本日の晩酌 - 松尾

「創や」で最後の晩餐をした帰り道、久々に立ち寄ったのは赤坂四方でした。飲食店が瀕死の危機に晒されているということは、酒を納める酒販店にも多大な影響が及びます。せめてもの支援を兼ねて立ち寄ったところ、思わぬ収穫がありました。「松尾」が並んでいたのです。
北信を旅する都度持ち帰っているこの酒も、県外で見かけたことはありません。思わぬ形で手にしたのは「斑尾」を名乗る新酒でした。槽口の生原酒を瓶詰めしてから二月熟成させたという触れ込みです。「フレッシュで果実様の香り、芳醇やや辛口」とラベルにはあります。香りはごく控えめながらも、鮮烈な味わいは新酒特有であり、これが「フレッシュ」なる表現のいわんとするところでしょう。苦み走った硬質な素地感を辛口と表現するなら、「芳醇やや辛口」の評にも納得です。

★松尾 純米吟醸「斑尾」
高橋助作酒造店(長野県信濃町)
原料米 信濃町産山恵錦
精米歩合 酒母35%/掛米・麹米59%
アルコール分 15度
東京都港区 赤坂四方にて購入