する大ヒットになりました。


今週 先週 song / artist
1 2 EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD / TEARS FOR FEARS
2 1 EVERYTHING SHE WANTS / WHAM!
3 3 AXEL F / HAROLD FALTERMEYER
4 5 SUDDENLY / BILLY OCEAN
5 7 HEAVEN / BRYAN ADAMS
6 8 THINGS CAN ONLY GET BETTER / HOWARD JONES
7 9 IN MY HOUSE / MARY JANE GIRLS
8 4 DON'T YOU(FORGET ABOUT ME) / SIMPLE MINDS
9 10 FRESH / KOOL & THE GANG
10 11 WALKING ON SUNSHINE / KATRINA AND THE WAVES
11 14 ANGEL / MADONNA
12 17 SUSSUDIO / PHIL COLLINS
13 6 SMOOTH OPERATOR / SADE
14 18 SMUGGLER'S BLUES / GLENN FREY
15 27 A VIEW TO KILL / DURAN DURAN
16 22 THE SEARCH IS OVER / SURVIVOR
17 25 RASPBERRY BERET / PRINCE & THE REVOLUTION
18 20 NEVER ENDING STORY / LIMAHL
19 12 JUST A GIGOLO/I AIN'T GOT NOBODY / DAVID LEE ROTH
20 26 WOULD I LIE TO YOU? / EURYTHMICS
21 21 SAY YOU'RE WRONG / JULIAN LENNON
22 13 CRAZY FOR YOU / MADONNA
23 15 ONE NIGHT IN BANGKOK / MURRAY HEAD
24 19 ONE LONELY NIGHT / REO SPEEDWAGON
25 28 VOICES CARRY / 'TIL TUESDAY
26 34 YOU GIVE GOOD LOVE / WHITNEY HOUSTON
27 16 SOME LIKE IT HOT / POWER STATION
28 36 THE GOONIE'S 'R' GOOD ENOUGH / CYNDI LAUPER
29 24 WE ARE THE WORLD / USA FOR AFRICA
30 35 TOUGH ALL OVER / JOHN CAFFERTY & THE BEAVER BROWN BAND
31 39 EVERYTIME YOU GO AWAY / PAUL YOUNG
32 23 RHYTHM OF THE NIGHT / DEBARGE
33 44 SENTIMENTAL STREET / NIGHT RANGER
34 41 GETCHA BACK / BEACH BOYS
35 31 INVISIBLE / ALISON MOYET
36 40 CRAZY IN THE NIGHT / KIM CARNES
37 48 GLORY DAYS / BRUCE SPRINGSTEEN
38 38 LUCKY IN LOVE / MICK JAGGER
39 52 CANNONBALL / SUPERTRAMP
40 51 JUST AS I AM / AIR SUPPLY
コメント (34)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アリソン・モイエット Alison Moyet - Invisible(1985年の洋楽 Part22)

2021-06-03 22:23:49 | '85年洋楽
1985年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart22はAlison Moyetの"Invisible"。
最高位は6月1日付の1週のみの第31位。年間チャートは圏外でした。

Alison Moyet、この曲がヒットした当時は「アリソン・モイエット」と呼んでいましたが、最近は「アリソン・モイエ」と呼ばれているようです。ここでは当時と同じ「アリソン・モイエット」で表記します。
そのAlison Moyetですが、イギリス出身のシンガー・ソングライター。
声量がある力強いボーカルで、男性だか女性だか、わからない声質ですが、もちろん女性ボーカリストです。

ミュージシャンとしてのデビューは、シンセポップデュオ「Yazoo」のメンバーとして。
2枚のアルバムを出して、アメリカではシングルが小ヒットでTop40には入れませんでしたが、母国イギリスではアルバムで1位を記録、シングルでも1位にこそなれませんでしたが、Top3に3曲送り込む大ヒットとなりました。

ソロでのファーストアルバムのリリースは1984年、『Alf』です。
このアルバムはイギリスでNo.1、アメリカでは残念ながら40位台で終わってしまいましたが、このアルバムからのシングル"Invisible"は初めてで唯一となるTop40ヒットで31位を記録しました。

"Invisible"の曲の作者はLamont Dozier。Lamont Dozierですが、60年代から活躍するソングライター。数々のモータウンソウルの作詞作曲を手掛けました。この後も活躍を続け、88年の Phil CollinsのNo.1ヒット"Two Hearts" は彼とフィルの共作によるものですね。

プロデュースはSteve Jolley & Tony Swainのコンビによるもの。この二人もプロデューサー・ソングライターとして有名な方々で、Spandau Balletの『True』のプロデュースなどを務めています。
この曲、Alison Moyetの力強いボーカルが際立ちます。ポップソウルの迫力ある曲ですね。


こちらはポップデュオYazooの83年のヒット曲 "Nobody's Diary"。この曲はイギリスで3位、アメリカではダンスチャートで1位を記録しました。デュオのVince Clarkeは元デペッシュ・モード、ソロの曲とは全く違い、シンセポップソングです。
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする