日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の会津を行く 2020 - 全行程終了

2020-11-15 20:22:06 | 東北
今からでも最終列車を乗り継いで帰れるところではありますが、そうしようという考えは土壇場になっても起こりませんでした。やりきったという実感が、まだやれるという心情を上回っています。これにて全行程終了です。
ひとまずは定跡通り、国道294号線で白河へ向かいます。現在の気温は6.5度、山間部ではかなり冷えると見込まれるものの、路面は乾いているためそのまま行くことにしました。出発からの走行距離は丁度4800kmに達しており、宇都宮の先で大台を突破することになりそうです。
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錦繍の会津を行く 2020 - 麦とろ

2020-11-15 19:47:18 | 居酒屋
北陸を振り出しに、北海道と東北を渡り歩いた長旅にも、いよいよ仕舞いの時が来ました。大トリを飾るのは「麦とろ」です。
一連の騒動を通じて、飲食店は散々振り回されてきました。場合によっては数ヶ月もの休業を余儀なくされた店もあります。ただし、一度も休まず営業を続けた店も少ないながらありました。大震災のときでさえ休まなかったという当店が、再び降りかかった災難をどのようにしてやり過ごしたかは関心事でした。そこで店主に水を向けると、変わらず営業していたという返答が。当たり前だといわんばかりの口調でした。昨晩の早仕舞いはたまたまだったのでしょう。婆さんの姿がないのも、芦ノ牧で静養しているからだそうです。ご両人の健在ぶりを拝聴した後、身知らず柿を土産にいただき辞去しました。

麦とろ
会津若松市栄町4-9
0242-24-9886
1100AM-1400PM/1700PM-2300PM
麦とろ定食800円
身欠き鰊山椒漬1000円より
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錦繍の会津を行く 2020 - 城前温泉

2020-11-15 19:35:09 | 温泉
東北からの帰り道に近年愛用してきたのは、日付が変わるまで入れる西那須野の温泉ですが、御多分に洩れず早仕舞いを余儀なくされていると知りました。実質九時半までということは、今すぐ向かえばまだ間に合います。しかしそれでは腹ごしらえする時間が残りません。今回はこちらで一風呂浴びていきます。道中最後の一湯は城前温泉です。
屋号の通り、鶴ヶ城の北側にある住宅地の一角に「ゆ」の行灯がぽつんと灯ります。店主らの住居を兼ねたと思しき建屋は一見古びているものの、中は意外に現代的です。やや小さめの浴場も意外なほどに賑わっています。年配の店主と若主人らしき人物が交代で番台を守っていることからしても、後継者問題とはひとまず無縁と考えてよいのでしょう。会津若松の銭湯は健在でした。

★城前温泉
会津若松市城前1-50
0242-27-7453
1400PM-2200PM
10日・20日・30日定休
入浴料450円
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錦繍の会津を行く 2020 - 今日限り

2020-11-15 18:56:48 | 東北
喜多方から帰る場合、若松に寄ると距離と時間の両面で無駄が生まれます。しかし、今回は迷うことなく戻ってきました。目当ては昨日見逃した紅葉のライトアップです。
物騒なご時世の産物とはいえ、昼間以上に人出はまばらです。心置きなく観賞できるのは助かります。まだ紅くなりきっていない葉も多く、来るべき三連休まで絵になりそうな様子ではあるものの、ライトアップは今日限りというのが公式発表です。最終日に駆け込めたことを幸いに思います。
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錦繍の会津を行く 2020 - 最後の夕景

2020-11-15 16:49:58 | 東北
道南と北東北では天候が振るわない日もありました。しかし幸い、最終週はいずれの日も好天になってくれました。雄国パノラマラインから道中最後の夕景を眺めます。
雲がほとんど出ていなかった昨日と違い、今日の空には刷毛で引いたような薄雲が左右に漂います。影絵になった山並みと、茜色に染まった雲の取り合わせは、昨日と違う趣を持っています。それとともに気づいたのは、地面から靄が立ち上っていることです。日が暮れて地面が急に冷えてきたということでしょう。冬の訪れを実感させる印象的な夕景です。
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錦繍の会津を行く 2020 - かつてない賑わい

