四条大宮ジャーナル

この度の東北太平洋沖地震にて被災された方々へ
お見舞い申し上げます

あらためて観なおす

2013-03-09 14:01:06 | 人間
宿命 (Shukumei) Part 1


「砂の器」患った父とその子が故郷を捨て彷徨するシーン
無言なのに心打たれるのは加藤嘉と、その子役の表情
そして彷徨う各地の自然を映したカメラアングルと
全部揃っている。

この作品、小学生の頃に親と行った時には何が何だか
よくわからなかった。
大学の頃にビデオで観たときは、出世を目論むのに
邪魔になった過去世話になった恩人(緒形拳)を
殺害する著名なピアノ弾き(加藤剛)が「青春の蹉跌」で弁護士を
目指すが為に彼女を殺して名士の娘と一緒になろうとする
(過去が邪魔になる)男とダブって見えた。

三度目の今回は
このさすらうシーンが目に焼きついた。
You Tubeでは映画史上に残るとか書いてる人が居るが
それは見た側、千差万別でなんとも言いがたい
ただ、今ちいさな子供を持つ私の側からすれば
病んだ父をかばう息子のけなげなことよ。
映画、小説はフィクションでありながら
日本の情景や、当時の差別や辛辣さなどを加えて
かくも辛く、かくも優しく映せるものなんやなあと
思った次第。

10代、20代、40代と各々違う時期に同じ映画や小説を
読むと違った角度で捉えることが出来る。
若いときは「ああ、あれは一回観たけどそんな大したことなかった」
と軽く流してみても、今観たら違った感動があるかもしれぬ。


加藤嘉さんは「タンポポ」で「完成しましたね」と
判定する先生役をしてたり、田宮二郎演ずる「白い巨塔」では
名誉欲、権力に走る田宮財前を痛烈に批判する研究畑の
頑固一徹・大河内教授を演じている。

私のHN「大河内」の由来でもある好きな俳優さんです。

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