日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

小春日和の信濃路へ - 山女や

2020-11-21 21:58:29 | 居酒屋
はしご酒にも多少の間合いは必要です。しかし、早仕舞いが多い現状では四の五のいってもいられません。「山女や」が空いていれば即入るつもりで向かったところ、無情にも袖看板は消えていました。しかし、往生際の悪さが功を奏します。やはり早仕舞いかと落胆しつつもさらに歩くと、提灯の明かりが見えてきました。店内には先客がおり、営業中の札もあります。恐る恐る暖簾をくぐり、もう仕舞いかとたずねたところ、何事もないかのように通されるという顛末です。物騒なご時世につき袖看板の明かりを消し、事情を知る常連客だけ通しているということでしょうか。年に一回訪ねるのがせいぜいの余所者なら、断られてもおかしくはありませんでした。快く迎えてくれた店主の計らいに感謝したいものです。
初めてここを訪ねたのは九年前、それも大震災の翌日です。直視したくない現実が次々報道される中、松本の街は何事もないかのように平穏でした。あのとき以上の騒動に直撃された今回も、店は変わらず賑わっています。健在ぶりは天晴れです。

山女や
松本市大手4-8-2
0263-35-3139
1800PM-2300PM
日曜定休

将棊頭
一瓢
お通し(白菜)
ササミの明太子巻
シシトウ巻
若どり
もつ煮
もりそば
コメント

小春日和の信濃路へ - しづか

2020-11-21 20:45:39 | 居酒屋
松本で贔屓にしてきた店といえば「しづか」です。今回もいの一番に暖簾をくぐるつもりでした。ただし懸念が二つありました。まず、物騒なご時世故に早仕舞いもあるだろうという当然の懸念です。もう一つの懸念は全くの逆で、札止めになる可能性でした。というのも、七月の連休に観光客が殺到し、予約客のみで札止めにしたと風の便りに聞いのです。11月の連休の混みようを考えると、再びそうなる可能性は考えられます。ただし、ひとまず警戒すべきは前者の可能性です。九時過ぎに明かりが消えていたこともあるだけに、今の時点で既に危ういことになります。一抹の不安を抱えつつ最後の角を曲がったところ、行灯がついているのは見えてきました。暖簾はまだ架かっており、混み合っている様子もありません。そのまま暖簾をくぐったところ若女将に迎えられ、カウンターの左端の指定席に首尾よく収まるという結果です。
前回ここを訪ねたときは愕然としました。広い客席が貸切同然だったのです。大女将の姿も見当たらず、お通夜のような雰囲気でした。自粛自粛と叫ばれだしてはいたものの、その直前には金沢でかつてないほどの人出に遭遇していただけに、短期間でこうも減るかと驚いたのが思い出されます。しかし今夜はまばらながらも先客がおり、自分の後にも一組とはいえ入ってきました。お客の帰りがやたらに早い現状を考えると、夕方にはそこそこ混んだのかもしれません。
当時と今とで比較不能な感染者数をあげつらい、過去最多だと目くじらを立てる連中はいるものの、無闇な「自粛」が横行していた頃を思えば、現状の方がはるかにましです。とはいえ、飲食業には依然として厳しい状況でもあります。せめてもの支援を兼ねて、一回り高い地酒を奢りました。

しづか
松本市大手4-10-8
0263-32-0547
1200AM-2130PM(LO)
日祝日定休

大雪渓
賀茂鶴
お通し(昆布)
おでん三品
さくら串焼
なめこ汁
コメント

小春日和の信濃路へ - 投宿

2020-11-21 20:28:50 | 甲信越
出発から280km走ったところで投宿です。日中こそ20度近くに上がったものの、信州に入るやたちまち寒くなり、日が暮れた時点で既に7度でした。三才山を越える途中で一瞬とはいえ2度まで下がり、松本市街も4.5度です。しかし、一風呂浴びたためでもあるのか、気温の割に寒さをほとんど感じません。薄手の雨合羽だけ羽織って出かけます。
コメント

小春日和の信濃路へ - 菊の湯

2020-11-21 19:36:10 | 温泉
北海道、北陸ほどではないものの、信州も銭湯が健在ぶりを発揮する地域の一つです。宿へと向かう道すがら、初見の銭湯があるという流れは申し分ありません。立ち寄るのは菊の湯です。
松本駅からまっすぐ延びる通り沿いという立地故、存在はかねがね認知していました。暗い中で遠目に見ると古びたようではあったものの、直近に訪ねた二軒と同じく小ぎれいな銭湯です。ただし、前からこうだったわけではないのかもしれません。脱衣場に掲げられた手製の壁新聞によると、先月新装開店したばかりとあります。しかも、ただ改装するだけではなく、営業時間を前にも後にも一時間ずつ延ばした上で、日曜には朝風呂も始めるというおまけつきです。若い世代を入れた上で、梃入れを図ったことが文面からも窺われました。銭湯の灯が次の世代へ受け継がれていくのであれば幸いです。

★菊の湯
松本市中央3-8-30
0263-32-1452
1500PM-2300PM(日曜 700AM- )
水曜定休
入浴料400円
コメント

小春日和の信濃路へ - 山崎精一商店

2020-11-21 19:08:11 | 酒屋
無料化された三才山トンネルで峠を越え、松本盆地に下りてきました。東北で酒を相当買い集め、だぶつき気味ではありますが、信州でも寄れる店には寄るつもりです。投宿の前に山崎精一商店を訪ねます。
入るなり目に留まったのは、復活を遂げた御湖鶴でした。酒米の違いで六種類あり、そのうち四種を信州ゆかりの酒米が占める中、緑のラベルの金紋錦を選びました。

山崎精一商店
松本市元町1-8-17
0263-32-0020
平日900AM-1900PM
日祝日1000AM-1800PM
火曜定休
コメント

小春日和の信濃路へ - 富士屋醸造

2020-11-21 17:28:02 | B級グルメ
小諸市街に入ったところでとっぷりと暮れました。毎度おなじみ富士屋醸造で味噌を買います。

富士屋醸造
小諸市本町1-3-10
0267-22-0398
800AM-1900PM
正月休業
特製甘口515円/500g
麦みそ365円/500g
コメント

小春日和の信濃路へ - 浅間山

2020-11-21 16:31:21 | 甲信越
わずかな出遅れが響いて、快晴を活かしきることができませんでした。しかし最後に一矢報いたといってよいかもしれません。先ほど夕日が沈んでいったところです。
明覚駅を出た後は花園でようやく高速道に乗り、下仁田からは再び国道254号線を下りました。目指したのは佐久のコスモス街道です。コスモスが一本残らず刈り取られているのを一応確かめ、しかる後に浅間山が絵になる場所を目指しました。岩村田の市街を過ぎて北上すれば、去年も走った県道に至ります。甲子園常連校の校歌を彷彿させる、真北に浅間山、西南に八ヶ岳を望む直線路です。さらに車を走らせると、稲刈りの終わった田圃に藁ぼっちが点々とするお誂え向きの眺めが広がっていました。手近な場所に車を止め、機材を担いで飛び出すも、山影がたちまち田圃に延びていき、浅間山の裾野から山頂まで駆け上がるという顛末です。
あと十分、いや五分でも早く来られれば、全景に夕日が射していたでしょう。コスモスなどとうの昔に散っただろうと思っていました。そうと知りつつ寄ったのが、結果としては仇になりました。しかし、今回の活動は雪辱戦も兼ねています。足止めが響いて行き損なったなじみの場所を訪ねることに意義があり、花が咲いているかどうかは関係なかったのです。こちらに直行していればと、強く後悔しているわけではありません。絵になる眺めを一瞬だけでも楽しめてよかったということにしましょう。
コメント

小春日和の信濃路へ - 明覚駅

2020-11-21 13:56:12 | 関東
越生駅を再訪するも、残念ながら建て替えられた後でした。気を取り直して訪ねるのは明覚駅です。こちらも民営化後に建て替えられてはいるものの、東日本管内で横行する安普請ではありません。関東の駅百選にも数えられる、六角形の塔を持つ丸太小屋の駅舎が見事です。
コメント