2020-11-15 15:45:36 | 東北
さらに北へと車を走らせ熱塩にやってきました。目当ては日中線記念館です。昨日は着いた直後に日が陰るという慌ただしさだったため、明るいうちにもう一度と密かに思っていたのでした。
こうして再訪したところ、何組もの見物客で賑わっている光景に意表を突かれました。場所が場所だけにたかが知れてはいるものの、少なくとも自分が知る限りではかつてない賑わいです。逆に、朝方訪ねた鶴ヶ城はこれしきかと思うほどに空いていました。「3密」とやらを避けようとした結果、穴場に人が集まったということでしょうか。真相のほどはともかく、会津盆地の外れにある三角屋根の小さな駅は、鉄道好きならずとも受け入れられる郷愁を持っています。この駅のよさが再発見されたことを喜ばしく思います。
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錦繍の会津を行く 2020 - ひさじ屋

2020-11-15 14:43:04 | B級グルメ
朝から喜多方ラーメンをいただいていた頃も今は昔、近年では昼時を過ぎてから訪ねることが多くなりました。歳に応じて食が細ったことにより、ラーメン屋をはしごするという芸当も年々しづらくなりつつあります。事実上一軒限りの状況で、専ら贔屓にしているのがひさじ屋です。しかし、二時を回ると時計が気になってきました。平時なら三時過ぎでも余裕で入れるところではあるものの、物騒なご時世だけに、早仕舞いの可能性はなきにしもあらずです。三時で切り上げるとすれば、それに先立ち暖簾が下ろされてもおかしくはありません。一抹の不安を抱きながら乗り込むと、幸い店はまだ空いており、二人とはいえ先客もいました。店主と女将のご両人にも変わった様子はありません。何もかも健在であってくれたのは幸いです。
あくまで私見ではありますが、当店のラーメンには米沢の金ちゃんラーメンとの共通性を感じます。しみじみ観賞したくなるほど美しい出で立ち、スープの透明度、手打ち風の縮れ麺の味、食感などがよく似ているのです。しかし、決定的な違いもあるということに気付きました。カエシの甘い香りが際立つ金ちゃんのスープに対して、こちらでは煮干しの香りが漂います。昨日の今日でいただいたからこその発見でした。

ひさじ屋
喜多方市水上6816-6
0241-22-7639
平日 1000AM-1900PM
土日祝日 700AM-1800PM
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錦繍の会津を行く 2020 - 陰影

2020-11-15 14:22:27 | 東北
会津盆地を横断し、再び雄国パノラマラインのお立ち台にやってきました。ただし、欲をいうならもう少し早く来たいところではありました。この時間になると、主役を張る飯豊山が逆光気味なると分かっていたからです。しかし、今日の眺めは意外に悪くありません。低い日射しのおかげで遠景がそれほど霞まないのです。これも偏に空気の鮮明さのおかげでしょう。陰影のある山並みが絵になっています。鶴ヶ城の紅葉についていえば、過去に二度眺めたものを超えたとまではいえないものの、この眺めは紛れもなく今回ならではの収穫です。
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錦繍の会津を行く 2020 - 五ノ井酒店

2020-11-15 13:19:46 | 酒屋
さらに北上して会津坂下の町に入りました。毎度おなじみ五ノ井酒店に立ち寄ります。
会津では酒屋を四軒訪ねました。そのいずれにもあったのが「一生青春」の新酒です。地元坂下の曙酒造による一本を、一押しの酒と受け止め手に取りました。

五ノ井酒店
河沼郡会津坂下町市中一番甲3551
0242-83-2170
900AM-1930PM(1-3月 -1900PM)
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錦繍の会津を行く 2020 - 飯豊山

2020-11-15 12:48:16 | 東北
会津若松を後に広域農道を西進し、新鶴から北上すると現れるのが、正面に飯豊山が鎮座する直線路です。磐梯山にまだ雪はないものの、飯豊山では積雪が既に始まっており、手前の山もわずかとはいえ雪化粧しています。冬到来を実感させる景色の中、トンボがいまだに飛んでいるのは意外です。
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錦繍の会津を行く 2020 - 柏屋

