真珠の小箱
まだ酒もタバコも競馬も女も知らない子供の頃。
偉大なるマンネリと言いますか、日曜朝の
「真珠の小箱」「皇室アルバム」「万葉の旅」「ミユキ野球教室」
「心のともしび」「遠くへ行きたい」なんかはよく見た。
よく見たけれど、ウチの誰かが見てたのを横で流し見ぃやったので
ほとんどの番組、タイトル曲しか覚えてない。
「心のともしび」の「暗いと不平を言うよりも すすんで灯りをともしましょう」
は、言葉は前向きでありながらズドーンと暗くなる声で語られる。
私は「万葉の旅」が好きで、その影響で奈良飛鳥時代に興味を持っていた。
ちょうど近鉄沿線(河内)に住んでいたので、案外近くやったのだ。
いつも出演していた犬養孝先生は、かなり昔に鬼籍になられたが
先生の万葉集を詠む調子は今でも真似することがある。
「真珠の小箱」は近鉄提供の、伊勢や奈良の沿線観光案内番組である。
この近鉄、路線に競合他社が少ないことと、ローカル赤字路線を
抱えているということもあり、私鉄の割りに料金高い。
料金的にはJRよりちょい安、私鉄よりやや高いといったところか。
ああまた近鉄の悪口になってしまった。
番組は、終始ゆる~い感じで永遠に続く番組と思ってた。
「野球教室」ミユキー、ミユキテックスのCMである。
教室とは名ばかりで、いつも巨人の選手との対談や紹介で
面白くなかった、そらそうです。よみうりTVだもの。
このような番組が流れていた頃は、日曜日だけ親が朝から居て
コーヒーをサイフォンで淹れたり、日曜だけパン食べたりして
ゆっくりもぞもぞ布団から這い出てTV見てた、ゆる~~い時間やった。
今みたいにゲームなんてのもないし、結構TV見てたんやね。
いつの日曜でも上記の番組があり、いつものように
見てたりして延々続くのかと思ったが、あれから
あっというまの30数年、忘却の彼方になった昭和の頃。
当時、関西ローカルTVは、タカラヅカを流したり
パ・リーグのデーゲーム(デイゲームではなくデーゲーム)
流したり、関西で頑張ってるスポーツや娯楽を今以上に
流してくれていたと思う。
吉本新喜劇も貧乏臭かったし。花紀京は赤鼻にしてホンマに
西成居そうなニット帽が似合いすぎていた。
酒を一杯もらおか、へぇすんまへんなぁよばれよかーで
ドンブリ差し出す時の、それである。
しかし「ノックは無用」なんか今見たら、芸人を呼んできての
トーク番組つまり、さんまやタモリの雛形作ってるね。
結構バラエティにしても、関西製作が原型なのは
他探しても多いかも。
吉本、東京進出してるから当たり前か。
日祝日も仕事の私は、貧しかったけど家族揃ってた
あの頃のほうが、ずっと贅沢に思えるのだ。