小春日和の信濃路へ - 毛呂駅

2020-11-21 13:07:15 | 関東
引き続き一般道で関東平野を北上中です。八高線の毛呂駅を訪ねます。的場駅と同じ日に訪ねた駅の一つがここです。しかし、着く前に日陰となってしまったため、日の当たる時間帯に再訪するのが宿願でした。三角形のファサードを持つ木造駅舎を、正面から日射しを浴びた狙い通りの条件で記録できたのは幸いです。
コメント

小春日和の信濃路へ - 的場駅

2020-11-21 11:59:18 | 関東
安比奈から入間川を渡った先に現れるのが川越線の的場駅です。東日本管内で国鉄時代からの駅舎が次々取り壊されていく中、赤っぽい瓦屋根を戴く木造駅舎が残り、適度な引きをとって撮影できるのも申し分ありません。前回ここを訪ねたのは、今日と同じく関東らしい冬晴れの一日でした。あれから四年、何一つ変わらずにいてくれたことを幸いに思います。
コメント

小春日和の信濃路へ - 竹國

2020-11-21 11:11:26 | B級グルメ
安比奈へ向かっていく途中、前回訪ねたときの記憶が甦りました。目に留まったのは武蔵野うどんの看板を掲げた一軒の店です。埼玉といえば山田うどんですが、目の前にある専門店を素通りする手もありません。飛び込んだのは「竹國」です。
店先には食べ放題850円の張り紙がありました。その正体は、八種類あるうどんがどれも均一価格で、天麩羅、ご飯と漬物が食べ放題、麺についても申告制でおかわり自由というものでした。肉汁うどんを始めとして、つけ汁でいただくうどんが多い当店ならではの仕組みといってもよいでしょう。コンビニの居抜きと思しき店舗は無味乾燥、音楽がはっきり聞こえる音量で流されるのも個人的にはいただけません。しかし、コシのあるうどんと甘辛いつけ汁の取り合わせが完成されています。雰囲気を楽しむことに価値があり、味については平凡な山田うどんとは好対照です。開店早々地元客が引きも切らずに訪れるのも納得させられます。うどんを半人前おかわりし、天麩羅も四ついただきすっかり満腹。夜の部まで補給は必要なさそうです。

竹國 川越池辺店
川越市池辺10-1
049-265-7566
1100AM-1800PM
コメント

小春日和の信濃路へ - 安比奈駅

2020-11-21 10:53:13 | 関東
二時間ほどかけて安比奈駅の跡地に着きました。図らずも実現した再訪によって分かったのは、全くといっていいほど変わっていないということです。架線柱こそ撤去されているものの、線路が撤去されたかに見える部分でも、よくよく見ると草に線路が埋もれています。それが分かるということは、背の高い草が刈られているからに他なりません。何のためかは謎ながら、怪しげな雰囲気が保たれたのは幸いです。
コメント

小春日和の信濃路へ - 川越街道

2020-11-21 08:57:04 | 関東
出発早々右往左往を繰り返しました。まずは川越街道を西へ下ってきたところです。
非常時とはいえども、連休になれば相当混むのは先々月の経験からも分かっています。三連休の初日だけに、早く出たいのはやまやまでした。しかし、体力の陰りがまたもや露呈してしまいました。長旅の疲れがいまだ抜けきらず、出発が六時に延びてしまったのです。その時点では中央道の渋滞がまだ1kmとされていたため、一縷の望みをかけてそのまま走ったものの、永福から首都高に乗った時点で、渋滞がたちまち延びて高井戸からになっていました。取り付く島なしと見てすぐに下り、関越道に回るつもりで環八に入ると、あいにくそちらも大泉から延々渋滞している始末。その結果、一般道を延々下ってきたというのがここまでの経過です。
毒を食らわば皿までもと開き直り、行き掛けの駄賃に安比奈線の跡地を見ていきます。長らく休止扱いだった路線がついに廃止され、いよいよ撤去されると耳にして訪ねたのが四年前の暮れでした。しかし、起点だった南大塚の駅周辺だけ見る限り、線路敷はもちろんのことレールも一部残っており、一変した様子は感じられません。全区間辿ったところで関越道の渋滞が緩和されれば川越から乗り、そうでなければ引き続き一般道を下るというのが今のところの方針です。
コメント