2020-11-15 12:20:00 | B級グルメ
最後に立ち寄るのは薄皮饅頭でおなじみの柏屋です。店先に着くなり感じたのは、駐車場に止まった車の少なさでした。当然ながらお客の入りも少なめです。激減した人出に合わせたか、閉店は繰り上げられて五時になり、湯茶の提供も中止されました。温かいお茶をすすりつつ、おまけの一個をいただくのは当店を訪ねたときの楽しみでもありましたが、沈静化までお預けということになります。
このことから窺われるのは、営業の縮小により客足がますます遠のくという悪循環に陥っている可能性です。当店に何ら落ち度はないものの、無闇な「自粛」は考えものだと改めて思います。

★会津柏屋
会津若松市一箕町亀賀字藤原171-1
0242-25-0424
1000AM-1700PM
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錦繍の会津を行く 2020 - 関漆器店

2020-11-15 11:45:39 | 東北
今回の道中を通じ、見舞いがてら訪ねるというと呑み屋か宿のいずれかでしたが、会津ではここが加わります。続いて立ち寄るのは関漆器店です。
業界の窮状を女将が明るく語るのは最近の恒例です。元々売れないのであれば、騒動の影響も限られるかと思いきや、全くそうではないようです。漆器も今は嗜好品、不要不急と切り捨てられて、ますます受注が減ったのでしょう。従業員の休みを増やし、足りない分は店主と二人でどうにか凌いでいるというのが女将の弁です。資金繰りに窮した職人から、秘蔵の品が度々持ち込まれるものの、売るに売れないとの裏話も。一連の騒動の直撃を受けた業種といえば飲食業と宿泊業ですが、二次的な影響が当店にも及んでいるようです。
酒器をやたらに買い集めるのは好みません。しかし、非常時にあっては四の五の言ってもいられません。贈答用の品に加え、せめてもの支援を兼ねてぐい飲みを一つ持ち帰ります。

関漆器店
会津若松市中央1-4-12
0242-25-0151
1000AM-1700PM
不定休
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錦繍の会津を行く 2020 - 鶴ヶ城

2020-11-15 10:35:02 | 東北
霧が出たということは、いずれ日が射してくるということでもあります。10時を回ったところでようやく晴れました。宿の自転車を拝借し、鶴ヶ城を訪ねたところです。
桜がほぼ落葉した一方で、銀杏と楓が見頃です。しかし、一昨年とその前年もほぼ同じ条件下で眺めました。社会的距離なるものが叫ばれるご時世、人々の集まる場所に長居するのは憚られます。手短に一周して切り上げるつもりです。
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錦繍の会津を行く 2020 - 中町フジグランドホテル

2020-11-15 09:14:22 | 東北
一連の騒動で旅行者が激減したことにより、釧路での二泊を除き宿の確保は造作もありませんでした。あれ以来の例外となったのが今週末です。事前に照会した時点で、直前では手配に難儀する可能性があったため、中町フジグランドホテルを事前に押さえておきました。
長年無料を貫いてきた朝食が、ついに有料化されたのは去年のことでした。それが今回値上げされ、700円になっているのを着いてから知りました。それまで知らなかったのは、正規料金を払ったことがないからです。宿の周囲には朝から入れるラーメン屋が複数あるため、700円払うならそれらも代わりの選択肢となり得ます。しかし、朝食付きのプランなら実質的に400円の出費です。その出費に見合った価値は十分あります。同様に考える人々が多いのか、一階にある食堂は朝から大層な賑わいでした。宿泊業が青息吐息の世知辛いご時世、健闘ぶりは天晴れです。
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錦繍の会津を行く 2020 - 四日目

2020-11-15 08:21:18 | 東北
おはようございます。その後宿に一旦退却してから出直すも、「麦とろ」は残念ながら早仕舞いした後でした。おそらくは一連の騒動の影響でしょう。これにより、今回は復路の移動に先立って定食だけいただいていくのがせいぜいとなりました。ただし、この修復策には若干の問題があります。深夜に長距離移動するのが前提となるからです。
目覚めたときから窓の外には濃い霧が漂っており、今のところ晴れる気配はありません。このことからも、明け方には相当冷え込んだのが分かります。昨晩も久々に厚手の雨合羽を羽織りました。若松の市街でこれなら、峠では氷点下になる可能性も十分あります。国道294号線で白河を目指すのが順当ではありますが、日没後の気温次第では磐越道と東北道を経由する安全策も検討するつもりです。
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