今のドラマは「こいつが出てきたらややこしい」という
一目みて悪役、ちゅうオッサンが少なくなった（写真は白い巨塔での金子信雄）。
何年か前に、東映太秦映画村へ行った時「悪役特集」
なるものがあって、水戸黄門や大岡越前に出てくる例の
「お主もワル」連中が映像で出ていた。
彼らは目つきは悪く、斬られ方は見苦しくを徹底的に
研究していたらしい。
プロとしては当然だ。
「仁義無き戦い」での金子信雄＆田中邦衛は最高に見苦しく
突撃に行く時、田中演じる槙原は「女房に子供が・・・」とウソ泣き崩れる（笑）。
今でこそ「北の国から」ゴロー役がイメージの田中だが
若大将のライバル・ボンボンの青大将や、網走番外地など
どっちか言うとコミカルな役が多かったが、ここでは狡猾な悪役です。
金子演じる山守は山守で「お前に全財産くれちゃる」なんて
心にもないこと調子ええこと言うてます（笑）。
実社会でもこんな調子のええオッサン居るぞ（笑）。
「俺とオマエは一蓮托生の仲や」なんて軽々しく言う人は
注意しましょうと、映画が教えてくれてます。
ドラマでは常に悪役（ヒール）が必要であり
そいつが憎くて憎くて仕方が無いぐらい客を怒らせたら
そのドラマは大成功でしょう、そういう意味で「仁義なき～～」
での山守・槙原の憎憎しいコンビは絶品と言える。
その後、金子信雄が優しい顔でTV出て料理作ったりするのを
見ると「そんなんしたら悪い役でけへんやろ！」と思ったりした。
金子然り川谷拓三、八名信夫など
悪役がええお父ちゃんにはなって欲しくないが、みんな丸くなりよる（笑）。
女優でいけすかん役№1は「東京物語」の杉村春子か（笑）
実父母が田舎から出てきたのを疎んじ、弟嫁の原節子に面倒押し付け
母親が亡くなったら、ちゃっかり遺産や形見を聞いてくる。
こんなオバハン葬式の時、ほんまに居るぞ。
最近のドラマでは男の悪役より女の悪役の方が、腹立つキャラが多い。
小沢真珠はもう、それしか出来なくなってるぐらいの形相やし
最近では「白い巨塔」に出てた東婦人・高畑淳子あたりには
もっともっと、いけすかんオバハン役をやってほしい。
どこにでも居そうで、かつありそうなリアルさを感じたとき
ドラマにはまる。
腹立ったら、悪役冥利だろうな～